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企業動向 2024.09.25

NianticとSnapが提携、Snapの新型ARグラスにコンテンツ提供・3Dスキャンアプリとツールを連携

NianticとSnap Inc.が提携を発表し、Snapの新型ARグラス「Spectacles」向けにNianticがコンテンツを提供することが明らかになりました。この提携により、両社は屋内外で使用可能なAR技術の発展を加速させ、ユーザーの日常生活における現実世界とデジタル世界の融合を目指します。Nianticは、位置情報ベースのAR技術を活かした「Peridot Beyond」というゲームを開発し、Spectaclesのローンチ時から米国で提供を開始する予定です。

今回の提携は、AR技術の未来を見据えた両社のビジョンの一致によるもの、とされています。これまで「ポケモンGO」などのコンテンツを展開しながらARプラットフォームを展開してきたNianticとSnapのハードウェアを組み合わせて新たなAR体験の提供を目指します。NianticのシニアVPであるエリン・シェーファー氏は、「空間コンピューティングハードウェアの未来を構築することに尽力しており、さまざまなパートナーと協力して、これらのプラットフォームがより成熟し普及した際に実現したい体験のタイプを理解し、設計し、開発しています」と述べています。

Spectaclesは、屋内外で使用可能なARグラスの未来を垣間見せるデバイスです。第5世代となる新たなモデルは、より高度な機能を備えており、ユーザーが周囲の世界とデジタルの世界をより自然に体験できるようになると期待されています。

Nianticが開発する「Peridot Beyond」は、スマートフォン向けにもリリースされているARペットシミュレーションゲーム「Peridot」をSpectacles向けに特別に設計したものです。このゲームではスマートフォン版と同じく、ユーザーは仮想ペット「Dot」と一緒に屋外での冒険を楽しむことができます。近くでペットを撫でたり、一緒に探索して食べ物を見つけたり、キャッチボールをしたりすることが可能です。将来的には、複数のプレイヤーが現実世界で一緒にDotと交流できる機能も追加される予定です。

また、Nianticはスマートフォン向けに3Dスキャンアプリ「Scaniverse」を展開しています。ScaniverseのiOS向け最新版では、ガウシアンスプラッティング(Gaussian splatting)と呼ばれる技術を使用して、現実世界の物体や環境を高精度で3Dスキャンし、グローバルマップ上で共有することができます。さらに、スキャンした3D画像(Splatと呼ばれる)をSnapが提供するARコンテンツ作成ツールLens Studioに直接インポートできるようになります。

シェーファー氏は、今回の提携について次のようにコメントしています「今回の提携は、ARにとって信じられないほどエキサイティングな瞬間です。屋外用ARグラスの登場により、私たちがスマートフォンを見下ろすのをやめ、美しい世界をより良く鑑賞するために上を見上げるような未来に向けて、大きく前進することになります。開発者コミュニティの優れた才能を持つ皆さん、キャンバスは皆さんのものです。」

この提携により、NianticとSnapは、AR技術を通じて現実世界とデジタル世界をシームレスに融合させる新たな可能性を切り開こうとしています。今後、両社の協力がARグラスを使った体験の進化にどのような影響を与えるか、注目したいところです。

(参考)Niantic


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