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VR動画 2018.06.29

好きな角度から野球観戦 KDDIが自由視点VRのリアルタイム配信に成功

KDDI株式会社らは、次世代移動通信システム「5G」に対応したタブレット端末を活用し、スタジアムでの自由視点映像のリアルタイム配信に世界初の成功したことを発表しました。複数台のカメラから撮影した映像をもとに自由視点VRを作成、カメラ映像のないアングルからでも映像を視聴できるようにしています。

また沖縄にある「沖縄セルラースタジアム」では、自由視点映像のリアルタイム配信とバッター視点の臨場感のあるライブ映像を、VRヘッドセットで体験できるブースの設置も行われています。

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16台のカメラで撮影、加工映像をリアルタイム配信

スタジアムでのスポーツ観戦やコンサート視聴では、新しい楽しみ方として、モバイル端末や大型スクリーンへ、リアルタイムに映像を送る技術が期待されています。多数の観客に向けた大容量の映像の同時配信は、これまでのモバイル通信技術では実現困難でした。しかし、新たに登場する「5G」を活用することでこれが可能となります。

実験は、2018年6月に沖縄県の沖縄セルラースタジアム那覇で開催された日本プロ野球公式戦、北海道日本ハムファイターズ対福岡ソフトバンクホークスにて実施しました。沖縄セルラースタジアムの観客席に5Gのエリアを構築し、自由視点映像の撮影のためにバッターボックスに向けたカメラを16台設置。同じタイミングで多方向から撮影された打者の映像を元に、任意のアングルからの自由視点映像に加工して、10台の5Gタブレットへリアルタイムに配信することに成功しました。

なお、この実証実験には、株式会社国際電気通信基礎技術研究所やサムスン電子が協力しています。

ユーザーはタブレット操作を通じて、バッターボックスの選手を好きな角度で視聴できます。また5Gタブレット端末内にある自由視点映像の録画ボタンを押すと、映像のリプレイ再生が可能です。

「自由視点」へのKDDIの取り組み

KDDIが取り組む自由視点映像は、「タイムスライス自由視点」と「自由視点VR」の二つに大別されます。

「タイムスライス自由視点」は、短い処理時間で自由視点映像を生成し、様々なカメラアングルで映像を鑑賞することができます。

一方、「自由視点VR」は、複数のカメラの映像から抽出した選手などの人物領域やスタジアム背景を、3DCGモデルで表現。実際にカメラ映像がなくても、あらゆる視点からの映像視聴を少ないカメラ台数で実現します。今回は、この自由視点VRによるリアルタイム配信を実現しました。

また今回の発表に合わせ、沖縄セルラースタジアム2階のコンコースにおいて、自由視点映像のリアルタイム配信とバッター視点の臨場感のあるライブ映像を、VRを通じて体感できる「au 5G体感ブース」を設置しています。

リアルタイム配信の実現で、モバイル端末を介した任意のアングルでのスポーツ観戦が可能となり、スタジアムにおける新たな観戦スタイルを提供できます。また遠隔でのイベント視聴において、テレビ中継とは異なる臨場感を体感可能です。

これまでにもKDDIは、カラオケ店でのVR事業展開を目指したシダックスとの実証実験株式会社ハコスコの自由視点VRコンテンツへの協力など、VRに関する取り組みを進めています。

(参考)KDDI株式会社ニュースリリース


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