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Oculus Rift 2018.07.05

宇宙ステーションでVRを実験活用、“宇宙酔い”解明に

国際宇宙ステーション(ISS)で、VRを使った実験が行われています。目に見える景色、音、そして重力がどのように人の視覚と手の動きの連動に影響するかを調査しています。この調査では、VRヘッドセットOculus Riftを改造したものが使用されています。

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Oculus Riftを改造して実験

フランスが主導するこの研究はGravitational References for Sensimotor Performance(感覚運動における重力の影響、GRASP)と呼ばれ、フランス国立科学研究センターが執り行っています。宇宙ステーションでの最初の実験は、2016年に行われました。

Oculus Riftを改造したVRヘッドセットにはトラッキングツールがセットされ、カスタマイズされたコントローラーとセットになっています。実験者は腰に赤外線センサーを装着し、手と体の位置関係を正確に把握できるようにします。

宇宙空間でのロボット操作にも役立つ

欧州宇宙機関(ESA)は、声明の中で次のように発表しています。「視覚と手の動きの連動についての生理学的な理解を高めれば、研究者はめまい、平衡感覚、空間位置把握といった前庭器官についての不調を治療することができるでしょう」また、「宇宙飛行士の宇宙での作業をサポートする、遠隔ロボット操作の最も効率的な方法を開発することにも役立ちます」と続けています。

ISSはこれまでにも、マイクロソフトのMRデバイスHoloLensなど、最先端の機器を実験に用いてきました。その一方で、地上でISSの体験をする「Mission: ISS」といったのコンテンツが出ていることも、興味深い事象です。

他にも宇宙に関するVRコンテンツは、イギリスのBBCが手掛けたVRシミュレーション、月面着陸を体験するPlayStation VR(プレイステーションVR・PSVR)ソフトなどがあります。

(参考)Road to VR
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