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話題 2024.11.09

国際宇宙ステーションをデジタル化した「ISS Simulator」がSteamで公開 艦内はJAXAの協力のもと再現 実際に体験してみた

国際宇宙ステーション(ISS)をデジタル上に再現した「ISS Simulator」が、Steam上で公開されました。ISSの内部を精巧に再現しており、宇宙に詳しくない方でも一見の価値があります。


(ISS Simulatorのアプリ内で撮影)

「ISS Simulator」は、JAXAの協力のもと株式会社スペースデータがISSを再現したプロジェクトです。スペースデータは宇宙ステーションや月面などの宇宙環境をバーチャル上に再現する技術「宇宙デジタルツイン」を推進しており、本プロジェクトはその第一弾にあたるとのこと。

スペースデータは、国土交通省の3D都市モデルプロジェクト「Project PLATEAU」にて、高精度デジタルツインデータ自動生成AIを開発しており、限りなくリアルタイムの現実に近い「並行世界」をコンピューター上に再現する取り組みを行ってきました。今回においても、JAXAから提供された実データより、ISS船内の環境をリアルに再現しています。

実際に体験してみた

ISS Simulatorでは、球体型のロボットを操作し、ISSの内部を探索できます。壁にはコードや大量の計器などが大量にあり、現実と差がないほど細く作り込まれています。宇宙ステーションの内部をここまで晒していいのかと驚いてしまいますが、スペースデータによれば、『これまで限られた人や専門家のみがアクセス可能であった宇宙空間を世界中の人々に開放し、あらゆる産業の宇宙事業への参入を促進する』といった目的があるそうです。

移動にはクセがあり、宇宙らしい独特な慣性の中で操作することとなります。操作が分からなくなったら、リセットポジションで一度戻すことをおすすめします。また、メニューからは操作方法やオプションも確認できました。

ゲーム的な要素はありませんが、機内を散策してみると面白い発見も。壁際に搭乗者が使っていたであろうボールがあったり、ステッカーが貼られていたりと、無機質な空間に人間らしい痕跡が感じられます。

ガラス窓からは、地球の様子を覗くこともできました。

オプションの「Wind Direction」をオンにしてみると、矢印のようなものが大量に出現。説明によれば、微小重力環境や気流などの宇宙ステーション特有の環境をデジタル上に再現しているそうです。JAXAから温度、湿度、風量、照度といった船内環境データの提供を受けており、物理現象も現実に近いものとなっています。

ISS Simulatorは無料でダウンロード可能です。一定以上のスペックを要求しますが、興味があればぜひ触ってみましょう。遠い宇宙を身近に感じられるかもしれません。

配信先はこちら。
https://store.steampowered.com/app/3239970/ISS_Simulator/

(参考)プレスリリースSteamページ


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