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イベント情報 2017.11.29

#Inter BEE2017 映像作家がレビューする最新VR機材【周辺機材編】

11月15-17日、幕張メッセにて映像機器の見本市Inter BEE2017が開催されました。全天球映像作家 渡邊課視点でお送りする機材レビュー。前編では360度カメラを紹介しましたが、後編は「VRと組み合わせて使ったら面白いVR映像が作れる・体験できるのではないか」というガジェットを紹介していきます。

水中撮影ケーブル Bi Wireless Line(取り扱い:ルミカショップ)

7.5mの三脚BiRodでおなじみのルミカショップさん取り扱いの商品。水中にWi-Fi電波を飛ばすことのできるケーブルです。設置はハウジングの外側に貼るだけ。

RICOH THETAから出た純正ハウジングTW-1と併用して使うと水中へのリアルタイムのモニタリングとシャッター切るという操作が、何と陸上からできてしまう。水中からの全天球ライブ配信も夢じゃない!20m 10,000円、50m 27,000円です。
このケーブルは陸上でWi-Fi届きにくいところでも操作可能と思うと現場での利用頻度高くなりそうです。

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Insta360 Oneの水中ハウジングの展示もありました。今後、気軽に水中撮影できるようになれば、水中VRものも増えるのではないでしょうか。

GITZO カーボンマイクロフォーンブーム (取り扱い:マンフロット)

この製品はマイク用の一脚です。一脚の中にケーブルを通せるようになっているので、カメラの下から出たケーブルをひとまとめに中にいれて、下から引き出せるというものです。ケーブルの映り込みが気になるという方におすすめです。

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立体音響マイク一言紹介

ここからはVRコンテンツ向けにも重要な立体音響マイクをまとめて紹介していきます。


サザン音響 SAMREC 1016 Virtual Pro 価格:200万以上

耳型マイクがいっぱい、8方向のバイノーラルかつスペーシャルを実現しているという認識です。デモ音源を聞くことができなかったのですが。フルスクラッッチでも作ってくれるようなので。もはやカメラ一体型を相談して、オリジナルで作るのが良さそうです。

サザン音響公式
http://www.s-acoust.jp/


3Dio FreeSpaceOmniPro 価格:74万

3Dioはもともとバイノーラルマイクを出していたメーカーです。こちらは4方向でのバイノーラルマイクを組み合わせて360度の音響を実現しています。前述したサザン音響のSAMREC 1016 Virtual Proと比べるとコンパクトでお手頃な値段設計になっています。

3Dioジャパン公式
http://mimimic.com/


ゼンハイザー AMBEO VR MIC 価格:25万

VRとセットでデモを展示していました。ただデモで体験した動画があまり360度音響の特性を活かせる映像ではなく、実力がいまいち分からなかった印象です。

実際に、デモで体験した映像は、体験者を太鼓隊と鼓笛隊が交互に並んで囲み、一斉に音を出すというものでした。なので、音の要素が混ざった状態で一斉に音が360度全方位から聞こえてきても、立体音響の良さを活かしているとは言えません。撮影時のシチュエーションのテクニックになりますが、この場合は、太鼓隊、鼓笛隊とを位置が被らないように配置し、方向によって音が振られるようなコンテンツが適していると言えます。

BRAX LED Displayの部屋

BRAX LED Displayの部屋 #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA

全方位にLEDディスプレイを配置した部屋でのVRの体験です。以前auが発表した『Hello,New World.』も同じようなVR体験でした。あの設備は一体いくらなんだろう、と考えたことがありましたが、皆目見当もつかずでしたが。今回サンプルで置いてある一部屋分のディスプレイの量で5000万くらいだそうです。解像度、サイズによって値段が比例していくとのことでした。複数人同時に体験できるVRというのは、個々人が機材を装着するVRヘッドセットでは実現しにくいものなので、とても可能性を感じました。

ちなみにVRのエクイレクタングラーの映像を使用するとしたらキューブマップに変換し使用するのが良さそうです。『After Effects』のmettelのコンバーターを使うと簡単に変換することができます。

レンタル業者もあるとのことでイベントで利用してみるという手もあるかもしれません。

BRAX公式
http://www.brax2.com/led/

双眼鏡型VRビューワ(取り扱い:よしみカメラ)

Insta360 One向け革ケースをいち早く作ったり、色調整できる自撮りライトを作ったりと発明で定評のあるよしみカメラさんが面白い製品を展示していました。

それがこの双眼鏡型VRビューワです。東京ゲームショウ2016でCygamesが展示していたグランブルファンタジーのVRデモコーナーにもこのような覗き込む仕掛けの筐体がありました。思わず覗きたくなる衝動を掻き立てる仕掛けが実現できます。仕立てが良すぎてお値段63万円と若干お高い印象ですが、覗き見など、コンテンツ次第では十分ペイできる効果を持っているのではないかと考えられます。500円3分とかで温泉観光地に置いて置いてみて、湯けむりが見えてこれ以上みたい場合は課金というシステムにしたり……。2000人体験してくれれば意外とペイできるかも、と夢が広がります。

よしみカメラ公式
http://www.443c.com/

Inter BEE2017を振り返る

渡邊課が行くInterBEE2017、いかがでしたでしょうか。

2016年まではVRを目新しさで扱っているところが多かったのですが、今年は実用的なVRカメラが増えてきている印象でした。VR用のカメラは撮影シーンの得意不得意がはっきりと出る機材です。サイズ感が大きくなればその分大きなスペースでの画になってきます、小さいものは演出上の自由度はますものの画質とのトレードオフだったりと、一長一短があります。

そのため、現状は演出に合わせてカメラを使いわけるのが良いのかなと思っています。その選択肢は現物を目の当たりにして映像を体験するのが一番理解を深めることができます。

渡邊課でも常にプロ向け機材だけでなく、Insta360 ProとTHETA Vを混ぜて作品を作ることもあります。通常の映像であれば見せたい画に合わせてカメラのレンズを変えますが、360度撮影の場合はレンズを変える感覚でカメラを使い分けられると演出の自由さも出てくるのかもしれませんね。

渡邊課では実写ベースのVRのお仕事をしております。ぜひご相談ください。

前編はこちら
#Inter BEE2017 映像作家がレビューする最新VR機材【360度カメラ編】


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