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企業動向 2024.09.25

軽量VRヘッドセット「Visor」に不安の声 公式イベントで実機デモができず、動画が後日公開

軽量なVRヘッドセット「Visor」の開発元Immersedが、初の公式イベントで実機デモに失敗し、その後公開された動画でも一部機能しか確認できないなど、製品の実現可能性に疑問の声が高まっています。Visorは、リモートワーク用に設計された軽量なVRヘッドセットとして注目を集めていましたが、最近の出来事により、不安の声が高まっています。

Visorは、米国のスタートアップImmersed社が開発している軽量なVRヘッドセットです。ImmersedはVRヘッドセット向けの拡張ディスプレイアプリを提供しています。Visorは、従来のVRヘッドセットよりも軽量で長時間の着用が可能とされています。4K OLEDディスプレイやハンドトラッキング、アイトラッキングなどの高度な機能を搭載し、PCに接続して仮想モニターを表示したり、スタンドアロンで使用したりできるとされています。

太平洋時間9月19日に開催された初の公式イベントでは、Immersed社の創業者であるRenji Bijoy氏がVisorの最終デザインを発表しました。

しかし、実機デモでは深刻な問題が発生しました。当初予定されていたソフトウェアデモができず、参加者は単にハードウェアを見ることしかできませんでした。イベント終了間際に1台だけ動作する機器が現れましたが、3D表示や頭部トラッキングなどの基本機能は動作せず、片目で2D画像を見るだけのデモとなりました。


公式イベントVisor IRL

この出来事を受けて、Immersed社は4日後に3つの短い動画クリップを公開しました。3つの動画では、Visorがノートパソコンの画面をミラーリングして仮想スクリーンに表示する様子が確認できました。しかし、パススルー機能やハンドトラッキング、アイトラッキング、そして独立型機能として謳われていたウェブブラウザなどの重要な機能は示されませんでした。

1つ目の動画

2つ目の動画

3つ目の動画

動画では6DoFのトラッキングも確認されましたが、動きにはかなりのぎこちなさが見られ、Bijoy氏自身も「ファームウェアのバグを完全に修正するまでは少し不安定」と認めています。

一連の状況を受けて、Visorの実現可能性と信頼性に対する不安の声が高まっています。Immersed社は当初、イベント後すぐにFounder’s Editionという初期ユーザー向けの製品を出荷し、一般向けの予約分は2024年4月までに出荷すると主張していましたが、現在の状況を考えると、このスケジュールの実現は難しいのではないかと懸念されています。

Bijoy氏は今後数週間以内にハンドトラッキング機能のデモンストレーションを行う予定だと述べています。また、完全に動作するVisorのデモを行うために欧州に渡航する計画もあるとしています。しかし、これらの約束が実現するまでは、Visorの予約に対して慎重な姿勢を取ることが賢明だと主張している欧米メディアの声も出ています。

Visorの開発状況と今後の展開については、XR業界から大きな注目を集めています。軽量で高機能なVRヘッドセットへの期待は大きいものの、技術的な課題や製品化のハードルも同時に浮き彫りになっています。Immersed社が今後どのようにこれらの課題に対応し、信頼を回復していくのか、注目したいところです。

(参考)UploadVR 1 2

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