東京ドームにゴジラが襲来!?
体長約100mのゴジラの迫力を全身で味わえる屋外型ARアトラクションが、この冬、東京ドームシティに登場します。
その名も「ゴジラAR ゴジラ VS 東京ドーム」。
過去にも「ゴジラ」をテーマにしたXRコンテンツは存在しましたが、今回の舞台は現実世界。しかもゴジラが現れるのは、広さの単位としてあまりにも有名な、あの「東京ドーム」です。
日本を代表する「広さ」と「デカさ」のコラボレーションとくれば、いったいどんな体験が待っているのか期待せずにはいられません。本記事では、メディア向けに行われた「ゴジラAR」発表会の模様と、筆者が実際に体験したレポートをお届けします。
東京ドーム×ゴジラ×ARが創造する「熱狂体験」
「ゴジラAR ゴジラ VS 東京ドーム」は、株式会社東京ドームとGraffity株式会社が共同開発した屋外型ARアトラクション。12月17日(水)に、東京ドームシティ アトラクションズのバイキングゾーンにオープンします。
発表会は、東京ドーム社の長岡勤代表取締役社長COOの挨拶からスタートしました。
約3年前、「何か新しい、おもしろいものを作れないか」という東宝株式会社との対話から始まったという本プロジェクト。
東宝、白組、Graffityの3社協力によってアトラクションが完成したことに触れ、長岡氏は「やっと今日この瞬間を迎えることができ、非常に嬉しく思っております」と喜びを露わにしました。
続いて登壇したのは、新規事業室の下山大輔氏。本プロジェクトのビジョン説明の中で下山氏が強調したのが、「熱狂体験」というキーワードです。
AIの普及により効率化が進む現代では、感動や想像力が入り込む「余白」が失われつつあるのではないか――。そこで本プロジェクトでは、テクノロジーの活用によってリアルな人のつながりと感動を増幅させる「熱狂体験」の創造をビジョンに掲げたといいます。
この熱狂体験を構成する要素として、下山氏は以下の3つを挙げました。
- ライブ感:同じ時間・空間で、その場の全員で作り上げる熱気と一体感。
- ワクワク感:「もしも」の想像や妄想が、目の前で現実になる高揚感。
- ドキドキ感:絶望的な状況やミッションに、仲間と立ち向かうスリルと緊張感。
そして、これらの感情を増幅させる技術として採用されたのが、「AR(拡張現実)」です。
別世界へ没入するVRとは異なり、ARは「今いる場所」を拡張する技術。これまで多くの熱狂と人のつながりを生んできた“場所”である東京ドームこそ、ARを最大限に活かせるフィールドであると捉えることができます。
しかも、その「東京ドームで実現するAR体験」の主役として白羽の矢が立ったのが、あのゴジラです。
「本当に目の前に現れたらどうなるんだろう」と誰もが一度は空想してしまう、圧倒的な存在感を誇る大怪獣にして、恐怖と絶望の象徴。人々の心を揺さぶる「熱狂体験」を創造するアトラクションの主役として、これ以上の適任はいないでしょう。
また、東京ドーム社のXR戦略において、この「ゴジラAR」は新たな挑戦に位置づけられています。
同社はこれまでも「XRミッション バトルワールド2045」や「Space Travelium TeNQ」などのロケーションベース型XRに積極的に取り組んでおり、国内外から好評を得てきました。「東京ドームシティから、新しい形のロケーションベースエンタメをどんどん発信していきたい」と、下山氏は意欲を滲ませていました。
Graffityが追求した「圧倒的な臨場感」と3つの体感設計
開発を担当するGraffity株式会社の森本俊亨代表取締役CEOからは、「ゴジラAR」の特徴とこだわりについて語られました。
同社が特にこだわったのが、「そこにゴジラがいる」という空気感そのものの再現。圧倒的な臨場感を実現するべく、「『デカい!恐い!』が、すぐそこに。」という開発コンセプトの下、3つの体感設計を施したそうです。
第一に、現実との対比によって大きさを演出する、「デカい!」の体感設計。
「現実世界を拡張する」というARの特性を活かし、ヘッドセット越しに見える実際の建物とゴジラを対比させることで、そのスケール感を視覚的に表現しています。
(ゴジラの3Dモデルおよびアニメーション制作は、『ゴジラ-1.0』『シン・ゴジラ』を手掛けた株式会社白組が担当。モデルはショートフィルム『ゴジラVSメガロ』『ゴジラVSガイガンレクス』本編のものがベースとのこと)
第二に、プレイヤーの感情を段階的に揺さぶり臨場感を最大化する、「恐い!」の体感設計。
目の前に現れたゴジラに対する「デカい! すごい!」という初期の感動を、段階的に「恐い! ヤバい!」へと変貌させていく狙いです。接近するゴジラに圧倒されるだけでなく、はっきりと敵意を向けられる恐怖体験が待ち受けています。
第三に、ゴジラの空気感を全身で感じる、「そこにいる!」の体感設計。
視覚だけでなく、ゴジラの咆哮や足音を「音」と「振動」で演出します。立体音響に加え、首から下げる振動デバイスが、咆哮や足音の衝撃を物理的な振動へと変換。「ゴジラが目の前にいる」という事実を、全身でわからせにくるのです。
その上で、本アトラクションの醍醐味は「最大10人の同時体験による一体感」にあると森本氏は強調します。1人で遊ぶゲームではなく、「一緒に怖がる」ことで生まれるコミュニケーション。その場の全員で共有する一体感をぜひ感じ取ってほしいと結びました。
想像を超える臨場感!東京ドームシティに現れたゴジラに圧倒される
発表会終了後、場所を移していよいよ「ゴジラAR」の実体験へ。
まずはスタッフさんの指示に従って、振動デバイス、ヘッドホン、G-SCOPE(ヘッドセット)を順番に装着します。それぞれ装着する際にはスタッフさんがサポートしてくれるので、ヘッドセットに不慣れな方でも安心です。
装着完了後、ヘッドセット越しに表示される注意事項を確認。観覧車の方角に浮かぶストーリー説明を読みながら、全員の準備が整うのを待ちます。
まだゴジラの姿はありませんが、周囲を見回すと、観覧車の右手あたりに黒煙が立ち込めている様子。よく見ればCGだとわかりますが、一瞬本物の煙かと見紛うほど景色に溶け込んでいました。
全員が指定された立ち位置に移動したら、いよいよミッション開始です。
特G隊・タキノダイスケ(CV.小山力也)とオペレーター・アオイナオ(CV.伊瀬茉莉也)の緊迫した通信音声が響き渡り、異常事態の発生を告げます。
黒煙の方角から電車や瓦礫が激しく吹き飛んできたかと思うと、ついに足音と共にゴジラが出現。おなじみのBGMが大音量で流れ、大怪獣の咆哮が振動デバイスを通じて全身をビリビリと震わせます。
事前の説明にもありましたが、この「音」と「振動」がもたらす臨場感は想像以上!
決して地面が揺れているわけではないのに、画面の揺れ、方向感のある足音、そして胸元で激しく暴れる振動デバイスの相乗効果がすさまじく、「巨大な何かがすぐ近くにいる」と脳が錯覚を起こします。そのド迫力に、開始早々「おお!?」と声が出てしまったほどでした。
「のけぞらなければ見上げられない」ほどの巨体と対峙するAR体験
プレイヤーの任務は、HMD式対G作戦遂行支援システム「G-SCOPE」を用いた対G特殊弾頭ミサイルでゴジラをロックオンし、落とし穴へと誘導すること。穴に落として動きを封じ、冷却装置によって無力化を狙います。
個人的に強く印象に残ったのが、この「ゴジラをロックオンする」体験でした。
操作自体はシンプルです。ゴジラの全身に表示される複数のマーカーに対し、頭を動かして視線を合わせるだけ。VRゲームでも定番の操作であり、自動でロックオンされた後にミサイルが一斉発射される、視覚的にも体験的にも爽快なシーンです。
しかし、この簡単なはずの「マーカーを見る」操作において、一瞬だけ手間取る瞬間がありました。それが、ゴジラの頭部へのロックオンです。
というのも、東京ドームシティに現れたゴジラの全長は、約100m。
その巨体を見上げ、頭部を視界の中心に収めるには、自分の頭をある程度は後ろへ逸らしてのけぞる必要があります。「高層ビルを真下から見上げて首が痛くなる」あの感覚に近いかもしれません。
登場した時点でそのサイズ感には圧倒されていましたが、ロックオンのために「自分の頭を大きく動かしてのけぞる」という身体動作を強いられることで、そのデカさを改めて“肉体”で実感させられました。
もちろん、「100m」という数字や建物との対比で大きさをイメージすることはできます。しかし、「もしゴジラが目の前に現れたとして、その顔を見上げようとしたら、頭を後ろに逸らさないと直視できないほどデカい」という実感は、現地で見上げてみないことには得られません。
実際に動き、こちらへ迫りくるゴジラを、身をのけぞらせて見上げる。これはARならではの貴重な体験だと言えるでしょう。
ちなみに、アトラクション内では東京ドームシティの観覧車「ビッグオー」(高さ約80m)の近くまで接近するため、その対比によってもゴジラのサイズ感を実感できます。「これだけ大きかったら、観覧車なんて簡単にへし折られるだろうな……」という絶望的な想像も相まって、凄まじい迫力でした。
ゴジラのあの「咆哮」を体に伝える、振動デバイスの威力
もう一点、体験して驚かされたのが「振動デバイス」の威力です。正直に言えば、体験前はそこまで重要なものだとは考えていませんでした。
見た目は大きめのモバイルバッテリーのようなサイズ感で、首からぶら下げてもあまり重さを感じません。「振動」といっても、ゲームのコントローラーのように、足音に合わせて震える程度のものだろう――そう高を括っていたのです。
しかしアトラクションが始まるやいなや、その認識は誤りだったと気づかされました。むしろこの振動デバイスこそが、「そこにゴジラがいる」という空気感・臨場感の核となる存在だった。そう言わざるを得ません。
巨大な存在がそこにいて、その巨体が歩を進めるたびに足音が響き、振動が伝わる。視覚と聴覚の表現だけでも迫力はありますが、そこに物理的な「振動」が加わることで、臨場感が一段上のレベルへ引き上げられていました。
特に絶妙だったのが、あの象徴的な「咆哮」の演出です。
「ズンッ」という足音の短く重い振動とは別の、波のように全身へ広がり伝播していく、音の連なりのような「咆哮」の振動。それが直に体に伝わることで、映画館の大音響以上に「全身で音を浴びている」ような感覚がありました。
聞き慣れているはずのゴジラの咆哮が、聴覚だけでなく触覚を通して伝わることで、より不気味に、恐ろしく感じられました。もし振動デバイスがなかったら、あそこまでの実在感は味わえなかったはずです。
「見上げる。のけぞる。震える。」のコピーに偽りなし
現実世界の東京ドームシティで、逃げ惑う一般市民としてではなく、「こちらに敵意を向けるゴジラと対峙する」体験ができる「ゴジラAR」。
東京ドーム社は年間10万人の来場を目標としており、好評であればゴジラの第二弾コンテンツや、東京ドーム以外の場所での展開も検討していくそうです。
ミッションの結末や詳細なストーリー展開については、ぜひ実際にアトラクションで体験してみてください。少しだけ付け加えるなら、「しっかり恐怖できるし、興奮もできる」「“ゴジラ”ならではの体験をちゃんと味わえる」ということはお伝えしたく思います。
現実世界に現れたゴジラを目の当たりにし、その見上げるほどの巨体に圧倒され、あの咆哮を全身で味わう。「見上げる。のけぞる。震える。」のキャッチコピーに偽りなしの体験が、あなたを待っています。
「ゴジラAR ゴジラ VS 東京ドーム」概要
- 営業開始日:2025年12月17日(水)
- 場所:東京ドームシティ アトラクションズ内 バイキングゾーン(屋外)
- 料金:1,300円(税込)
- 体験時間:約10分
- 利用規定:10歳以上(10〜12歳は保護者の同意と同行が必要)
- 利用人数:同時参加最大10名
- 公式サイト:https://www.at-raku.com/event/tdc-godzilla-ar/
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