VRアニメーションスタジオBaobabが、豪華声優陣を起用した最新作「クロウ:伝説(Crow: The Legend)」を制作しました。同スタジオはVRショートアニメーション「Invasion!」と「Asteroids!」がエミー賞に入賞した経歴を持っています。
本作品はVRヘッドセットのOculus RiftとOculus Go、Gear VRに対応しています。価格は無料です。ユーザーは光と音楽、神話が融合したインタラクティブな世界の一部となって、宇宙の旅を体験することができます。なお、動画配信サイトのYouTubeでは2Dバージョンも公開中です。
声の出演には、映画「ラ・ラ・ランド」のジョン・レジェンド、「レディ・プレイヤー1」のタイ・シェリダン、「クレイジー・リッチ!」のコンスタンス・ウーら今話題のハリウッドスター達が登場しています。
インタラクティブなVRアニメーション
本作品では、Oculusのコントローラーを使用して、ユーザーがアニメーションの世界に影響を与えることができます。Baobabのチーフクリエイティブオフィサーで、本作品のダイレクターを努めるEric Darnell氏はインタラクティブな機能について次のように語っています。
ユーザーが手を動かすことで、アニメーションの世界にある花を成長させ、雪を降らせ、風を吹かせることができます。ほかにも「music of the univers(宇宙の音楽)」を、指揮者のように奏でることもできるのです。これによって、パワフルで直観的な表現を簡単に体験できるだけでなく、物語により集中することができるようになります。
生きることについて教えてくれるネイティブアメリカンの神話
「クロウ:伝説」は、ネイティブアメリカンのカラスにまつわる神話がもとになったストーリーです。鮮やかな色の羽と、人々を魅了する歌声を持つカラス「クロウ」は、平和で穏やかな森で仲間とともに過ごしていました。しかしある日、森は凍える寒さの長い冬へと包み込まれていきます。仲間たちが寒さに苦しむこの状況を解決するために「クロウ」は、「The One Who Creates Everything By Thinking(考えるだけで何でも作れる人)」を探すため宇宙の彼方まで旅をします。
「クロウ」を演じたジョン・レジェンドは作品について次のようにコメントしています。
「クロウ:伝説」は、VR(バーチャル・リアリティ)で今まで誰も手掛けたことのない方法で、神話と音楽を融合させています。暗闇の中へ、自分を探しに旅に出るというインスピレーションを与えてくれる素晴らしいメディアです。今現実の世界で起こっていることを考えると、どんな立場の人にも届く深いメッセージ性を持っています。
Baobabはこのプロジェクトを実現するため、ネイティブアメリカンの慈善団体であるNative Americans in Philanthropy(NAP)とパートナーシップを提携しました。同団体のCEOであるSarah Eagle Heart氏は、本作品で「Luna(月)」役の声優として登場しています。
Eagle Heart氏は本作品について次のように語っています。
何千年と語り継がれているこの神話を通して、古くからの知恵を共有することができます。神話は私たちと物理的に、感情的に、そして精神的に結びついており、何が正しくて間違っているのかを教えてくれるとともに、どのように生きていくかについても伝えてくれる存在です。プロジェクトを進行する中で、VR市場にはネイティブアメリカンに関する作品が希少であることに気付きました。これは、関心が少ないということではなく、機会が少なかったのが理由だったと考えられます。
Oculus Store「クロウ:伝説」