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ゲーム・アプリ 2019.03.21

【PSVR】「Beat Saber」(ビートセイバー)クロスレビュー

全世界で100万本を販売したVRリズムゲームBeat Saber(ビートセイバー)。本作はライトセイバーを振り回してオブジェクトを斬り裂くプレイ動画が話題となり、爆発的に注目を集めました。

既に「VRゲームと言えば『Beat Saber』」と言えるほどの認知度と人気を獲得した本作、今回は4名でPlayStation VR(PSVR)版のクロスレビューを行いました。

レビュアー紹介

アイコン

レビュアー名

紹介

すんくぼ

Mogura VR News / MoguLive編集長。もぐらの編集長なのにペンギンが好きという矛盾を抱えながら生きる男。好きなゲームは「ライブ・ア・ライブ」。

やましん

VRゲーム狂。コイツに聞けば良質なタイトルはだいたい分かる。好きなゲームは「Fallout」シリーズ。

中村友次郎

リズム感はそこそこあると自負しているが反射神経が残念なので音ゲーは下手の横好き。「スペースチャンネル5」(初代ドリキャス版)初見ノーコンクリア……をあと一歩で逃した過去をもつ。一番好きな音ゲーは「太鼓の達人」、最近面白かった音ゲーはインディーゲームの「Muse Dash」。

水原由紀

人の形をしたイカ。Splatoonを初代と2で合計5000時間くらい遊んでいる。好きなゲームは「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」「Dear Esther」。今やもっぱら「Baba is You」。音ゲーはBEMANIシリーズを少々。

得点表

各レビュアーのつけた点数は以下の通り(10点満点)。

すんくぼ

やましん

中村友次郎

水原由紀

合計

9

8

9

9

35/40
(平均:8.75/10)

やはり軒並み高評価、PSVRでもほぼ遜色なし

光る剣を振り回すロマン、クールでテンポのいいエレクトロメインの楽曲、リズムと完全にマッチしてブロックを切る爽快感、難易度を上げてからの絶望と慣れてきたときに訪れる快感の繰り返し。PCVRで感動したプレイ感はそのままPSVRで体験できる。一方、トラッキングやグラフィックの面ではどうしてもPCVR版に若干劣るため、わずかに減点とした。(すんくぼ)


全世界で100万ダウンロードを突破し、今最も注目されているVRゲームであると言っても過言ではない「Beat Saber」。過去にもVRリズムゲームといえば「Audioshield」や「Airtone」などがありましたが、本作ではそれらに剣で切る爽快感と動きの自由度を足した、言わば進化系のような作品だと思っています。

今までのVRリズムゲームは基本的には飛んでくるオブジェクトを叩くというのがメインでした。それを切る動作に置き換えることで、これほどまで感覚が変わるものなのか、と驚いたほど。動きの自由度も重要で、“他者から何をやっているかわかりにくい”というVRの欠点がありながらも、プレイしている人を見ているだけで面白い作品になっています。YouTubeなどのプレイ動画を見ても非常に激しい動きをしているケースが多く、ただ切るだけではなく“魅せプレイ”ができる作品はVRゲームの中でも珍しいです。

収録曲も大手ゲームスタジオに所属していたスタッフが作っている曲ということもあり、初めて聞く人でもリズムにノッてしまうような曲が多数収録されていることに加え、追加楽曲もDLCとして配信されており、今後も曲は増えることが予想されます。ボリューム的にはばっちりでしょう。

ただし、Oculus RiftやHTC VIVEでプレイしたことのある人には、PSVR版はあまりオススメできません。普通にプレイする場合はPC版とほとんど遜色ないと言えますが、完全に同じという訳ではないのです。特に、障害物を横へ避ける際に「プレイエリア外です」と表示されることが多く、没入感を阻害していると感じました。またPS Moveのトラッキング精度では、あまり激しい動きをするとコントローラーがロストすることも。特殊な動きをしなければ問題なく楽しめますが、遊び方には少し気を付ける必要がありそうです。

本作はOculus Quest版も発表されており、これからはより手軽にプレイできるようになっていくことが予想されます。将来的には日本国内の曲も楽しめるようになれば良いな、という淡い期待が叶うことを願っています。(やましん)


PC版は興味はあったもののプレイする機会がなく、今回のPSVR版が初プレイ。とはいえプレイ動画等で遊び方はほぼ把握できていたので、いきなりプレイしても問題なく楽しめた。操作自体が非常に直観的で、動画を観ていれば操作方法まで理解できるのは本作をはじめとするハンドコントローラーを駆使したゲームの強みと言えるだろう。

とりわけ本作は、実況動画が映えるような“魅せプレイ”を誘導するゲームデザインおよびステージデザインにそれを盛り上げる演出、そして動画を観た人が観るだけで満足せず「自分でプレイしたらもっと面白そう」と思えるだけのポテンシャル、さらには実際にプレイしてみればすぐに馴染める操作面のとっつきやすさと、「面白さの伝播」が起こりやすいのが強みだと感じさせる。そりゃ人気作にもなるよな……と改めて納得した次第。

ゲームデザインの面で気になる点は一切なく、譜面の作りもリズムゲームの勘所を非常に「わかってる」と感じさせるもので斬っていて本当に楽しいのだが、強いて言えば楽曲の傾向が筆者の好みからは外れがちなのがやや残念だった。完全に主観でしかないのだが、筆者は国内や東アジア圏のインディー系音ゲーで比較的よくみられる、切なげな、あるいはポップなメロディと女性ヴォーカルの組み合わせを特に好む。「Beat Saber」だと本作が一躍有名となったきっかけの一つであろうLIVのプレイ動画にも使われた「Escape (feat. Summer Haze)」がまさにそれだが、この曲に匹敵するほどプレイしていてノれる曲は残念ながら他に見付けられなかった。とはいえ難易度も多く用意されておりやり込めるので、個人的には「Escape」のためだけでも十分“買い”の一作である。

……と、非常に個人的な話で恐縮だが、とはいえやはり音ゲーにおいて「収録曲が趣味に合うか」はゲームシステムそのものと並んで非常に重要なポイントであると考える。PSVR版での追加楽曲は含まれていないがサウンドトラックが配信されており試聴もできるので、気になる場合は楽曲の傾向をチェックしてみるのもよいだろう。今後の楽曲追加にも期待したい。(中村友次郎)


本作「Beat Saber」を改めてPSVR版でプレイしてみての感想は、「やっぱこれだわ」の一言に尽きる。快適で、爽快感と没入感があり、ルールが明快で、楽しい。さまざまなVRゲーム開発者が「VRにおける体験の最適解」を模索し続けているここ数年、“突然変異的に生まれてきた答え”とまでは言わないが、明確に広いプレイヤー(や観客)から受け入れられたタイトルであることは間違いないだろう。譜面も楽曲もノリノリであり、クラブミュージック寄り(というか言ってしまうとBMSとか音ゲーのハードコア寄り)のサウンドを全身で浴びながらライトセイバーをブン回すのは最高である。

筆者は「Beat Saber」をOculus RiftやVIVE系列、Windows MR含めて様々なVRヘッドセットで体験してきたが、PC向けVRヘッドセットと比較しても違和感のないトラッキングになっている。方式が異なるゆえの現象はあるものの(例えば自分の身体の後ろにPS Moveを動かすとトラッキングは失われる)、よほどの“魅せプレイ”でもしなければ大丈夫だ。従来のゲームプレイではそこまで気になることはない。

K/DAの楽曲やモードも追加され、“これまで”のプレイヤーにとっても、“これから”のプレイヤーにとっても嬉しい一本に仕上がっている。これまでPC向けに限られてきた本作を、PSVRユーザーは存分に楽しんでほしい(2019年春発売のOculus Questへの対応も発表されているので、そっちも楽しみ)。というか、こんな良い作品出しちゃって、Beat Gamesの次回作には期待しかないんですが、どうですか皆さん。私は今からワクワクしてますよ。(水原由紀)

ソフト概要

タイトル

Beat Saber(ビートセイバー)

価格

Oculus Store:1,990円
Steam:2,050円
PlayStation Store:3,200円(税込、DL版のみ)

ジャンル

リズムアクション

プラットフォーム

Oculus Store、Steam、PlayStation 4(PS4)

対応VRデバイス

Oculus Store:Oculus Rift(Oculus Quest対応予定)
Steam:Oculus Rift、HTC VIVE / VIVE Pro、Windows MR
PS4:PlayStation VR(PSVR、PS Move2本必須

プレイ人数

1人

開発

Beat Games

パブリッシング

Beat Games

公式Webサイト

http://beatsaber.com/

ストア

Oculus Store
Steam
PlayStation Store

(参考)Beat Saber 公式Webサイト


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