米国のEsriは、同社の地理情報システムをUnityで扱えるSDK「ArcGIS Maps SDK for Unity」を正式リリースしました。地理情報をゲームエンジンと統合することで、現実そのものの3D空間を開発に使用できます。
豊富な地理情報をゲーム等で利用
Esriは、グローバルで地理情報システム(GIS:Geographic Information System)のソフトウェアを提供しています。同社の主力ソフトウェアである「ArcGIS」は、豊富な地図データやAPIを提供し、地理情報を用いた業務支援に活用されています。
今回リリースされたSDKは2019年から開発が継続しており、ベータプログラムとプレリリースを経て、バージョン1.0の正式公開に至りました。ArcGISのGISデータをUnityに取り入れることで、現実の地理情報そのものを反映したリアルなビジュアルを作り出せます。
これにより「現実の特定地点と合わせてオブジェクトを配置する」「現実空間をリアルに再現したシーンを作る」といったゲームでの利用はもちろん、建築や輸送、公共インフラといった様々な分野に向けたXRコンテンツ作成での活用も期待されています。
建設現場のモニタリングなど
既に本SDKを導入している企業として、エンジニアリング主導の建設・インフラ事業等を営むCIMIC Groupがあります。建設現場を再現した3D空間にオブジェクトを置くなどして、現場の進捗を管理。バーチャルな現場をリアルタイムでモニタリングするシステムを構築し、常時現場を俯瞰で確認可能になりました。
SDKのダウンロード、及びArcGISの開発者アカウント作成は無料です。開発者アカウントを作成すれば、SDKを利用したり、ArcGISのプラットフォームにアクセスできます。チュートリアルや、開発についての質問ができるコミュニティも用意されています。
(参考)ARPOST、ArcGIS Blog