台湾系メディア・DigiTimesは、アップルが自社のARヘッドセットの開発を中断した、と報じました。アップルはかねてより、ARヘッドセットを開発中で2020年ごろには発売する、と噂されていました。
噂はサプライチェーン経由
DigiTimesは、サプライチェーン経由から「事情に精通した人々」からの話とし、今年5月にはチームを解散し、そのメンバーは社内の他の部門に割り当てたと述べています。その理由は、アップルが5Gネットワークを含んだこのデバイスを十分に軽量化できず、また、十分なコンテンツを提供できないことにある、としています。
また、ハードウェア設計者のジョナサン・アイブ氏の退職が今回のきっかけと報じています。アップルの最高デザイン責任者であった彼は、オリジナルのiMac、iPod、iPhone、iPad、Macbook Air、Apple Watchなど、同社の主力製品の多くを手がけました。
MicrosoftのMRデバイスHoloLensの共同開発者で、その後アップルでプロトタイプ開発担当シニアマネージャを担当していたAvi Bar-Zeev氏も、2019年初にアップルを離れています。
本当に中断か?
今回の噂の真偽は不明ですが、今回の報道に対して疑問を投げかける意見も多くあります。
これまで、アップルはARデバイスに関する特許を多く取得しており、関連企業も買収してきました。求人では、ARのソフトウェアとハードウェアを扱う多くのポジションを今も継続的に募集しています。
また、iOSのAR機能であるARKitは毎年アップデートを重ねています。2019年秋にリリース予定の最新バージョンARKit 3では、人のオクルージョン、フェイストラッキング機能の強化、モーションキャプチャーなど、重要なアップデートを行います。
これまでApple自身はARデバイスの開発についてコメントをすることはなく、今回も沈黙を貫いています。
(参考)Road to VR