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AR/MR 2018.11.08

報道番組で広がるAR活用 米国中間選挙のニュースでも

2018年11月6日(現地時間)、米国の中間選挙が実施されました。全米から注目が集まるこの政治イベントに際し、ABCニュースはARを使ったテレビ報道を導入し、視聴者により分かりやすくニュースを伝えようとしています。

複雑な情報の理解を助ける

今回投票の対象となるのは、下院の全435議席、上院の35議席、及び36の州の知事選挙です。視聴者に必要な情報を届けるため、ABCニュースは新たにARニュース用のセットを設営しました。

議会議事堂や各党の議席、最新の結果といったものをARのグラフィックイメージで表現します。ニュースキャスターはタッチパネル式のディスプレイを使い、生中継の最中にもARコンテンツを使えます。

「視聴者が複雑な情報をより良く理解するために、クリエイティブで双方向性のある報道を行うこの方法には、大きな将来性があります」とABCニュースはAR導入の意義を説明しています。

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1年かけてARセット導入

コンテンツのデザインはAstucemedia社、グラフィックエンジンとトラッキングシステムの提供はVizrt社、そしてカメラトラッキングシステムはMo-Sys社と、複数の企業が今回のAR報道に協力しました。

セットの設営には約1年を要しています。最大1,000時間のデータテスト、6ヶ月の設計開発、そして導入に7日間。コード行数は3.6万行にも及んだとのことです。

この報道スタジオの舞台裏は、YouTubeでも360度動画で公開されています。

視聴者の再獲得に期待

なお中間選挙の報道は、ABCニュースにとって初めてのAR活用事例ではありません。2018年5月、英王室の結婚式の際にも、同社はウェディングの様子を楽しめるスマートフォン向けARアプリを提供しました。

インターネットテレビの普及に伴い契約者獲得に苦戦する米国のケーブルテレビなどは、巻き返しの手段としてVR/ARの活用に期待しています。他にもウェザー・チャンネル(Weather Channel)やTNTが、これらの技術を報道に活用した例があります。

(参考)Next Reality


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