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活用事例 2026.07.07

脳卒中患者がVRリハビリで腕の感覚を取り戻す チューリッヒ医科大ら臨床研究で改善を確認

ウィーン医科大学とETHチューリッヒの研究チームは、VRと神経刺激を組み合わせた脳卒中患者向けのリハビリプラットフォーム「MultiSensy」を開発しました。臨床研究の成果はNature Medicineに掲載されています。

MultiSensyは、没入型VRと経皮的な神経刺激を組み合わせたシステムです。電極を皮膚に装着して神経を刺激すると、バーチャル空間内の物体を実際に触れているかのように感じられます。リーチングやつかむ、つまむ、前腕の回旋といった腕や手の機能訓練を、インタラクティブな課題で体験できます。

研究を率いたウィーン医科大学のスタニサ・ラスポポヴィッチ氏は「私たちの目的は運動訓練を超えることでした。患者は患部を動かすだけでなく、感じ取ることにも困難を抱えています」とコメントしています。

研究では、発症から3カ月以上が経過した脳卒中患者34人を対象に臨床試験を実施。MultiSensyを使用する群はVRゴーグルを装着し、日常動作を模した訓練環境で腕や手を動かしました。対照群は理学療法や作業療法といった通常のリハビリを受け、両群とも3週間・12回のセッションを完了しました。

上肢の運動障害を測る「Fugl-Meyerアセスメント」では、MultiSensy群が対照群のおよそ2倍の改善を示しました。日常動作での腕や手の使用能力を評価する「Action Research Arm Test」でも、同様の改善が見られています。

筆頭著者のヴァレリオ・アウルッチ氏は、「患部の触覚が鈍くなったり、腕の形や位置を歪んで知覚したりする患者もいます。MultiSensyで訓練を受けた参加者は、触覚や身体認識にも改善が見られました」と述べています。

ラスポポヴィッチ氏は「今回の結果は、患者の回復を後押しできる可能性を示す早期の臨床的根拠です」としたうえで、技術はまだ研究段階であり、より大規模な臨床試験が必要だと述べています。今後は個別化や自宅での実施を見据えた発展が期待されます。

参考

ウィーン医科大学

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