Metaとスタンフォード大学は共同で、VR向け薄型グラスの実現に向けた研究成果を発表しました。この研究では、ホログラフィック技術を活用し、ディスプレイの厚みを3mm未満に抑えることに成功しています。ヘッドセットの小型化に向けた重要なブレークスルーとなる見込みです。
従来型のVR・MRヘッドセットでは、「パンケーキレンズ」と呼ばれる薄型化を目的としたレンズが一般的に用いられています。しかし、厚さを十分に縮小することは難しい状況でした。
今回発表されたMetaとスタンフォード大学の研究プロトタイプは、ホログラフィック技術を採用した新型ディスプレイです。この方式により、バーチャル空間上の物体との距離と目の焦点が一致しないことからくる視覚的な不快感(輻輳調節衝突)を軽減できます。また、先行研究と比べて、視野角は38度、目を動かしても映像を快適に視認できる範囲(アイボックス)も9×8mmまで拡大しました。
本研究のプロトタイプでは、いくつかの技術を組み合わせることで薄型化と高画質化を実現しています。具体的には、小型のレーザーが各色(赤、緑、青)ごとに使用され、光ファイバーを通じてウェーブガイドに送られます。その光を高速なMEMS(微小電気機械システム)ミラーが誘導し、最終的に空間光変調器(SLM)に届けます。このSLMがホログラフィック接眼レンズの役割を果たします。
さらに、AIを活用した画像調整技術が、高品質な表示に大きく寄与しています。AIは光の変化を学習し、SLMを最適に調整することで画質の改善を図ります。今回開発された薄型ウェーブガイドと、このAIアルゴリズムがこのプロトタイプの革新的なポイントです。
今回の研究成果は、VRデバイスを通常の眼鏡のようにかさばらない形状に近づけるための重要な前進です。一方で、ホログラフィック技術が実際の製品に搭載されるには、さらに数年の時間が必要です。視野角のさらなる改善も必要です。また、高性能なSLM、小型レーザー、ウェーブガイドといった主要部品を安定的に製造し、市場へ供給する仕組みを整えることも、実用化に向けた重要な課題として残っています。
Mogura VRはUploadVRのパートナーメディアです。

