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VRゲーム・アプリ 2025.05.26

関西学院大学 理工学研究科から「視力回復を目的としたVRゲーム」に関する論文が公開 6週間にわたる実験で効果を確認

関西学院大学 理工学研究科から「視力回復を目的としたVRゲーム」に関する論文が公開されました。

関西学院大学 理工学研究科では、インタラクション2025にて論文「視力回復を目的としたVRゲームの若年層に対する効果の検証」(関西学院大学 河盛真大氏、井村誠孝氏)を発表。パソコン・スマホ・タブレットなどのICT端末による「眼精疲労」や「視力の低下」が深刻な社会問題となっていることに対し、VRヘッドセットの利用者が視力を回復させた事例を参考に、視力回復を目的としたVRゲームの開発・検証をする内容となっています。

(上記記事は、VRヘッドセットの利用者が視力を回復させた事例。本研究においても参考文献として引用されています)

毛様体筋のストレッチが促され、視力が回復する結果に

論文によれば、ICT端末の使用による視力低下は、主に眼の毛様体筋が過度の疲労や緊張状態になることで生じる「偽近視」が原因で、放置すると真性近視に進行する可能性があります。しかし、偽近視は「遠近体操法」「遠方凝視法」「両眼立体視」といった毛様体筋のストレッチで回復が見込まれるそうです。

視力回復を目的としたVRゲームは、この遠近体操法、遠方凝視法、両眼立体視を取り入れており、Meta Quest 2で実行可能なUnity製のアプリとして開発されました。

ゲームの基本ルールは「時間経過で接近する複数のターゲットを、遠く離れた位置まで押し返し続ける」というもの。コントローラーのトリガーボタンを入力するとレーザーポイン ターが照射され、ランドルト環(視力検査で使われるCのような記号)の向きに合わせてスティックを入力すると、「Hit」「Combo」「Miss」といったリアクションが表示されます。

これにより、プレイヤーが遠くの1点と近くの1点を交互に見たり(遠近体操法)、遠くの1点を凝視し続ける要素を設けたり(遠方凝視法)することで、毛様体筋のストレッチが促されます。

このVRゲームの視力回復効果を検証するため、眼疾患の無い22歳から36歳までの10名を対象に、平均で3日に1回以上プレイすることなどを条件とした、6週間にわたる実験が行われました。

結果として、実験前後で参加者の視力が回復していることが確認されています。特に、近視の程度が重い参加者は、本VRゲームのプレイ日数とプレイ回数が多いほど視力回復効果も高い傾向がありました。逆に近視の程度が軽い場合、同じような傾向は見られませんでした。

この結果は、ICT端末に触れる機会の多い情報科の若年層の学生であることや、毛様体筋のストレッチ以外の要素が視力の回復に影響を及ぼした可能性があることから、さらなる検証が必要となるため、継続的な実験・検証を行われる予定です。

今回の研究の詳細はこちら。
https://www.interaction-ipsj.org/proceedings/2025/data/bib/3B-50.html

2025年5月29日:記事補足

※上記の内容について、SNSで多数の質問が寄せられており、当研究担当者である河盛真大さんより補足情報を提供いただきましたので、追記します。

このVRゲームで近視が治るのか?

残念ながら、真性近視そのものには影響は見られませんでした(悪化はしていないが改善もしていない)。実験用VRゲームによる視力回復効果は、あくまでも毛様体筋のストレッチによる「偽近視」の改善によるものであり,眼軸長の変化(眼球の形状変化)によるものではありません.

以下詳細の補足
https://x.com/2ji/status/1927295102340170010
https://x.com/2ji/status/1927295202517004678
https://x.com/2ji/status/1927295283089559727

視力の低い人のデータが無い……/ 近視の程度が酷いとゲームをプレイできないのか?

実験前後での視力測定および実験用VRゲームのプレイは「矯正器具を装用した状態」で行いました。矯正視力が十分であれば問題無くプレイできるかと思います(実験には裸眼視力が 0.2 以下の参加者も含まれていました)。

以下詳細の補足
https://x.com/2ji/status/1927170216716283947
https://x.com/2ji/status/1927295625961316434
https://x.com/2ji/status/1927295767858807080

視力の極端に回復したデータがあるが、どの程度の信用があるものか?

本実験では、小数視力の測定にランドルト環を用いており、また、ゲームの内容も「ランドルト環の方向を何度も繰り返して識別し続ける」という仕様であったため、ゲームプレイを通して被験者の「ランドルト環の方向識別能力」が極端に訓練され、訓練効果が視力測定の結果に影響を及ぼしていた可能性がある点に注意が必要です。また、論文中にもある通り、参加者の属性の偏りなどの影響が、結果に強く作用していた可能性も考えられます。そもそもの標本数(参加者の人数)が少ないこともあり,エビデンスとしてはまだまだ不十分です。

以下情報の補足
https://x.com/2ji/status/1927294842108784734
https://x.com/2ji/status/1927294967661109298

その他、研究の詳細に関しては、こちらのXアカウントでの補足・注釈投稿も確認ください。

(参考)公式提供資料、視力回復を目的としたVRゲームの若年層に対する効果の検証


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