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活用事例 2025.04.25

嗅覚を使ったVR体験で認知機能が向上 東京科学大らが発表

東京科学大学などの研究チームは、嗅覚VRゲームと高齢者認知機能の関係性に関する研究結果を発表しました。今回の研究では、香りをVR内で感じられる専用デバイスを活用し、高齢者がVRゲームをプレイしました。結果、記憶力や集中力などの認知機能が有意に向上したことが確認されています。

今回研究を行ったのは、東京科学大学 総合研究院 未来産業技術研究所の中本高道教授(研究当時)、文京学院大学 人間学部の小林剛史教授、ロンドン藝術大学のNathan Cohen(ネイサン・コーヘン)客員研究員、法政大学 理工学部の山本晃輔准教授らが率いるチームです。

実験には、63歳から90歳の高齢者30名が参加しました。研究者らはまず、予備実験として人が識別可能な3種類の香りの組み合わせを特定。参加者らはVRヘッドセットと専用の香り発生装置(嗅覚ディスプレイ)を使ってVRゲームを体験しました。


(嗅覚ディスプレイ)

このVRゲームでは、バーチャル空間に3種類の雲が存在します。プレーヤーが雲に近づくと、それぞれに対応した香りが嗅覚ディスプレイから発生します。プレーヤーは最初に嗅いだ香りを記憶し、香りが存在する雲の方向に移動して匂いを嗅ぎ、記憶した匂いと同じかどうかを判断します。

研究チームは6日間あけて1回目のゲームと2回目のゲームを行い、1回目のゲーム前と2回目のゲーム後で複数の認知テストを行いました。

認知テストの結果、「ひらがなローテーション課題」と「単語空間記憶課題」において、ゲーム体験後のスコアが有意に向上しました。研究チームは「これらの課題は視空間処理を要するものであり、それに関連する認知・記憶機能が嗅覚VRゲームによって改善されたものと考えられる」とコメントしています。


(認知テスト(ひらがなローテーション)のスコア)


(認知テスト(単語空間記憶課題)のスコア)

今回の研究成果により、高齢者の認知症予防に対して「嗅覚VRゲーム」という新たなアプローチが示されました。一方で、研究チームはさらに解明が必要な課題として、ゲームの効果持続期間や繰り返し実施した際の効果、また視覚と嗅覚刺激それぞれの寄与割合の特定を挙げています。

(参考)プレスリリース


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