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テック 2017.06.04

視線追跡技術のTobii、HTC Vive向けに開発キット提供へ

目の動きや瞼の開閉を追う視線追跡技術は次世代のVRデバイスの機能として注目が集まっています。この技術の搭載によって、コントロールや処理負荷軽減、より深いVRでコミュニケーションの実現などが期待されています。

スウェーデンの視線追跡システムを開発するTobii社が、PC向けVRヘッドマウントディスプレイHTC Vive向けの開発キット「VR4」を発表しました。

Tobii社と視線追跡システム

Tobii社はスウェーデンに拠点に置く視線追跡システムの大手メーカーです。日本やアメリカ、中国など世界にオフィスを構えており、自動車やPCのほか、医学や工学の分野で視線追跡システムを導入するサービスを提供しています。

同社はVR向けの視線追跡システムの開発も行っています。

VRの視線追跡システムが実現されることで、視線で素早く操作をすることができる上、GPU(グラフィックス プロセッシング ユニット)のレンダリングを最適化して、ユーザーの視線のみにグラフィックの質を集中させることで、パフォーマンスを向上とコストの低減につなげることも期待されます。

Tobii社の「VR4」とは

今回、Tobii社はデベロッパー向けにPC向けVRヘッドマウントディスプレイHTC Vive用の開発キット「VR4」を発表しました。

開発キット「VR4」には以下のような内容が含まれています

・Tobii VR4(Tobii社の視線追跡システム)
・ヘッドマウントディスプレイ(HMD) キット(HTC Viveビジネスエディション)
・Tobiiソフトウェア開発キット
・Tobiiの視線追跡システムを使ったアプリ例

Tobii社のCEO、Oscar Werner氏は「さまざまなVRデベロッパーから、私たちの視線追跡システムを使ってVR開発を行いたいという要望を受けていました。Tobiiの視線追跡システムにより、より多くのデベロッパーがクリエイティブな開発を行っていただけると思います」とコメントしています。

3月のGDC2017で展示されたTobiiとHTC Viveのデモは驚くほど快適なアイトラッキングを実現していました。

なお、この「VR4」は一般消費者向けには販売されていません。もし希望の場合は、Tobii社のサイトから特別に登録する必要があり、のちに価格などの情報を告知するとのことです。

日本に拠点を置くFOVE社も視線追跡デバイスを開発しています。FOVE社は視線追跡型VRヘッドマウントディスプレイ(VRHMD)「FOVE 0」を開発しており、こちらはVRHMDそのものの開発を進めています。

また、HTC Vive向けには中国の7invensum社が、220ドルで視線追跡機能を追加するデバイスを発表しています。

今後、視線技術の動向にも注目が集まります。

(参考)
Tobii Unveils Its Eye Tracking Development Kit For HTC Vive
https://www.vrfocus.com/2017/05/tobii-unveils-its-eye-tracking-development-kit-for-htc-vive/ (英語)

Tobii社 公式ページ https://tobii.typeform.com/to/WKPybS (英語)

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