Home » バーチャルシンガー・YuNiが目指す「世界」とは?活動半年記念インタビュー


VTuber 2019.01.27

バーチャルシンガー・YuNiが目指す「世界」とは?活動半年記念インタビュー

バーチャルシンガーYuNiは、歌動画を続々とアップしているアーティスト。2018年6月にデビュー、その後同年に2曲のオリジナル曲をリリースし、12月24日にはOculus Go専用VRライブプラットフォームVARKにて「YuNi 1st VR LIVE! 〜VeRy Merry X’mas〜」を成功させました。2019年に入って、活動の速度が加速し続ける彼女に、ライブの話や、活動の経緯、これからの展望について、インタビューしました。(インタビュー実施:2018年12月28日)

-半年間活動されてきて、いかがでしたか?

YuNi:感覚的にはまだ半年しか経っていないのか、みたいな感じですね。最初思っていた目標が、短期間でグッと達成できてしまったので、色々と間に合わないことがあって….。なので肌感的には一年、二年くらいです……。

-それこそ「シャルル」とかをアップされてからは、毎日登録者数が増え続けましたね。

YuNi:そうですね、「シャルル」は沢山の方に注目していただいて嬉しかったです。伸び率もすごくて、そしてどんどん間に合わなくなっていって……(笑)大体3日に1回のペースで歌動画を上げ続けてきたので、自分的にも次の新しい曲新しい曲みたいな感じで、いつも「ゆにチル」(※YuNiファンの呼称)のみんなが「何百万再生行ったよー」とか教えてくれて、「そんなに伸びてたんだ!?」と。「どのくらいいってるんだろう」みたいな余裕も全然なくって、以前の動画もほとんど見返せていなくて、もう前しか見る余裕がない状態になっているのかもしれないです

-普段の選曲は、YuNiさんがしていらっしゃるんですか

YuNi:みんなでアイディアを出し合いながら、最終的には色々な要素を加味して私が選んでいます。

-昭和歌謡の「異邦人」ですとか「待ち伏せ」ですとか、なかなかあまり選ばないですよね。

YuNi:昔の曲ってとてもいい曲が多いんですよね。やっぱり年代性別などを絞ることなく、誰にでも楽しんでもらえるようにしたいなっていう気持ちがあります。色んな歌い方の工夫や年代のチョイスをして、偏りが出すぎないようになるべく気を配っています。

-逆にここは譲れないとか、ここは頑張っていきたいっていうのはありますか?

YuNi:「歌ってみた」は、当たり前ですけど本家さんオリジナルの曲があるので、カバーさせていただく分、ちゃんと本家をリスペクトしつつ、真似だけに終わらないように、自分らしさを出すというのを心がけて歌っています。

-どれも、いざ聴いてみたらリスペクトしつつ、ちゃんとYuNiさんの曲になってるんですよね。

YuNi:お恥ずかしい(笑)最近だと、J-POP をちょっとYuNiアレンジっていう、テイストを変えたアレンジで歌わせてもらったりっていうのをやり出したんです。

「奏」とかクリスマスソングはちょっとYuNiアレンジで、完全バラード調を明るめにしたり、デジタルっぽいアレンジを入れたり。その時はアレンジ感をちゃんと出せるように意識を持ちつつやってます。

-どの曲も、すごくポジティブに歌ってる感じがします。

YuNi:一曲目のオリジナルソング「透明声彩」が私にとってはすごく大きくて。「YuNiがアーティストとして一歩前進する」というような、とても大きなターニングポイントでした。だからいろんな表現を出せそうな J-POPとかは、より私の目線での表現を、もっと作っていこうとしています。

YuNi:「透明声彩」が出来上がったときに「ああ。これは私の歌だ…!」と強く思いました。YuNiアレンジといえばこれ、みたいなテイストが「透明声彩」で固まりましたね。

アイドルではなくアーティストとしてのYuNiのライブ

-ファーストライブの感想を教えていただいてよろしいでしょうか。

YuNi:本当に楽しかったんですけど……何より安心しました!(笑)

-安心?

YuNi:事故がなくてよかったとか。初めてのことだったので、やっぱり安心が一番大きかったです。VRは何があるかわからないから。Oculus GOの充電が切れちゃわないかとか(笑)

-ああー、リアル!

YuNi:輝夜月ちゃんのイベントのころから、VRライブって増えてきましたよね! ただ技術的にはまだ不安定らしくて。イベントできなくなりましたとか、結構あるみたいなので、最後までちゃんとできるのかとヒヤヒヤでした。

-かなり緊張感ありますね。

YuNi:緊張はしていられないというか、ちゃんとみんな見えてるかなとか、ちゃんと音聞こえてるかなとか、心配が大きくて。私じゃどうしようもない領域がたくさんある新しいチャレンジだったので、ライブが終わった時は私達よりもVARKさんたちのほうが涙目でしたね。

-VR技術の大変さが伝わりますね。

YuNi:今回は本当にVARKさんのお陰です! 最初にVARKさんが「僕たちはYuNiさんを世界一のアーティストにしたいんです」と言ってくださって。そこまで言っていただけるなら…是非一緒によろしくお願いします!となりました。

-正直YuNiファンとしては、そんなOculus GOってみんな持っているの、大丈夫なの?みたいにハラハラしていました。でもチケットは即完売でしたね。

YuNi:一瞬でなくなって驚きました。本当にありがとうございます。最初のチケット販売で即完したときも、VARKさんは即決で「サーバーを増やします」と言って、皆さんにもアナウンスして、なんとかちょっと枠を増やして当日を迎えられました。そんな中で、私達が伝えたかった演出面での意図が、伝わって良かったな、と思います

-VRライブ空間で印象に残っていることはありますか?

YuNi:途中VR空間で、ペンライトを一旦下げてもらって、3・2・1でバーって上げてもらったんです。その時にVRの空間でも、こんなに一体感って感じられるんだなっていうことに、感動しました。

-あれはVRのステージから見えるんですか?

YuNi:見えます見えます! ステージから、まだちらほら上がってるのとか、あと何人上がっていたとか。結構わかるので、「もうちょっともうちょっと!」と言って、いなくなってから、私の合図でパーっと出してもらえたので、すごい気持ちよかったですね。

-拍手や歓声も聞こえたんですか。聞こえてるのかなーと思って、ぼくも拍手(OculusGOのトリガーボタン)連打してました。

YuNi:はい! ちゃんと分かります。煽れば煽る分あがっていくのとかも自分が体感できて、とーーーーっても気持ちよかったですね。

-「エイリアンエイリアン」とか「きよしこの夜」で、眼の前にバッとでてきたのは、これみんなガチ恋したでしょ、みたいに感じました。

YuNi:それが狙いです!(笑)

-空に行ったりですとかビーム撃ったりですとか、VRのならではの演出はどのようにイメージされたんでしょうか?

YuNi:VARKさんから、「こういう演出ができる」というのを先に聞いてから、私なりのアレンジで表現してみました。

-制約というより、可能性なんでしょうか。これくらいのことまでなら出来ますよって言う。

YuNi:大枠はこうやっぱりVARKさんがすごく今までの動画とか見て下さってて、「エイリアンエイリアン」ならこういうの行きたいんです、みたいな提案をしてくださいました。

-「きよしこの夜」の時に、部屋で2人きりになる場面があるじゃないですか。手が届くかな、みたいな気持ちで手を出した瞬間、消えてしまう。嬉しいけどほんと辛くて。そこで近づいてくれないのかー!でも媚びないよねYuNiちゃんは!みたいな納得をして。

YuNi:それは…YuNiの性格ですね!(笑)

-では目の前に現れたのは、「アイドルYuNi」ではないんですね。

YuNi:アイドルというよりは目標である「アーティストYuNi」を出した感じです。

リアルライブを目指して

-YuNiさんはファンの感想をご覧になりましたか

YuNi:ハッシュタグで書いて下さったものは全部見ました!「ここが残念だった」とかいうことも本当になくて。みなさん本当に満足してもらえたんだなって思って、とても嬉しかったです。普段動画を見てYuNiを好きになってくれた、好きでいてくれるファンのみんなの目の前にYuNiが行くことができて、至近距離で対面できて、私もとても感謝をしています。みんなありがとう!

-自分のために歌ってくれているっていうシチュエーションまずないですからね。

YuNi:VRならではの事を本当にガッツリできたかなって。あとはVR上で花火出したりとか、コミュニケーションをなるべく入れるぞみたいなところは、VARKさんが頑張ってくれました。

-みんなが(※観客が購入して投げこむことができるVRアイテム)を投げたことで、YuNiさんの周りが花畑になったのは楽しかったですね。

YuNi:楽しかった! 途中花ってキャッチできるのかなとか思って、やろうとしたらみんなが一斉にその花投げてくれたりとかして(笑)。そこでみんなと、直接的なキャッチボールが取れたみたいに感じて、本当に近いなって思いました

-じゃあもし次に単独でライブをするとしたら、どういうことをやってみたいですか。

YuNi:やっぱり実際のライブ会場で皆さんに、本当にその場所に足を運んでもらっていうライブに挑戦したいですね。VRライブって、私がみんなに会いにいくってイメージなんですよね。リアルライブはみんなが私に会いに来てくれるっていうイメージがあって。「私がVRで会いに行ったぞ!だから今度はみんなが会いに来てーーー!!」っていうことができたらいいなって思っています。

-世界ツアーをしたいですというふうにおっしゃってましたけども…

YuNi:実際に世界を回りたい! 夢は初音ミクさんのように、ARでちゃんと浮き上がりたい。 EGOISTさん(※「ギルティクラウン」に出てきた架空のアーティストで、昨年アジアツアーを行っている)とかのライブみたいに、世界を回りたいです。

-すでに海外のファンもいらっしゃいますし、もしかしたら今年できるかもしれないですね。

YuNi:今年できたらいいですよね!(笑)ライブで回るからにはやっぱり自分の曲だけでライブができるくらいの曲数も増やさなないと、YuNiのライブにはならない。まだ二曲しかないですから…。

-その辺が多分プライベートレーベルの「yunion.wave」の展開になっていくと思うんですけれども、今後物理的なCDになる可能性はあるんですか?

YuNi:……どうなるんでしょう?  って書いておいてください(笑)

YuNiの目指す「世界」

-オリジナル2曲のミュージックビデオは、かなりバーチャルの世界のYuNi、ってイメージでした。

YuNi:「透明声彩」と「winter berry」は、結構演出面は話しあいましたね。やっぱりリアルの世界には出ていけない存在なんで、SNSだったり、バーチャル空間だったり、インターネットっていうものを通して、みんなに会いに来てもらったり会いに行ったり触れ合ったり。「winter berry」はささやかな遊び心があるんですよ(※下記ツイート参照)。

みんなWinter Berryの秘密試してくれたかな!?
ということでMVの秘密の答えは「Red」「Blue」「Yellow」を3つ並べると1つの動画になる、でした!フル尺は友達集めて見てくれよなー!!�https://t.co/pE4mm03BXmhttps://t.co/2ModN8BWgzhttps://t.co/oN5GIStjnI#ゆにメロ pic.twitter.com/JBwioZsDgD

— 清らかな乙女丸@YuNi (@otomemaru_kiyo) 2018年12月31日

-YuNiさんが今目指している「世界」というのはどのようなものですか?

YuNi:バーチャル世界とリアルを繋げる架け橋のような存在になりたいと思っています。一人のアーティストとしてリアルとバーチャルの垣根を超えて日本に留まらず世界に飛び出したいです。
世界に行って、バーチャルシンガーとして当たり前のようにいる存在になりたい。まずは日本で、バーチャルシンガーYuNiをもっとリアルに浸透させて、それを世界でも広げていきたいと思っています。

-最後に一言お願いしてもよろしいでしょうか。

YuNi:最近、ありがとう以外に本当に言葉無いのかなって思うくらい。ありがとう以上に気持ちが伝わる方法ってないのかなって、ずっと思ってます。今回のVRライブでは、体験できた人がものすごく少なかったので、今度は体験できなかった「ゆにチル」のみんなにも届くようなことをしたいと思っているので、楽しみに待ってて欲しいです。

-まだ知らない人にも一言もらえますでしょうか。

YuNi:是非チャンネルに来て、動画を見て欲しいです。今60曲くらいアップしてるんですけど、本当に様々なジャンルがあるので、どれかひとつ、自分の好きな曲調だったり好きなYuNiを見つけてもらえるかもしれない!なので、探してみてほしいです。これは聞いた話なのですが、学生さんとか、お昼の時間など、放送で流してくれたりとかあるみたいで、嬉しい!!

-町の中で流れるといいですね

YuNi:流して欲しいー!バーチャル発のみんなに認められるアーティストになって、その中でバーチャルシンガーだからこそできるアプローチだったり表現をしていきたいです。その一つとしてVRライブは一つの挑戦でしたし、リアルライブをやるにしても、YuNiだったらこうするんだみたいなものができたら最高だなって。どんどん進化してきていきたい!


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード