Home » この動画がすごい!今週のおすすめVTuber動画(4月9日~4月16日)


VTuber 2022.04.17

この動画がすごい!今週のおすすめVTuber動画(4月9日~4月16日)

日々クオリティの高い作品がアップされ続けている、VTuber(バーチャルユーチューバー)やバーチャルで活動しているタレントの動画。その中から独断と偏見で「この動画は是非見て欲しい」というものをご紹介。話題のものから個性派まで、要チェック!

今回紹介した動画のYouTube再生リストはこちら

【実話漫画】警察からの鬼電。その衝撃の理由がこちら【神野たね】

神野たねがアップしたのは、実話をコミカルに描いた漫画動画。再現VTRと言っても差し支えないクオリティです。突然の電話。折り返しかけるとそこは警察。焦る神野たね。一体なにが…!?

神野たねは自身の経験をはじめ、動物や建築物など様々な動画を撮影し、バーチャルにかけあっていく短編動画をしばしばアップしています。すべてテンポがよく観やすい上に、神野たねのはつらつとしたトークの魅力も詰まっているので、どこからでもオススメできます。

現実世界に溶け込むような技術と現地の映像を駆使し、編集のクオリティがバツグンに高い動画を制作しているのも魅力です。フットワークも軽く、日本の至る所を訪れて撮影しているようです。お子さんと一緒に観られる、優しく楽しい内容なのも素敵です。

VTuberと、不思議な夢を見るチーズ

獅子王クリス緋笠トモシカ大浦るかこという、オルタナティヴなメンツが集まって行ったのは、不思議な夢を見るチーズことスティルトンチーズを食べて、本当に変な夢を見るのか?という実験動画。こういうカルトなネタをみんなで集まってできること自体が、VTuberとしては貴重です。

見どころは3人の寝起きの声が聴こえること。ぼんやりぼそぼそしゃべる様子が堪能できます。結局これが不思議な夢なのかと言われると…夢って不思議なものだから…観てみて判断してみてください。獅子王クリスの企画は都市伝説やネットミームを実践して検証する事があり、かなり尖ったものが多いのでぜひアーカイブをチェックしてみてください。

魔藤せいめいは、スティルトンチーズを食べて不思議な夢を見たい!と強い願いを持って食していました。そのときに見た夢を絵本形式でまとめているのですが、このイラストがものすごくかわいい! 夢の表現としてはこれ以上無い逸品です。

どういう結果になったかは動画を御覧ください。元々求めていた夢がどのようなものかのイメージも出ているので比較してみると、夢の感覚が伝わると思います。

3歩くらいやりすぎていつも大変なことになるミミックは「一日の食事全部スティルトンチーズにしたら悪夢を見られるのか」を検証しました。300gも食べたらそれ自体が悪夢のような気もしますが…。こちらも実際夢自体は見ているので、最後までチェックしてみてください。

最初の獅子王クリスらの動画で言っていますが「夢の話ってトークのレベルが下がる」「夢ってそもそも不可思議なものじゃん」「実際面白いか面白くないかっていうよりは夢の話する奴オモンネーよなっていう」という難しさが、夢の話にはあります。けれども夢の話を堂々として面白がることができる、という下地がこのカルト食品でできるのは大きいです。それを3つの動画それぞれユニークな編集で見せているので、全部夢が面白く見えるような構成になっています。ハードルがあがりがちな夢トークをする際のテクニックとして観るのもありです。

VTuberとは何なのか?【初心者講座】

ここしばらくずっとミライアカリの動画は、VTuber界隈を観続けたゆえの攻め方で切り込んでおり、ソリッドで痛快。今回は「VTuberとは何なのか?」について初心者向けに語る、という非常に難しい題材。そこで取り上げたのが、おめがシスターズぽんぽことピーナッツくんウェザーロイドAiri文野環…ある意味において、一般的VTuber像から最もかけはなれた行動が目立つ面々でした。本当に初心者向けか!?

しかしこれ、スタッフとミライアカリによるギャグ的一面もありますが、ミライアカリの語る最初の一文「VTuberの定義ははっきりと決まっていないという現状もあります。姿形が違うのはもちろん、活動内容も十人十色で、いろいろなVTuberがいるため、知らない人にとってはわかりにくく感じられるかもしれません」を的確に表現したメンツのように思います。固定概念を最初に捨てさせるのにはもってこいです。

どうしても2D・3Dで配信でしゃべる、というパブリックイメージがあるVTuber。それはそれで、間違ってはいません。だから「これらは特殊!」とつい思ってしまいます。けれども「表現には幅がある」「バーチャルはもっと自由でいい」「VTuberに定義はいらない」という考え方で突き抜けているのが、今回出てくるVTuberたちです。

「表現手段としてどうあってもいいのだ」を伝えて、最初にパブリックイメージが固まる前に壁を壊しておく、という今回の動画は、本当の意味で「初心者向け」かもしれません。動画と配信、2Dと3D両方そろえて持ってきているあたりのバランスも、スタッフとミライアカリの意思があるようにも感じます。

今週おめがシスターズはというと、半リアルにすることで新衣装をローコストで着られるようになりました。おめシスのバーチャルと実写のバランスはめちゃくちゃに見えますが、出産したときの立ち振舞や、実写社会に二人のバーチャル体が飛び出す撮影など、バーチャルとリアルの線引をちょっとずつ調整し、一番自分たちが表現しやすい場所を選んで計算しているエンタメにも見えます。

ようじょのかえりみち【完全合法ロリVtuberの妄想シリーズ31】

あまちじょんこは「完全合法ロリVTuberの妄想シリーズ」をいう動画をかなりの量アップしています。幼気な女の子が過ごすかわいらしい日常の様子を撮影したもので、動きも声もまさに幼女。今回は夕方の帰り道の様子です。なぜ「完全合法ロリ」なのかというと、彼女はバ美肉おじようじょだからです。

ボイスチェンジャーを使っていないあまちじょんこ。どう聞いても子供の女の子の声なので驚かされます。また動きも細かいところまで子供のぽやぽや感を再現。バ美肉おじさんがいわば、歌舞伎でいう女形のように「女性を超えた理想の女性」のようなものだとしたら、あまちじょんこは幼女形。究極理想の幼女を求めた結果、幼女よりも「ようじょ」になっているように見えます。

高校学問、わたしはこう活かす

学問を軸とした活動を行っているVTuberたちが集い、HALの人工知能にゅ~す!を中心として「高校学問、わたしはこう活かす」 という企画を行いました。高校の勉強って一体なんの役に立つのか? どの勉強が何に使えるようになるのか? あらゆるジャンルの専門家VTuberが集まり動画と配信で解説していくリレー企画です。

https://www.youtube.com/watch?v=CVQsAhouV-w

花白もかがアップしたのは「現代文」について。読みたくない文章や書くのが苦手な文章に向き合わないといけないこの授業、あとあとこういう部分で役に立つ、というのを説明。暗記だけに頼らない文字への接し方を語っています。

星見まどかは惑星の研究をしているVTuber。普段の研究でどの高校の勉強が役立っているか、自身の体験から語っています。なぜ役に立ったかをちゃんと具体例を出して解説しているので、かなりわかりやすい。応用の大切さについてよく理解できる内容です。

日本史・世界史について解説するのはウンフェルス。暗記型テスト勉強と、身につく知識の違いについて語りながら、「教科書を辞書のように使う」ことを奨励。歴史にとって大切な「なんで?」を考えるため、高校の授業と教科書、ひいてはネットも駆使することを紹介しています。

その他の動画・配信はリストにまとまっていますのでぜひ興味のあるところから観てみてください。

【1周年記念配信】「Hello, World」

異世界の吟遊詩人風街ピリカが行ったのは、かなり異質な劇場型参加配信です。今まで異世界から配信ができなかった風街ピリカ。今回は1周年記念での配信なのですが、ファンタジー的存在が現実でコミュニケーションを取れて、なんなく日本語を使っているって奇妙なのではないか? リアルとバーチャルを行き来する際にバーチャル側が持つ矛盾点を指摘しつつ、あえて「設定(VTuberの間では「生い立ち」と暗黙の了解でいわれることが多く、普段はNGとされる用語です)」という言葉を用いながら、バーチャルな異世界と風街ピリカの実在性について見つめ直し、正体がなんなのか、視聴者参加の謎解きパートに入ります。

配信の序盤に、今までの歩みのまとめを解説しているので、全く風街ピリカを知らない人でもここから観てきちんと楽しめるようになっています。把握した上で観てみると、今まで1年間のオリジナル曲や投稿の話題が重要な伏線になっており、謎解きに大きな影響を担っているのが見えてきます。謎が解けると「そういうことか!」「そこからつながっていたのか!」と納得がいくシーンがだらけ。謎解きパートのみ、画面にコメントが流れる演出も視聴者全員で協力している感があって楽しいです。アーカイブからでも十分楽しめるようになっている親切設計です。

「真実かどうか」を問わずに活動できるVTuberという存在。その虚と実が背中合わせな状態であることを示唆しながら、視聴者は共に風街ピリカの実在を追っていくことになります。バーチャルとは一体なにで何が表現されているのか、という大きいテーマも含め、風街ピリカのアップしてきたMVの意味が一気にわかるので、改めて全部の作品を観たくなります。

発表されたオリジナル曲「Hello, World.」。こちらはできれば、謎解き後にみるのをおすすめします。ファンタジーな世界の吟遊詩人が自ら問い、皆で考え、新たに旅立つ作品でした。世界観がよくわかる公式HPもありますので、あわせて御覧ください。

【大島てる/愛新覚羅ゆうはん】あなたのお家は大丈夫?事故物件のプロとと風水のプロをお呼びしました!【因幡はねる / あにまーれ】

因幡はねるが、最近VTuber化した風水のプロフェッショナル愛新覚羅ゆうはんと、事故物件の情報を収集し続けているプロの大島てるを呼んで、難あり物件についての解説を行うコラボを実施しました。

愛新覚羅ゆうはんは風水思想の観点から、運気や幽霊などの問題点を指摘。届いているお便りがわりと切羽詰まったものだったので、真剣に答えています。中には地獄のような悲劇が続く家について「真ん中に水回りやトイレがあるのがアウト」とズバリ。

大島てるは実際に事故物件を見続けてきた、リアルな話のプロフェッショナル。実際にあった手に負えない事故物件の話は、まごうかたなき記録に残る事実なだけに、背筋がこおりますが、現実です。

事故物件を避けるためや、これから新築の際に注意しておきたいことなどが風水とリアルの側面からわかる貴重な配信です。完全に信じるか否かはともかくとして、ちょっとでも気になるなら避けるのも人生にプラスになるかもしれないと考えさせられる生々しい配信でした。

【MV】パンスペルミア・サーカス Panspermia Circus – 惑星ちる Original Song

ジンタ風の曲も得意とする惑星ちるの新作は、サーカスをテーマにした作品。3拍子のリズムにあわせて、鳴り響くアコーディオン、楽しげなバイオリン、軽快なフルートと小太鼓の音が、見たことがないはずの郷愁を呼び覚まします。

柔らかみのある声で、少女のワクワク感と不思議な無邪気さも表現。踊り子が回るときに鳴り響く喝采の拍手まで聞こえてきそうです。

本人曰く「総天然色ノスタルジックSFアングラ系ジプシージャズ」。「パンスペルミア」とは他の生命体が外部から地球にやってきて繁殖したのではないかという生命起源論のひとつです。サーカス団が宇宙を通り過ぎて、歌詞のように「種子を撒く常夜のサーカス一座 少女の左手が 赤い大地を撫でた」のだとしたらその光景は人間の遺伝子の意図せぬところで共鳴しそうです。

耳野めめ – ノンフィクションのセクション(MV)

「斜め後ろの席で頬杖ついて そっときみを見つめていたいの」ピュアな思い溢れる歌詞にキュンとさせられる耳野めめの新作MVは、教室で見つめる女の子の妄想と現実のすれ違いが切なくもポップな作品です。

「そりゃ妄想の幻想の空想のきみと 遊ぶのはいつでも楽しいけれど」と言葉選びのリズムが心地よく、ガーリー度の高い歌声で表現。ポップでアンニュイな少女度激高作品です。ワンコーラスなのですが、歌としてのまとまりの完成度が高いため、聞いたあとの満足感はかなり高いです。裏話によると7年前に作った作品とのこと。とはいえ全く古びた感じのない、普遍性の高い少女的感情が詰まった作品です。

ハレバレ – 愛尾ちかげ (Official Music Video)

明るめの曲からヘビーな曲まで自在に歌いこなせる愛尾ちかげの新オリジナル曲は、ダーティー度満点の孤独とアンニュイの歌。「独りきり」であることへの多様な思いがパワフルな歌声で表現されています。感情むき出しな歌声は耳に残ります。

ただ、怒りや孤独というよりも、新たな決意のような前向きさも感じられる作品です。「いつかの春 手放せない私が咲かす華」という歌詞は、自身が見続け諦めず、信じているものへの決意にも取れます。もしかしたらもっと別なものかもしれませんが、そのあたりは受け取り方次第。少なくとも、今回の歌に込められたパワーは見逃せないものがあります。

【br:N:cle】鏡写しの魔法少女 / 葉柳ちぐさ 【VTuber /オリジナル曲】

葉柳ちぐさ水月やまとによるユニットbr:N:cleの新曲は、サビの部分で度肝を抜かれます。オペラのソプラノパートのような、超高音域!これを安定して、しかも切なげな感情を込めつつ歌える歌唱力が凄まじい。バーチャルボーカリストの葉柳ちぐさを信じ切っていないと書けない曲です。

鏡に写ったふたりの魔法少女、一人の姿で動いている、相反するけど一致する二人。ファンタジックな物語を叙事詩として語ると同時に、そこから人間の心理を削り出すような曲です。前半は魔法少女としての儚さを静かに語るように歌い、クライマックスでは感情を爆発させるように表現されています。

br:N:cleによる曲はバリエーションが幅広く、比較的ファンタジー寄りの作品が多めです。ホラー寄りの作品やヒロイックなかっこいい作品もあります。ぜひのbr:N:cle動画まとめから観てください。

偏執の蝶 / 鷺原鈴音

愛の偏執で悲しみ続ける姿を痛々しく表現した鷺原鈴音の表現力は、聴いていて切なさに飲み込まれそうです。行ってしまった「貴方」に対して「貴方がいないとね、私は駄目なの 隠した嘘も愛してね ひらひら舞ってみせるから たまにはご褒美も頂戴?」と心を絞り出しながら訴えるような歌詞を、 鷺原鈴音はできるだけクリアに、楽しんでいたであろう瞬間を思い出すかのように歌います。

強い情念溢れる作品なのですが、三拍子の舞うようなメロディ、 鷺原鈴音の儚さを含む歌い方で、ドロドロした内容の曲なのに、少女の悲しみに焦点を当てて美しさに終始しているのが見事です。悲しみは怨念ではなく、蝶になりました。

このあたりは 鷺原鈴音の少女の悲恋を表現する繊細な思いと、作詞作曲の香椎モイミのセンスゆえでしょうか。MVは使用イラストも多く物語調になっているので、こちらも必見です。

Doggy god’s street / 戌神ころね

独自の世界観で配信しまくる戌神ころねに、FAKE TYPE.が作曲だなんて、そんなの絶対ハッピー!  ポップなジャズスタイルの曲と、ノリつつずらしもある言葉でスウィングするのが得意なFAKE TYPE.作品の味をそのままに、戌神ころねのハッピーなラップがぴしっとハマった、最高にノリのいい曲になりました。

ころねと言えば指(配信の最初に視聴者は指を捧げるのが通例)。飛び交う指の中、ライブで披露した前後開脚前方倒立回転がPPPによってアニメーション化されています。アメリカンカートゥーンテイストの動画の中では、普段彼女が見せる「圧」芸もかわいらしく再現されています

FAKE TYPE.とPPPが以前VTuberに作った曲として、杏戸ゆげの「UGE CHAN MARCH」があります。こちらもポップスウィングな味はそのままに、ふんわりとした杏戸ゆげの声の魅力がきっちり噛み合った、戌神ころね曲とは違ったテイストの作品です。そもそもFAKE TYPE.の曲は細かい部分で歌うのが難しいので、双方ともしっかり歌いつつ自身らしさをこめている表現力の高さに注目したいところです。

【歌ってみた】桃色観察【cover えぴたまご】

えぴたまごがアップしたのは変調も含みつつ怪しくキュートなメロディが魅力の「桃色観察」のカバー。ステージ上の彼女の歌声はとてもスイートで、そのよさをきちんとわかって魅力を最大限に活かしているため、歌詞のかわいらしさとシンクロして聞き手に伝わるパワーがあります。

原曲はVTuberの桃泉ユウ。妖しさが強く、かつ軽やかに歌うこの作品。どちらかというと「かわいくポップでアダルティ」といった趣。今回のえぴたまごのカバーと通じている部分も多いながらも、魅力の根源がかなり異なっているので、ぜひ両方お聴きください。特に原曲は自身の配信のあり方やスタンスなども含んでいるとのことなのでそこを抑えながら聴くと魅力が増しますし、それと対比になるえぴたまごのガーリーさも伝わりやすいです。

生きる / 水野あつ (covered by 稀羽すう) 【歌ってみた】

「だつりょく系シンガー、 みにくいあひるの子」と自己紹介している稀羽すうがこの「生きる」を歌うということの、迫力。歌詞が直球ゆえに表現力がもろに出る難しいこの作品を、稀羽すうという繊細なシンガーだからこその歌声で歌いました。神経がむき出しになりそうなサビ部分に、まっすぐ向き合って感情を詰め込んでいるのが伝わってきます。

ゴリゴリにハッピーな曲も、稀羽すうにかかるとふんわり優しい心地よさあふれる作品になります。揺らぐことのない稀羽すうらしさは、オリジナル曲・カバー曲・配信ともに魅力の根源のように感じられます。今までは個人で活動していましたが、4月2日からRe:Act所属になったそうなので、今後の活動がとても楽しみです。

過去のおすすめ記事はこちらから:
必見!今週のおすすめVTuber


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード