日々クオリティの高い作品がアップされ続けている、VTuber(バーチャルユーチューバー)や、バーチャルクリエイターの動画。その中から独断と偏見で「この動画は是非見て欲しい」というものをご紹介。特にユニークな作品や技術力や企画力の高い作品、時事性のある作品などをさらに深掘りし、今のVTuberの面白さ、頑張り、才能をキャッチしていきます!
【 #VRChat 】皆のお砂糖観を聞いてみた結果が面白すぎた……!!!
VRChat上ではユーザーの間で「お砂糖」と呼ばれる関係がある…というのは色々な配信者の間で取り上げられています。でもそれってなんなのか?というのを覇王別姫樹里(はおうべっきじゅり)が実際にインタビューをすることで、より深く掘り下げています。
「お砂糖」という言葉は非常に曖昧で、「ネットもリアルも含んだ恋人」「ネット内恋愛(リアルは含まない)」「友達以上恋人未満のような淡い関係」など幅が広いです。そのため覇王別姫樹里は「トラブルになっちゃうのでは?」と疑問を抱いたうえでのインタビューでした。
実際その部分で意識のずれがあってトラブルになった例もあれば、恋愛としてのすり合わせがきちんとできていて、現実でも顔をあわせて付き合っているパターンも紹介されています。
SNSなどオンライン上の出会いが当たり前になっている昨今でも、VRSNSのアバターを介した「お砂糖」はまだまだ手探りな部分が多々あります。ただちゃんと相手と話し合ってうまくいっている人たちがいるのも今回の動画を見るとわかるので、VRから始まるしっかりとした大人の恋愛模様をみたい人にはおすすめの動画です。なお二人目にインタビューされている人の「お砂糖」模様は、実にVRSNSならではのものです。
覇王別姫樹里はX上とYouTubeShortsで、VRChatなどをネタにした短い動画を数多く投稿し人気を博しています。VRChatを知っているとあるあるネタとして特に楽しめますが、知らなくてもコントとしてのテンポとネタのクオリティがよいので、クスリと笑える内容になっています。男性と女性両方の声を1人で当てている、という両声類技術も必見です。
【皆上手すぎない!?】アバター自作交流会行ったら神モデラーだらけでヤバ過ぎた【VRChat】
VRChatには、アバター改変の天才も数多くいますが、アバターそのものをフルスクラッチで作ってしまう達人、そしてプロもたくさんいます。今回エンジンかずみが紹介しているのは、アバター自作交流会の様子。凄腕のクリエイターたちが集う場になっています。
中には2、3年くらいで作れるようになった人もいるとのこと。作っているアバターも人間型のみならず、ロボットや動物など多岐に渡ります。
アバターとして使うには、Blenderなどの3D制作ソフトでモデルの形をつくるだけでなく、ウェイトなどの設定も必要です。それらの作業について語り合っている様子は、コツコツとした作業を超えて作品を作り出したクリエイター同士ならではの熱さがあります。
興味深いのは、途中でインタビューをしているおもちのびるの話。BOOTHで販売されているアバターは、衣装を着せ替えたくても対応していなくて着せ替えられないことが多々あります。着せるためにはある程度の知識とこまめな作業が必要ですし、ぴったりした水着のような衣装はBlenderで変形させる必要すらあります。しかし現在どのアバターでも非対応の衣装を着せ替えさせられるようにするツールを開発しているそうで、すでにオリジナルアバター・ベリルには実装済みです。これができたら、対応衣装が少ないアバターでも使いやすくなるわけで、自作アバター勢がより光を浴びることも増えそうです。
この集会はまだアバターを作っていない人でも興味があれば参加できるそうです。
WebカメラトラッキングとSpoutの使い方
#VRChat のWebカメラトラッキングのやり方を、Spoutのことも触れつつ動画にしてみました!
良ければ参考にしてください! pic.twitter.com/xGOeqoIxxV— とかげ/Tokage (@vrctokage) March 16, 2025
最近VRChatの新システムに、デスクトップ用のWebカメラトラッキングが搭載されました(現時点ではVRChatベータ版導入、Plus加入が必要)。同時にSpout機能も追加されたことで、一般的なVRChatの遊び方のみならず、VTuber・ストリーマーにとってもすさまじく使い勝手がよくなっています。
一部ちょっと分かりづらい部分もあるのですが、これをとかげが動画で非常にわかりやすく解説しています。
Webカメラトラッキングで右下に自分のアバターが表示されるのは、もうそのままVTuberとして使えそうです。三人称視点がないVRChatにおいて、自身の姿を常に見える状態にできる機能としてもかなり優秀です。
Spoutがどう革新的なのかは実際に見てみてください。特にカメラを閉じてもメニューを開いても配信し続けられるようになるので、自由度は格段にアップします。
今回は紹介されていませんが、カメラを決めたポイントの間をつなぐようにオートで動かすDolly機能も使えば、ワンオペで臨場感のあるライブ映像の撮影も可能です。
それぞれの機能についての解説はVRChat上だけではわかりづらいので、ぜひこの動画を見て使いこなしてみてください。デスクトップでの遊び方の幅が格段にあがったのがわかるはずです。
【 #朗読 #法律解説 】梶井基次郎『檸檬』 檸檬で丸善を爆破?何罪?【 #弁護士Vながのりょう】#弁護士
弁護士Vながのりょうは、様々な面から法律を取り上げて紹介してくれる、非常に役に立つ話題が多いVTuberです。
そんな彼が今回取り上げたのは、梶井基次郎『檸檬』。中に描かれている主人公の行動は法律的にはどうなのか?というのを真剣に掘り下げます。
『檸檬』は特に最後、置いてきたレモンが丸善で爆発する妄想をして終わるストーリー。もし本当に爆発物だったらこれは大変な罪ではありますが、実際にはどういう犯罪になるのか?というのを弁護士の視点で解説しています。そうでなくとも、画集を積み上げるのはどうなのか?画集の上にレモンを置くのはどうなのか?という細かな部分までチェックしています。
法律という切り口から読み解くだけでなく、梶井基次郎とはどのような作家なのか、『檸檬』はどのような世界観で描かれているのか、など文学作品の読み解きとしても非常に興味深い考察がなされています。
他にも『羅生門』『ごん狐』『高瀬舟』などの文学作品も取り上げ、原作を朗読をしながら、作者の紹介や作品の解説も入れつつ、法律面からメスを入れて読み解いています。中でも『羅生門』は、下人や老婆など明確に法に触れる人物もいるためそこを掘り下げているのはもちろんのこと、町の中の描写を法的にどう読み取れるか、ネットミーム「クソデカ羅生門」をどう捉えるかなど、かなり広めに発展させつつ法律で読み解いているため、楽しみながら文学と歴史と法律が学べます。
1st solo live ”Stories” in #VRChat /2025.03.22開場21:00(JST) #Chimostories
VTuber・Vシンガーソングライターのちも*がVRChat上で1stライブを実施しました。
ポスターでは「音楽×物語×朗読」という触れ込みでした。しかしいい意味でその言葉から想像できるものを遥かに超えた、ちも*の凝った世界観を多くのスタッフと共に作り込んだ、ダイナミックなライブになりました。
#Chimostories pic.twitter.com/IkVZCshfD4
— マヌルネコ可愛い (@inuyori_neko7) March 22, 2025
朗読とダンス、そして歌…
リリックパーティクル…エモじゃん…#Chimostories #VRChat pic.twitter.com/EC6rSeGOnT
— 風来(ふうらい) (@mochidukin) March 22, 2025
朗読と歌の歌詞は配信の画面でリアルタイムで浮かび上がるようになっているのですが、VR内では空間表示されており、かなりの迫力で見ることができたようです。しかも会場内演出と配信画面文字演出が重ならないようになっているというカメラワークの配慮には驚かされるものがあります。文字の表示は一時停止を連打しながら人力であわせている、というからそのマンパワーにも驚き。
生バンドの演奏でオリジナル曲をアレンジしているのも、ファンにはたまらないものがあったはず。全編に渡って熱気が伝わってきます。
詩の朗読に合わせてダンサーが踊り、世界感を彩る様子も見事。ダンサーのなーはVRChatの様々なショーイベントで踊りを披露しており、今回も詩をうまく盛り上げつつ、しっとりとした空気を大切に表現していました。
そしてなにより、ちも*の歌声の力強さと繊細さは目を見張るものがあります。後半に歌われる自作曲「うそつき」は序盤からぐんぐん盛り上がり、サビで感情を爆発させ、その後ぽそりとつぶやく「うそつき」でスッと収束する、情感たっぷりの作品。このパワーとナイーブのアップダウンの大きさこそがちも*の表現力の高さであり、エモを作り上げる実力のように感じられます。
今回のスタッフクレジットを見ると、配信カメラマンが3人もいる上にディレクションも1人ついています。ワールドや観客アバターなども制作されています。音のこだわりでPAもついています。ものすごい人数のスタッフとちも*の歌声によって世界が作られていたのがわかります。
これらがみんな個人の活動者で、演奏者やダンサーやスタッフ全員がそれぞれ自宅で個々にやっているであろうことが何よりも驚き。ここまでのことが個人で、VRChat上でできる、というVRライブのマイルストーン的作品になりました。
世界で一番ポがでる歌 / 家入ポポ
家入ポポがアップした1stオリジナル曲は、いきなり尖ったタイトルでした。世界で一番「ポ」が出るそうです。曲を再生したばかりのときは比較的落ち着きがあるのでそこまででもないのですが、そもそも名前を言うだけで2カウント。後半怒涛の追い上げで凄まじい「ポ」の数になっています。右下にある「ポが出た回数」カウンターを見ながら楽しみたいMVです。
ネタ感の強い作品ですが、歌はかなり上手。かわいさがポップに表現されています。聞いているだけでハッピーになれる要素しかありません。これがライブで歌われたらみんなで「ポーポーポポポ!」「ポーポーポポポポーポポーポー!」とコールを入れたくなります。
もしかしたら「それでもまだまだ世界一ではないのでは?」という人がいるかもしれませんが、実はこの曲「ポだけVer.」が各種配信サイトで公開されており、そちらの「ポ」の数は尋常じゃないことになっていますので、ぜひ数えてみてください。多分世界一です。
な、何ぃぃぃぃ!?!??!?!!? https://t.co/Dem3FIomc0
— 尾丸ポルカ🎪MV召喚ショーケース見てね🪄︎︎✨ (@omarupolka) March 17, 2025
なおカタカナの「世界で一番ポがでる歌」が家入ポポだとしたら、世界一ひらがなの「ぽ」が出る歌は、先駆者である尾丸ポルカの「ぽ」だと思われます。
既に「ポ」と「ぽ」でX上で交流を深めており、POの「ポ」テンシャルを確かめ合いつつ尾丸ポルカは「ひらがなの「ぽ」は守っていきます‼️‼️‼️」と決意を固めていました。
アンチヒーロー – イザナギ・エルヴァ&曇音ルカ【オリジナル曲/Vtuber】
イザナギ・エルヴァが曇音ルカとのコラボでアップしたのは、諦念と哀しみがあふれるハードなギターロック「アンチヒーロー」。作詞作曲、ギター・ベース・シンセ演奏、MIXマスタリングまで全部イザナギ・エルヴァがやっています。
ブルースな哀愁表現に長けたイザナギ・エルヴァの本領発揮とも言える今作は、幅広い表現力を持つVSinger曇音ルカの良さを最大限に活かしながら、さらに新たな魅力を引き出すことに成功しています。泣き崩れそうな、それでいて諦めきっているかのような歌声の絶妙なさじ加減は必聴です。
イザナギ・エルヴァの歌声は、折れた想いと動く心の叫びが強烈で、手を止めて最後まで聞き入る迫力があります。ふたりの感情の限界スレスレを表現しぶつけあうバランスは、緊張感にあふれています。
リードギターとサイドギターの演奏のバランスの良さを聞いているだけでも心地よくなれる作品でもあります。そしてベースのうねる演奏は心情をよく表現しているかのようで心に刺さってくるので、音量をできるだけ大きくして聞くことをおすすめします。
笑う門には福来たる! – イザナギ・エルヴァ&吉良リリー【オリジナル曲/Vtuber】
月と六ペンス – イザナギ・エルヴァ&鈴澪イラ【オリジナル曲/Vtuber】
風に吹かれて – イザナギ・エルヴァ&干支寅のら【オリジナル曲/Vtuber】
イザナギ・エルヴァはコラボ楽曲EP企画として様々なVTuberとオリジナル曲のMVを発表しています。それぞれ曲のジャンルが異なっているのもユニーク。もちろん作詞作曲演奏MIXマスタリング全てイザナギ・エルヴァです。いずれも高い技術と鋭いセンスの作品ぞろいなだけでなく、楽曲によってコラボ相手の良さをぐんと引き立てているものばかりなので、ぜひチェックしてみてください。
【歌ってみた/アニメMV】一旦ステイ TONIGHT【火威青】#hololiveDEV_IS #ReGLOSS
体調の問題で休止に入った火威青がアップしたのは、踊ってみた動画がめちゃくちゃに流行っているバーチャルホスト不破湊の大バズり楽曲「一旦ステイ TONIGHT」のカバー曲MVです。
原曲は、コミカルさと派手さと芸人感とイケメンらしさを混ぜたクセになるMVでしたが、このMVをかなり忠実に再現。イケメン女子・火威青のよさが、曲の面白かっこいい部分によってしっかり引き立てられた、抜群の完成度を誇る作品になりました。
柔らかい低音が魅力の火威青の歌声が、この楽曲にドンピシャ。本家をがっちりリスペクトしつつ、ホスト火威青(漫画家)の個性と面白かっこよさが歌声からしっかり伝わってくる作品に仕上がっています。
火威青は体調の問題でしばらくの間休止に入るとのことで発表がありました。これを踏まえてMVを見た不破湊は「再現度高すぎぃ🤣🤣🤣 少しおやすみされるとのことなんでムリせずゆっくり一旦ステイしてください‼️‼️‼️」とXに投稿しました。原曲にあった「一旦ステイ」の意味を「休止」に当てはめることで、ネガティブになりかねないワードがポジティブな意味合いに変化。コメント欄などで両方のファンに安堵が広がったのは印象的でした。
2月にはオリジナル曲『ClubBlueFire 』の動画もアップしています。ホスト火威青のかっこよさが遺憾なく発揮された作品で、特にダンスアニメーションパートはかなりこだわりが見られます。イケメンであることを度々話題にしすぎることでネタ化している火威青ですが、この曲の歌声のかっこよさに対しては異論のある人はいないはず。
既にかなり歌動画をかなり作っているそうで1月に1作品はあがる、と述べていた火威青。休止…いや、一旦ステイは寂しいですが、ゆっくり休養してほしいところです。
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