日々クオリティの高い作品がアップされ続けている、VTuber(バーチャルユーチューバー)や、バーチャルクリエイターの動画。その中から独断と偏見で「この動画は是非見て欲しい」というものをご紹介。特にユニークな作品や技術力や企画力の高い作品、時事性のある作品などをさらに深掘りし、今のVTuberの面白さ、頑張り、才能をキャッチしていきます!
緊急謝罪会見やってみた
MonsterZ MATEのチャンネルで、緊急謝罪会見が行われました。と言ってもMonsterZ MATEのことですから、もちろんネタです。誰も知らない笑える暴露話を、いつもの面々が記者会見形式で行っています。言う側の話の持っていき方も、ガヤ側のノリも息がバッチリあっており、ハイクオリティなコントに仕上がっています。
謝罪メンバーはアンジョー、コーサカ、天開司、歌衣メイカ、佐藤ホームズ。エピソードトークとしてはかなり難易度が高い(今まで一緒にいる機会が公私共に多いメンバーのため新しい暴露話を探すのが難しい)ものですが、しっかり「誰も知らなかった話」を、ツッコミどころを残して語っているのが全員お見事です。しれっと自分の宣伝に利用している歌衣メイカや、豹変する犯人を再現する探偵佐藤ホームズなど、見せ方に個性があるのもユニークです。
MonsterZ MATEのエンタメ系動画では、アンジョーとコーサカの面白さはもちろんのこと、今回のメンバーの出番がとても多く、そこに新たなゲストも混じってトークや企画を行っています。それぞれVTuberとして、2018年から長く個人で活動している猛者揃い。仲が良いメンツの全力の悪ふざけは、見ていると活力をもらえます。
VRChatワールド軽量化2つのコツ
こはだがアップしたのは、Unityをつかったワールド制作の際に最大の壁になる軽量化についての話題。色々なアセットを組み合わせて作るのが楽しいワールドづくりですが、何も考えずにぺたぺた組み合わせていくと重くて使い物にならなくなります。そこで、最初にチェックするべき2つのポイントを説明しています。
ワールドの「重たい」には2種類ある、という問題の切り分けからスタート。「ダウンロード」と「描画処理」のどちらが重いかを確認した上で、どうすれば手っ取り早くそれぞれを軽く出来るか、Unityの画面を出して具体的に説明してくれているのでわかりやすいです。
Unityの話、というとなんだか難しそうですが、この解説の通りにやればすんなりいきます。解説の内容もシンプルでわかりやすく、時間も2分で収まっているので、既にワールド制作をしている方、これから挑戦してみたい方はチェックしておいて損がないと思います。
また音楽イベント(ライブ、アイドル、DJなど)に使いやすいギミックも紹介しています。これは巨大イベント会場「Kohada Stadium」で実際に使われているもの。音楽イベント以外でも使えるものなので、興味がある方は行って試してみるのもいいかもしれません。
【香港旅行Vlog】人生で初めての海外旅行、ぼっちで香港に行ってきた【前編】
様々な日本の地域やVR空間を撮影したVlog、食レポ、MVなどが人気の敷嶋てとら。今回は初の海外動画として香港旅行の様子を撮影し、アップしています。
動画の軸になっているのは食と街歩き。今までの日本を撮影したVlogでも、足で歩いて街を見る視点の切り取り方に個性があって魅力的でしたが、今回も大いに生かされています。
今回の敷嶋てとらの映像の魅力は「そこにいる」という存在感です。街なかや移動中のショットが度々入るのですが、敷嶋てとらが街の中の存在として、そして旅人として景色に馴染んでいます。特に撮影時した映像は被写体深度にこだわりがあり、背景にピントを当てた際に敷嶋てとら側がピンボケしています。このようなこまめな撮影手法がリアリティをぐっと増しており「旅をしている人」を客観的視点でうまく表現しています。
コメント欄を見るとかなり香港の人がこの動画を見ているようで「香港在住の人が見る、日本の観光客」への感想も興味深いです。
香港旅行をする際にどんなところが心配か、どんなところは安心してもいいか、などが具体的にわかる内容です。出てくる食べ物のバリエーションもすごく多いので、食レポ映像としても非常に楽しめます。
【無線技術】『電離層』電波を反射するプラズマ層についてのお話【3分くらい無線講座 37】
波澄りおは無線について専門的な知識を持っており、それをできるだけわかりやすく紹介しているユニークなVTuber。今回は「電離層」という、電波を反射する層について紹介しています。
波澄りおの動画のすごいところは、どんなに難しい話題でも、ほとんどが大体3分にまとめられていること。解説を広げすぎずピンポイントに絞り、かつできるだけ複雑な言葉を使わないようにされています。また無線という見えないものを説明する際、想像しやすいような言葉選びがなされており、使われているフリップもシンプルにまとめられていて的確です。無線入門編としてはもってこいです。
語り口がテキパキしているのも、声のトーンが聞きやすいのも功を奏しています。かつ重要単語をはっきり話してくれるため、とても頭に入りやすいです。今回のような、スケール大きめな話題だとしても、小学生でも理解できるくらいに噛み砕いて説明してくれます。
誰もが触れたことがあるであろうアンテナの知識から、初見の人が多いであろう専門的すぎる単語の羅列の話題まで、全て3分前後でぴしっとまとめて、誰でもわかるように紹介しているのは職人技です。ぜひ動画の中から興味のあるものを探してみて、3分だけでいいので見てみてください。きっと語りのテンポの気持ちよさに惹かれて、他の動画も見たくなると思います。
꒰3Dコラボ꒱ 人間型抜き対決~~~~! ˹ 本間ひまわり/花畑チャイカ/椎名唯華/舞元啓介/三枝明那/甲斐田/ にじさんじ
本間ひまわりのチャンネルで行われたのは、かつてお金をかけていたテレビ番組のバラエティを彷彿とさせる、3Dを駆使した企画です。人間の型を抜いた板を移動し、それにあわせてポーズをとってすり抜ける、という成功しても失敗しても面白い、懐かしさのある企画でした。参加者は甲斐田晴、三枝明那、椎名唯華、花畑チャイカ、舞元啓介というバラエティ力の高い面々です。
リアルでやるとなると、広い場所と型抜きの機器などものすごいお金と労力のかかる企画ですし、型抜きのつながっていないパーツの再現も難しいですが、VRならすいすいできちゃう、というのを感じさせてくれる楽しい配信でした。全員撮れ高があって面白いのですが、中でも椎名唯華は身体の柔軟性とバランス感覚を見せ、絶対できなさそうな型抜きをクリアし、参加者を驚かせました。
リアルよりも楽、とは言いましたがそれでも大掛かりなのは事実。振り返り配信によるともう既に今年中のスタジオ利用は埋まるくらいの予約が入っているそうで、ANYCOLORレベルの大きなスタジオがあってこその企画でも、まだまだ大変だそうです。それでも、このようなベタでゲラゲラ笑えることをやるのがにじさんじのいいところだと、本間ひまわりは考えているようで、今回の面白さを噛み締めながら、まだまだ企画を考えていく決意を固めていきます。このシステムを使って、他のライバーのアクションも見てみたくなる企画でした。
けて他のライバーのアクションも見てみたいですし、技術が進むことで個人でもできるようになってほしいと願いたくなるエンターテインメントでした。
マスターピース / ナツメ・アリー
ナツメ・アリーが4th anniversaryにあわせて、ヒップホップなナンバーをアップしました。彩無ロンによる作詞はかなりソリッドで、ナツメ・アリーの物憂げながらも芯の強さを感じるフロウが、今作のラップを聴きやすくノリやすいものにしています。
「高架橋から下覗き どうか今日 勇気が出ませんように」などのドキッとするリリックがこのラップの印象深いところ。それをナツメ・アリーは、序盤はなだらかに、そして後半一気に駆け抜けるパートでどんどん高まり、ラスト「参加して行きなよ4th anniversary」で爆発。リリックの感情の変化とシンクロするようなフロウの移り変わりが気持ちいいです。
概要欄によると「しんでる記憶喪失系Vtuber」の彼女。物語性のある背景を背負っているナツメ・アリーのアップしているカバーMVは選曲のセンスにもこだわりが感じられます。キュートでかつ儚さを感じさせる歌声が見事にマッチし、カバーMVも彼女の世界観の一部になっているので、ぜひ他の作品も聞いてみてください。
オリジナル曲❄ Storia アニメーションMV【Mirea Sheltzs】
雪の妖精シマエナガVtuberのMirea Sheltzs(ミレア・シェルツ)がアップしたオリジナル新曲MVは、自身の物語をアニメーションで表現した大作です。
寂しそうな背中の青年を見たシマエナガは、神様の力でミレア・シェルツに変身。青年に寄り添って笑顔を与えるようになります。ところが彼女の変身は砂時計ではかられた次元付き。楽しかった日々は終わり、いつしか存在は消え、青年にも気づかれないようになってしまいます。見つけてもらえなくなった彼女が取った行動は……。
華やかで希望あふれる明るい物語が、一気に儚い状況に変化していく展開は、あまりにも切ないものがあります。だからこそ、この歌には大きな意義があるのが伝わってきます。
歌声はミレア・シェルツの物語において大きな意味を持っています。「僕の唄に振り向いたきみのその手を 僕はずっと傍で握ってるから」とあるように、気づいてもらえなくても歌い続けることで見守っていることを伝える健気さが、歌い方に現れています。
とても慈愛に満ちた優しさを感じる温和な声質が魅力の彼女。サビで自分の思いを伝え訴えかけるかのような真摯なボーカルは心をぎゅっと締め付けてきます。歌声の表現力とアニメーションのクオリティの高さがうまく絡み合うことで、まるで一冊の絵本を読んだかのような満足感を得ることが出来る作品です。
1stオリジナルソングの方は、同じように歌を届けることで「私の心を 誰かのもとへ 届けられる日が来るのかな」と考えていた彼女が、今の姿になることによって「歌う理由が前よりも輝いて見えた」ことに気づいていく、ポジティブなポッポチューンです。曲の構成が面白く、序盤はなだらかに、途中ミレア・シェルツになってからテンポアップし、クライマックスではキーもあがっていく、というまるで幸せの階段を駆け上がるような作りになっています。ミレア・シェルツの、今思いを伝えるために歌うことが楽しくて仕方ない、というのがひしひしと伝わってくるボーカル表現は聞いていてとても心地が良いです。
直接的なつながりはないかもしれませんが、新曲の「Storia」とは対になっている、あるいは裏表、という作りなのではないかと考えながら聞いてみると、より魅力的な作品に聞こえてくるかもしれません。
ガチャガチャきゅ~と・ふぃぎゅ@メイト – MOSAIC.WAV /ラプラス・ダークネス×赤見かるび 【歌ってみた】
自分たちのキャラ性にあわせた選曲と、ふたりのバランスが完璧!ラプラス・ダークネスと赤見かるびがアップしたのは2007年懐かしの電波ソング「ガチャガチャきゅ~と・ふぃぎゅ@メイト」。かなり癖の強い曲で、歌うときは思い切りも大事な作品ですが、これがふたりの活動スタイルにぴったりマッチ。特に赤見かるびの独特な声質がピタリとハマって、非常にかわいらしい、萌え度の高い作品に仕上がっています。ドット絵の二人も、かなりよく動くので見ていて癒やされます。
活動内容のノリは一見似た者同士のふたりですが「ラプかるで世の中白黒つける!🔥 #ラプかるが白黒つけた」では意見が驚くほど真逆。理由を述べてぶつかり合う様子はディベートエンターテインメントになっているので必見です。両極端なふたりだからこそ普段の配信でもノリがあうし、濃いめの歌動画でもぴったり息があうのかもしれません。
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