日々クオリティの高い作品がアップされ続けている、VTuber(バーチャルユーチューバー)や、バーチャルクリエイターの動画。その中から独断と偏見で「この動画は是非見て欲しい」というものをご紹介。特にユニークな作品や技術力や企画力の高い作品、時事性のある作品などをさらに深掘りし、今のVTuberの面白さ、頑張り、才能をキャッチしていきます!
『VRChatでお友達を作る4つの方法(前編)』【VRChat初心者さん向け動画】
初見そらがアップしたのは新規ユーザーにはとても有用な情報、VRChatで友達を作る方法についての解説動画です。VRChatの歩き方や改変の方法やワールド巡りなどを覚えた次の段階で、ぜひとも知りたい、でもなかなか聞けない話題に切り込んでいます。
初見そらは今までも実際にVRChat内で初心者さんへの案内活動をしてきたということもあって、かなり具体的な話をしてくれています。
今回は特に、人間関係テクニックではなく、VRChatの使い方や既に定番になっている手法の方面から説明しているのがポイントです。人のいる場所に行くにはどうしたらいいのか、という問題をインスタンスの仕組みや「#VRChat始めました」のハッシュタグの使用、そのための写真撮影の方法など、会話の前の下準備について、かなり丁寧に説明しています。
それぞれの初心者ワールドの良い点や使い方も細かく解説されているので、友達作りの前段階として見ておくのに最適な動画です。人がいるところにいっていきなり話すのが難しい方向けには後編の動画が今後アップされるらしいので、そちらも楽しみです。
【電子工作】VRChatからロボットアームを遠隔操作して遊んでみた
ドクター・デリートの作った機械は、使い方によっては無限の可能性を広げるのではないかと感じられるユニークなもの。VRChatの中から操作して動かすことのできる、ロボットアームです。物理側からVRCを操作するのではなく、VRC側から物理を操作する、という発想も、それを実現する技術力も、さらっとやっていますがかなり驚かされます。
ブロックキャッチとイライラ棒に挑戦していますが、操作の難易度はかなり高そう。それを活かして、VRCからの物理UFOキャッチャーやラジコン操作などはゲームとして非常に楽しめそうです。イライラ棒に関してはすぐにでも大会が開けそう。
改良をすれば、日常の作業をVRCから行うことが十分可能になりそうです。どういう仕組みで動いているのかは明かされていませんが、一発ネタではなく応用がかなりききそうな、かつドクター・デリートらしい茶目っ気も含んだ動画でした。
【オフコラボ】先輩Vtuberに活動相談したり本音トークしたりする夜【ぽんぽこ feat. ガチ恋さん】
レオン・ゼロミヤとぽんぽこが行ったオフコラボは、VTuber、特に個人で動画を中心にやっている人たちの青春模様がわかる、貴重な会話が行われています。実際に走り続け、うまく自分の道を掴んでいる個人動画勢VTuberたちの声として聞くと、VTuberについての価値観の一端に触れることができるはずです。
「やってる身としては絶対バーチャルYouTuberである意味ってめちゃくちゃあるから。YouTuberと一緒のように見えてすべてが違うから」というぽんぽこの発言は第一線で個人活動をしていた彼女だからこその重みがあります。ふたりはVTuberでしかできないことがある、という価値観をお互いに持って、自身の歩いている道や、YouTubeなどの動画だけにこだわらない存在としての意味を語り合っています。
特に「キャラクター」という部分はふたりが強く意識しているところで、この会話を聴いておくと、これからのVTuberがどうなっていくのか、進化していくのか、変わらないものはあるのか、などをファン目線からも考えるヒントがもらえます。
【新衣装】 #周央サンゴ自由に新衣装お披露目して【周央サンゴ】
新衣装お披露目配信は多くのVTuberがやっていますが、周央サンゴのお披露目はかなり特殊でした。サムネイルからして不穏。開幕そうそう、斜めに座った新しい姿で登場して、ファンを喜ばせてくれたのですが…?
周央サンゴの会話が変わるたびに、姿がちょっとずつ変わって背景も変化。ループもので使われる「ちょっとずつ違和感が出て変わってくる」演出を、差分の紹介に用いました。視聴者に意味深に話しかける周央サンゴ。変化に対して「かわいい」と「こわい」が入り交じるコメント欄。TRPGが得意な彼女ならではのテイストでのお披露目になりました。
最近流行りの謎のミーム「祠を壊すと誰かが『死ぬね』って言ってくる」みたいな話題を早速ネタにした配信をしています。周央サンゴが祠を壊しまくると、伏見ガクや壱百満天原サロメなど、にじさんじライバーが現れてリアクションをしてくれるのですが、立場がバラバラ、キャラクター性もバラバラ。「君、たぶん死ぬ」と言ってくれるおじさんに会えるようになるまで祠を壊し続けるという、ばち当たらない感じのVTuberならでは、かつ面白いことに乗ってくれるメンツが集まっているVTuberグループならではの凝った配信になっています。
他にも、本格的に終末を迎える空気に浸れるミュージカルのような歌枠や、わざわざ許可をとって歌詞を変え、ドット絵アニメーションで披露したカバーMVなど、周央サンゴの深い味わいを楽しめるコンテンツが連続して観ることが出来る週でした。どれから観ても独自さが伝わりますが、まずは完成度が非常に高いMVから観るのをおすすめします。
【#ホロメン私物オークション】開催!ホロメンの私物を落札せよ!【ホロライブ/兎田ぺこら/大神ミオ】
兎田ぺこらと大神ミオによる「ホロメン私物オークション」が行われました。ホロライブのメンバーにオークションに出してよいものを出品してもらい、メンバーが競り合って落札する、という「誰がどんなものを持っているのか」「誰が誰のものを欲しがるのか」がわかる、ホロライブ箱推しであればあるほど旨味の増す配信でした。
公平さと安心感をしっかり担保した企画性は目を見張るものがあります。まず使うのはお金ではなく、全員に公平に分配された「百万ぺこらマネー」。これをどう配分するか考えながらオークションをしていきます。ただこの予算ではやりくりしきれないこともあるはず。その場合は「それなりの何か(恥ずかしい話など)」をすればぺこらマネーを借りられる、という「自主的に負債を背負うほど、ファンが楽しめる何かが展開される」美味しさ満点のシステム。これなら心配することなく、むしろエンタメ的にwin-winな展開として競い合うホロメンたちのヒートアップが楽しめます。
謎解きゲームや鉱石などちゃんと価値のあるものもありますが、星街すいせいが好きな風真いろはと森カリオペが、彼女の出品アイテムを凄まじいスピードで全額勝負まで駆け上がったり、紫咲シオンの飲みかけのジャスミン茶が欲しいがゆえに自身の恋バナを明かして借金をする夏色まつりなど、見どころ満載。
「宝鐘マリンの医療事務の職業訓練学校で使ってたノート」のように、視聴者側も興味津々な超レア出品もありました。ぜひとも他の人の出品もみてみたくなる企画です。
【オリジナル曲】キミにお給仕♡耳はむナース【餅月なこ / 新人VTuber】
餅月なこのオリジナル新曲を再生すると、ものすごい滑らかに動くアニメーションでびっくり。実はこれはASMRが得意な彼女の、ASMR用のLive2D新モデル。MV映像としての相性の良さのみならず、ぐいっと迫ってくるような姿勢、豊かな表情再現、赤面や艶かしさなど魅力たっぷりの姿になっています。この姿勢で動くVTuberはかなり珍しいと思うので、一見の価値ありです。
曲はかなりアッパーで、アイドル性とキャラクターソング性の高いハッピーチューン。元々の甘いボイスが存分に生かされた楽曲になっており、視聴者をときめかせるようなセリフもうまく曲に織り込まれています。それどころか曲のセリフそのものがASMRテイストで左右から話しかけてくるように収録されていて、聴いていると突然のことにドキッとしてしまうような斬新なネタもあります。
歌唱力が高く安定感があり、自身の声の良さを活かす歌い方を熟知しているようで、以前の3Dライブ配信でも餅月なこならではの魅力が詰まった歌を多数披露しています。
ネメシス【PHAZE】
VRでバンド活動をしており、今年6月に惜しまれつつ解散をしたPHAZE。解散前に制作していたという作品「ネメシス」が、10月10日に公開されたのはファンにとって大きなサプライズでした(あくまでもこれで再結成したというわけではないのは明示されています)。
楽曲は身体が踊りだすような、跳ねるようなエレクトロスイング。けれどもずっと不穏さが漂うメロディと歌詞。PHAZE節全開の作品です。
高速ラップパートがかっこいいこの作品。イラストの女の子はかわいいけれども、その裏は…?というような、アバター社会に対しての痛烈な皮肉を含んだ歌詞が展開されています。「溺れ自惚れ?いや自己肯定っしょ!I love me」とかわいいアバターをまとう人の思想を挟みつつ、「見えない伽藍洞に響く」「ピエロは踊る 薄氷の上 足元に広がる奈落にさえ気づかない」と鋭く爪を立ててきます。
問題提起的な要素の強いこの作品。単語ひとつひとつにこだわりが見られるので、何が歌われているのかはかなり捉え方次第。「誇れ、異形こそ It’me」というワンフレーズには考えさせられるものがあります。
この尖った曲を超高速で歌う激しいVIVI ZENAのボーカル、一回聞いたら二度と忘れないようなキャッチーなメロディとリズム。PHAZEの3人の才能を改めて感じさせられる一曲です。
メンバーはそれぞれもう既に別々に活動をしているので、これからも新たに成長し続ける音楽を追い続けたくなる、置き土産というには強烈すぎる作品でした。
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