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VTuber 2024.08.12

この動画がすごい! 今週のおすすめVTuber動画(~8月10日)

日々クオリティの高い作品がアップされ続けている、VTuber(バーチャルユーチューバー)や、バーチャルクリエイターの動画。その中から独断と偏見で「この動画は是非見て欲しい」というものをご紹介。特にユニークな作品や技術力や企画力の高い作品、時事性のある作品などをさらに深掘りし、今のVTuberの面白さ、頑張り、才能をキャッチしていきます!

「カチカチ山」とかいう和製サウスパーク、いつからヌルくなったのか

月ノ美兎の『カチカチ山』について調べた動画が、研究発表としてSNSで高く評価されています。疑問点は「『カチカチ山』はいつから、カニバリズムなどの尖った部分がまるくなったのか」「この物語を絵本化するにあたって作者はどう感じているのか」というもの。
これについて月ノ美兎は、入手できる『カチカチ山』を購入し、国会図書館で片っ端から『カチカチ山』を読んでいく、という徹底研究を始めました。解説が書いてある本を読むのではなく、自らの手で一次ソースを集め、100冊以上読んだ上で比較研究しています。

年代を並べて書かれている事象を細かく整理することで、ある一定の時代の流れが見えてくる様子は、動画を観ていてワクワクさせられるものがあります。
この研究スタイルに対して民俗学・考現学を本格的に扱っているVTuberの諸星めぐる「これ民俗学だよ!!」と驚きつつ太鼓判を押していました。
月ノ美兎がすごいのは、この研究発表をあくまでもエンタメ動画としての軸をブレさせることなくまとめきっているところ。はじめて行う調査そのものについての新しい体験を、冒険しているかのように語るので聴いていて全く飽きません。また太宰治版のようについ読みたくなるような『カチカチ山』もユニークなノリで紹介しています。
なにより『カチカチ山』本編へのツッコミが痛快。そのうえで研究テーマとして、昔話とは誰がなんのために作って子供に受け継いでいるんだろう?という疑問への鍵すら与えてくれます。
ここで古典に長けている栞葉るりの助力があったというのも見逃せない所。にじさんじは専門的な技術を持っている人間も集まっています。このような研究の際に協力ができる、という環境になっているのは箱ならではの強みです。

【ORIGINAL ANIME PV】Being an idol is tiring! — Jelly Hoshiumi

Phase ConnectのJelly HoshiumiによるアニメーションPVが公開されました。彼女は別の宇宙からやってきたプリンセスアイドルとして活躍しており、普段からかわいらしいきらびやかな衣装をまとって配信していたのですが…?

頑張っていれば疲れてしまうこともあります。全ての衣装を脱ぎ捨てて、リラックスした部屋着に着替えて改めて配信ボタンを押す様子は、彼女の本当の気持ちを垣間見ているようで、観ていて安心します。
新衣装の発表にあわせて公開された動画でした。この動画によってなぜその新衣装を着ているのかの整合性が取れ、彼女の人格・キャラクター性がより深堀りされています。また動画の衣装だけでなく、おでこを出したりメガネをかけたりと、よりリラックスしている差分も観ることができます。

新衣装によるオリジナルソングPVもアップされました。配信を聴きながらホッと一息つけそうな聴きやすい作品で、優しい彼女の歌声がぴったり曲や映像にマッチしています。こちらも物語性がある内容で、彼女の新たなかわいらしさが大爆発しているので、ぜひあわせてチェックしてみてください。

【#3期生100の質問】ホロライブ3期生がNGなしで100の質問に答える!!!!!ぺこ!【ホロライブ/兎田ぺこら】

兎田ぺこら宝鐘マリン不知火フレア白銀ノエルの3期生4人が「NGなし」で100の質問に答えるという、思い切った企画を行っています。「尊敬しているホロメン」「最近見た夢」のような比較的温厚な質問もありますが、そんなこと答えても本当に大丈夫なのか?という質問も正直あります。4人とも今や有名VTuber、迂闊なことは言えませんが…。

「貯金はいくらですか?」「ホロライブは当初は何年続けばいいと思ってた?」のような際どい質問に対して、どうVTuberとして切り替えしていくかがこの配信の見どころでもあります。やはりそこは百戦錬磨の4人。言葉巧みに、でも無視せずうまく答えています。質問に答えるテクニック動画として学べる部分が多いです。
また「高校生で一番大切なこと」のような一般的な質問に対して、学校にほとんど行っていなかったという宝鐘マリンの熱い言葉が出てくるなど、思わぬところから個性や思想が出てくるシーンもあります。
4人いっぺんにやっているから言えることもあれば、言えないこともある、というのも面白いです。どの質問をとってもエンターテインメントとして楽しめる内容です。本当に炎上するような回答はないので、安心して観てみてください。

きみのためのアマイせかい/ 獅子神レオナ【Official Music Video】

7月9日に3rdフルアルバム『History:O』を発表した獅子神レオナ。普段は明るい太陽のように情熱的で、そっと寄り添ってくれるようにエモーショナルな彼女がアップした新曲MVはものすごくダーティー。ダークレオナとしての魅力満点の作品です。

歌声から溢れ出る悲しみと苦しみの表現にはハッとさせられます。作詞作曲の烏屋茶房テイストがたっぷり盛り込まれたこの作品、絶望とは別の形での、平常には戻れないような心のねじれであふれています。これを獅子神レオナはゾクリとするような、でも大げさにならない的確なボーカルで表現。生々しい病みを感じる作品として仕上がっています。

同じくダーティーな前作の『ダウト』、逆に優しさいっぱいの『アフターレイン』と比較しながら聴くと、彼女の表現力の幅の広さに驚かされます。音程やリズムの安定感、ほどよいさじ加減の感情の乗せ方、聴きやすい声質、人間の多面性の表現など、かなりプロフェッショナルなボーカル技術を持ったVSingerとして今後どんどん活躍の幅を広げていきそうです。

クラルテ / 陽月るるふ 【Official MV】

陽月るるふの2ndオリジナル曲『クラルテ』のMVが公開されました。優しく心地よいメロディに乗せて、こちらに語りかけてくるような歌い方が印象的な作品です。「この手を取り進む君と まだ私を知らない君と 美しい花を咲かせる」という歌詞にあるように、この曲を聴いた後は、ファンならずとも彼女が近い距離にいる感覚になれる楽曲になっています。


非常にポジティブかつ温和な作品なので、夜寝る前に聴きたい一曲です。彼女が自分自身を振り返るところからはじまるのですが、その時点であたたかみのある前向きさが表現されます。その後自身の歌でみんなを導いていきたいという思いが綴られますが、ここも丁寧さと優しさが徹底されており、歌詞にあるように「眩しいこの声」の存在を感じられます。彼女が導く先も「吸い込まれそうなほど透明な世界」。どこを取っても光に満ちた思考の歌です。
彼女の歌声はそれを証明するように明るく、ほどよいバランスの安定感があります。透明感あふれ、自信もしっかりある優しい歌声は聴く人にそっと、強引ではない仕方で手を差し伸べてくれているかのよう。ぜひ歌声の気持ちよさを味わいつつ、ポジティブな淡い光に包まれる体験をしてみてください。

飾り窓 / 龍ヶ崎リン:Official Music Video

1stフルアルバム『Stairs』のリリースが発表された龍ヶ崎リンの新曲『飾り窓』のMVが公開されました。レトロ風味で独特な世界観を持つことで知られるモコボの映像が印象的です。

ハスキーさのある個性的なアルトボイスが魅力の彼女のボーカルは、言葉一つ一つにこめられた思いや感情をしっかりと伝えてくれます。とくに「しょうもない」「シチュエーション」「理想」「思考」のような韻のリズムの表現はかなり心地よいです。
R&B風のチルめな楽曲を自身のものとして、かっこよく、かつ大人の複雑な心情をこめて歌える貴重な才能を持つVSingerです。

先日は生ギターにあわせたアコースティックライブも披露しています。彼女の歌唱力のパワーを直にあびることのできる、曲はおだやかですが迫力のあるライブなのでぜひ御覧ください。

Dusk / HACHI【Official MV】

HACHIが今回アップしたMV『Dusk』は、渋谷の忠犬を描いたTVアニメ『SHIBUYA♡HACHI』の主題歌です。夜の空気感を感じさせるシティポップで、渋谷のハチ公前を出発地点として、華やいだ街に対しての複雑な思いを胸にあてもなく歩き出す様子が、エモーショナルに描かれています。
答えのない心の機微を表現するのに長けているHACHIの歌声は、言葉ではなく歌でしか表せない感情を見事に伝えてくれました。聞いていると眼の前に、楽しくも悲しくも感じられる街の光景が広がるかのようです。

実写の背景に、2Dアニメーションの人物が描かれる変わった手法の映像が用いられています。街の中を、街の外を、HACHIが2Dで動いている様子は本当に存在しているかのよう。
特筆すべきはライブユニオンのメンバーが登場していることです。焔魔るりが運転手を務め、後部座席には瀬戸乃とと水瀬凪が乗っています。
「黄昏の空を追いかけて僕らどこまでも」という歌詞と重ね合わせながら4人を観ると、ファンにはものすごく感慨深いものがあると思います。彼女たちの歩みは、まだどこまでも続いていきそうです。

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