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VTuber 2025.01.06

この動画がすごい! 今週のおすすめVTuber動画(~1月3日)

日々クオリティの高い作品がアップされ続けている、VTuber(バーチャルユーチューバー)や、バーチャルクリエイターの動画。その中から独断と偏見で「この動画は是非見て欲しい」というものをご紹介。特にユニークな作品や技術力や企画力の高い作品、時事性のある作品などをさらに深掘りし、今のVTuberの面白さ、頑張り、才能をキャッチしていきます!

年越しカウントダウン!体内時計だけで成功させたやつが勝ち!!

想像を超えた集団おもしろ企画といえばやはりあおぎり高校。体内時計でぴたりと年越しの瞬間を成功させよう、という企画動画で、実際の撮影は大晦日より前。12月31日の23時45分から再生してもらい、確認してもらおうというユニークな作りの動画になっています。

もちろん15分黙って待つわけではないです。事前収録でまだ大晦日ではないこともあり、2024年を振り返りながら会話が盛り上がったり、全然関係ない話題で足の引っ張り合いもしたり、そわそわ時間を気にしたりと、普段と違う謎の緊張感がある会話が生まれています。加えて時間を正確に計測しているため、動画は珍しくノーカットです。
結果どうなったかは、見てのお楽しみ。個性がそれぞれ尖りながら分散されつつ、それでも集結するとなんやかんやひとつにまとまる様子が見ていて安心できる、下ネタ飛び交いまくる女子校を見ているようなあおぎり高校イズムが今回も全開です。

今回も参加しているあおぎり高校のメンバーのひとり萌実は「ダダダダ天使」のカバーMVをあげています。萌実は元エイレーンのチームで、最古参VTuber(当時はそう名乗っていなかったですが)のひとり。活動歴はとてつもなく長い大先輩で、あとからあおぎり高校に合流しました。
声がものすごく個性的なので誰が聴いても一発で覚えられること、その声から得る印象とキャラクター性がマッチしていることなどもあり、今までも人気でしたがさらにあおぎり高校に入ってから人気再燃中です。そんな彼女が、大勢のVTuberがカバーをしていた懐かしさ補正があるこの曲をチョイスして動画化している、ということ自体がかつてからのVTuberオタクの胸に刺さります。1年前の一発撮りバージョンの方は、さらに声質が際立って目立つ唯一無二のボーカルになっているため、両方是非聞いて下さい。

このVRChat動画がめっちゃ好き2025

いごろなくチャンネルが紹介している動画は、全部見てほしいものばかり。それをピックアップしたアンテナの高さも幅の広さも素晴らしいのですが、何が優れているのか、どういう視点から見ると面白いのかを、リスペクトをもって的確に解説しているため、この動画自体もエンタメとして優れたものになっています。

VRCギャルサーのバーチャルデートモニタリング企画、映像アングルや演出や撮影手法のバリエーションが尋常ではないこだわりで作られている『ラブ・バター・ラブ ~私を見つけて~』など、VRChatでの映画撮影でこんなことまでできるんだという新鮮さを感じられる紹介動画です。他にもアバターを変えれば一人だけでもすごいものが撮れる…という映像も紹介しており、VRの強みを活かした新しい映画製作のバリエーションの広さを感じさせてくれるまとめです。

【🌟 貴重映像】個人VTuberが成層圏へ到達! スペースバルーン打上げから回収までのダイジェスト映像!【#星見スペースバルーン / 星見まどか】

惑星科学者VTuberの星見まどかがついに成層圏へ! 昨年配信でも報告されていましたが、改めてそこに至るまでと達成の様子のまとめ動画を見ると、このプロジェクトのすごさがよくわかります。
星見まどかがスペースバルーンで宇宙の入口まで行きたい!とクラウドファンディングをしたのが事の始まり。300%超えの支援で見事達成し、成層圏を目指すことになります。

早朝に集まって準備を整え、星見まどかのアクリルスタンドと缶バッジを乗せて放球(気象観測用の気球を飛ばすこと)。どんどん登っていく中で見える雲上の景色、成層圏へ達した時の地球の色、落下予測地点での回収準備などまで含めて、ワクワクする映像になっています。細かい部分の解説を星見まどか本人が入れてくれているので、何も知らない人が見る科学実験動画としても、とても親切な設計です。
参加した支援者のファンが作ったオリジナルジャンパーやワッペンなども、科学に夢を抱くチームらしさが出ていてとても情熱を感じさせてくれます。音楽系VTuberの晴れ舞台がライブだとしたら、今回の企画は惑星科学者VTuberの綿密に準備された彼女独自のライブにも感じられます。
具体的目標があるのは、とても魅力的です。さらに高い地点へ、あるいは別の方向で、科学者としての晴れ舞台をもっと見てみたいですし、そのために活動を応援したくなります。

【クイズ】「 え の ぐ 王 2 0 2 4 」【#えのぐ】

えのぐが行った年末企画は、2024を振り返るにふさわしいえのぐ関連の二択クイズ。本人たちはもちろん、視聴者も一緒に答えられる楽しいものです……が!難易度がおかしい。あまりにも難しすぎる!

「えのぐ合同会社の会社設立日は?」とかはまだ意識に入りやすいものなので答えられるのですが、「7月6日の百曲耐久で50曲目に歌ったのは?」「3rdアルバムの総再生時間は?」など、意識の外にある部分を突いてくる質問も多く、ガチで知らないと答えられないクイズの連続です。同時にそのクイズのお題になっている出来事は、間違いなく2024年のえのぐ史上では欠かせないものばかり。振り返り動画として、またカルトえのぐクイズとして完璧な作りになっています。

その後に開催された1月4日の「enogu Re:1st one-man Live -THE FIRST」は、クラウドファンディング「あなたとつくる!えのぐ 2DAYS ONE-MAN LIVE プロジェクト」でストレッチゴールを達成したため、YouTubeで全編観ることができます。
バーチャルアイドルとしてここまでファンやバンドメンバーと近いライブは、珍しいと思います。加えて奥行き表現のおかげもあって3人の存在感はものすごくリアルです。演出の面白さ、観客とのコミュニケーションの様子は要チェックです。
えのぐのパフォーマンスはいつもまっすぐ王道で、直球で、情熱的。一切揺らぐことがなく突き進み続けています。今回のライブも「Re:1st one-man Live」という原点回帰的なスタイルで、ファンには懐かしくも欠かせない「えのぐ」「絵空事」「ハートのペンキ」なども聴くことができます。人をワクワクさせ、笑顔にさせ、元気にさせる部分から一切ブレず、歌とダンスのクオリティをあげてエネルギーを振りまく3人の姿は、どんどん洗練され続けているどころか、常に限界を超えたフルパワー以上の力をライブでぶちかましてくれます。2025年も、観客としてそのパワーを受取り、応援でえのぐに返したくなる、力の循環が盛んに起きているバーチャルアイドルです。

🎄🎅今年のクリスマスもやってきた!! #ガマブ本の交換会2024🎅🎄【燈花ふゆ/書店員VTuber】

【参加者募集中】本好きの本好きによる本好きのためのクリスマスプレゼント交換会2024(※全国どこからでも参加可能です)|GAMABOOKS

【全68冊】本の交換会2024で集まった本まとめ【クリスマス企画】|GAMABOOKS

GAMABOOKSの燈花ふゆがとても素敵なクリスマス企画を立てていました。まず参加者はプレゼントしたい本を買って、GAMABOOKSの事務所に送付します。それをGAMABOOKSがプレゼント用に包装してランダムに参加者に返送します。その後受け取った人は任意でSNSでシェアしつつ、配信ではどんな本が届いていたのか紹介する、という事務所の強みを活かした企画です。
詳しいルールは上記のリンク先に書かれています、読書好きが集まっていることもあり、それぞれの腕によりをかけた、かつ人の部屋に置いてもらい読んでもらうためのことを考えた渾身のチョイスが次々と見られます。

送った人のコメントもあわせて紹介しており、選んだ思い、届いて欲しい気持ちなどがひしひしと伝わってきます。届いた人側のポストも紹介されており、名も知らぬ相手との本のやりとりが生むドキドキが伝わってきます。
送られた本の写真とコメントは、誰かの心からの「大好き」のアピールなわけで、紹介されるたびに視聴者に対しても素敵なプレゼンテーションとして機能しています。
是非ここで見て興味を持った本があったら買ってみて欲しいところですが、やはり考えもしないジャンルを知らない相手から送られるワクワク感は貴重な体験。次回同じスタイルの企画があったら参加してみたくなること間違いなしです。

【パラレルワールドの流行語大賞2024】「存在しない流行語」を解説する番組

年末年始に色々な企画をVTuberたちが立ててくれて、思う存分楽しませてくれましたが、おそらく瑠璃野ねもスタイルの年末年始企画は他に無いと思われます。存在しない流行語のベスト5を作って解説していくという、なにからなにまで「虚」で盛り上げるエンターテイメント。発想もネタの練り方も、それについてくるファンのノリも特異です。

その存在しない流行語がどのように発生したのか、どのような意味合いなのか、どう使われているのか、どのように社会に影響したのかなどをちゃんと作り込んでいるのが彼女のすごいところです。存在していてもおかしくない、というギリギリのラインを攻めています。
それに対して視聴者は「これ◯位なのかー!」「世界規模で流行ったからなー」など、あたかも存在していたかのようなコメントで反応し続けるものだから、本当にあったのでは…?とパラレルワールドに来たかのような錯覚すら受けます。
このような自身のコンテンツの作り込みと、視聴者への信頼の上に生まれている、瑠璃野ねも劇場。1時間ぴったりで終了し、オチもちゃんと準備しているあたり、配信構成の計算の仕方には驚かされます。今年も唯一無二の存在として、VTuberの新しい面白さを開拓しつづけてくれそうです。

存在しない底辺Vtuber

緋笠トモシカが新年早々、手が込みすぎていてもったいないレベルのドッキリを裏で仕掛けていました。しかもあっさり失敗していました。
一連の流れが解説され、さらにオチが付いているので、この短い配信だけ見れば何が起きたかわかるようになっています。
最初に登場する緑髪チャイナ服の子は「ベビースター」。挨拶は「やりっふぃー」。6月頃にデビューした新人VTuberとして、緋笠トモシカが所属するVOMSの新人オーディションに別の経験者VTuberとして募集してみたい、…と緋笠トモシカがメン限配信で話題にしたのがきっかけで生まれた存在です。メンバーと考えたキャラ付けを元にガチ編集の動画も制作しています。
活動者限定オーディションのため、YouTubeに新たにチャンネルを制作。メン限リスナーには新アカウントを作ってもらい、チャンネル登録をしてもらう、という周到さです。動画撮影のために初対面のVTuberに依頼するほど、リアリティの再現にこだわりがあります。かくして「ベビースター」はVOMSのGYARIに動画を送るのですが…?

即バレでした。なんて良い運営なんでしょう。
残された存在としての「ベビースター」にしてみれば、使い捨てキャラになってしまったわけで…「ベビースター」はミーム化しつつある「5年経った底辺Vtuber」のネタに被せながら「格差ありすぎるだろ!」と嘆きを叫んでいます。
今回は緋笠トモシカが「ベビースター」として配信しているのもすごいのですが、同時にOBS芸で動画のようにセリフをパタパタ切り替え、擬音をピンポイントで入れて、動画を見ているかのように演出するという高度なことをしており、さすがベテランVTuberというテクニックを見せています。面白いことのために、配信から見えない部分でハチャメチャをやっちゃえる緋笠トモシカとメンバーシップ登録者のファンのパワー、そして配信技術力の無駄遣いに圧倒される配信でした。VOMS運営のGYARIは、彼女がここまでクオリティの高いものを作ってしまえるがゆえに「ベビースター」の動画ドッキリを見抜けてしまっていたようなので、それは彼女への最高の賛辞だったはずです。

93poetry/「エモい」

VTuberに、VSingerに、あるいはリアルバーチャル問わず多くのクリエイターやアーティストに感想を伝えるとき、言葉が浮かばなくなることがあると思います。「すごいエモかったです」という一言になって、なんだかありふれた言葉すぎて恥ずかしくなることもあるかもしれない。そんなあなたに見てほしいのが、93poetryのポエトリーリーディング。その言葉が人を救うことになるかもしれないと感じさせてくれる、優しく力強い作品です。

言う側は「これでいいのかな」と戸惑うかもしれない「エモい」も、言われる側からしたら本当に心を揺さぶるような、感動する言葉です。それを彼は実体験で得ているから、この詩を書いています。「感情が溢れて出る言葉はなんであれ 零れる涙と同じだ」という一言は、観客側で今まで感想を言えなかった人の背中を押してくれるかもしれませんし、表現者が感じる気持ちの代弁でもあります。
この曲を聴いて、もしなんらか心に響くものがあったら、すぐに自分が好きなVTuberに、アーティストに、クリエイターに、その他世界のありとあらゆる表現者に、エモかったです、好きです、と伝えに言って欲しいのです。ネットがなかった時代と異なり、それを直接伝えることができることになった今の時代そのものが、あまりにもエモいじゃないですか。

34.ここに一人

メカニカルなギターをかき鳴らすロボット風の存在クスモトの新作がアップされました。弾き語りをするクスモトの作品群はいずれもストイックで、音も歌詞も歌声も映像も、極限まで洗練されています。なのであまりあれこれいうのは無粋ではあるのですが、弾き語りで何かを伝える存在の迫力がどのようなものなのかが、生身ではないバーチャルな存在ながらもこの映像には詰まっているので、見てほしいのです。過去作品のどれをとっても、この迫力は感じられると思いますので、気に入った方は是非過去作をチェックしてください。
「泣くときは一人で泣く 君がそうしていたように」「同情されたくなくて振りほどいて いつしかここには誰もいなくなって」という歌詞の切迫感と孤独感、そして「今はここにひとり 今はここにひとり」の後半のコードの変更のさせかたの巧さ。調が変わってからは、歌詞からまた異なった深みが感じられます。

「ここに一人」にある「変わるもの それを歌う 変わらないもの それを歌う」という歌詞は、ひとりで曲を作りギターをかき鳴らし歌い、黙々とアップして、歌でのみ語るクスモトの生き方そのもののようです。

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