ソーシャルVR「VRChat」に、公式のアバターマーケットプレイスがテスト実装されました。これにより、外部アバター販売サービスを使わずとも、VRChat内でアバターを直接購入できます。
5月現在、βテスト版として運用中のため、実際にアクセスするためには「VRChat」にβ版アップデートを適用する必要があります。この更新は、Steamのプロパティ設定を変更することで利用可能です。
今回は著者が実際にアバター購入までの使用感を確かめてみました。
※マーケットの一部仕様は、正式リリースまで変更される可能性があります。
「アバター・マーケットプレイス」とは?
これまでの「VRChat」には、アバターを購入できる公式システムが無く、pixiv運営のBOOTHなどの外部サイトで購入したモデルをゲームエンジンの「Unity」からアップロードする必要がありました。
しかし「Unity」は、使用するために必要な準備や“事前知識”が多く「VRChat」を始めてすぐの人の場合「アバターを買ってアップロードしてみたいけど、やり方が良く分からない…」となりがちでした。

(Unityの“プロジェクト”画面。アバターの導入には、SDK(ソフトウェア開発キット)のインストールなど色々な準備が必要)
今回の公式マーケットプレイスの登場は、この問題が大きく緩和されたことになります。
実際に試してみましょう。
マーケットは「VRChat」を起動した後、ローンチパッドのアバター欄からアクセスできます。現段階ではアバター欄を開くと、自動的にマーケットが開く仕組みで、以下のメイン画面が表示されます。
アバターは、見た目や属性(獣人、アニメ風など)によってカテゴライズされており、好みのモデルを探しやすくなっています。「Marketplafe A-Z」を押すことで、その時点で販売されているすべてのアバターを確認できます。
販売中のアバターのデザインが気になった場合、そのまま試着も可能です。試着段階では、アバター内メニューを含めてテストできますが、他のプレイヤーからは試着中の3Dモデルは見えないシステムになっています。

(試着中は、ローンチパッドにプレビュー中(画像上部)であることが表示されます)
アバター購入の流れ
今回はテストとしてPC版「VRChat」上で、blueasisさんが作成したアバター「Alien」を購入してみます。
マーケットでのアバター購入には、プラットフォーム内通貨の“VRChatクレジット”が必要です。この通貨は、メニューから購入可能。「Alien」の価格は1,200クレジットなので、まず同額のクレジットを専用ページから購入します。

(マーケットプレイスのウォレット欄から、買いたいクレジット額を選択)

(Steamでの決済画面に移行するので、画面に従って操作します)

(購入したクレジットは“取引”タブから、購入履歴を見られます)
購入したアバターは、アバター欄の“Purchased”に保存され、好きなタイミングで着用することができます。「Unity」での追加作業などは必要ありません。
ここまでの手順だけでアバター購入は完了。とてもシンプルです。
課題はあるものの、とても便利
ただ現時点では、マーケットプレイスのUIには少し課題がある印象です。例えば、クレジットが不足している際に当該メニューに飛ぶと、マーケット側がメイン画面までリセットされてしまい、再度購入予定のアバターを探す必要があります。また、文字検索機能が実装されていないので「アバター名を直接入力して購入ページに飛ぶ」ことができないのも残念でした。
しかし、これまでハードルがやや高かったアバター導入の手順を、大幅に簡略化してくれるシステムです。特に、初心者が気軽に3Dモデルを導入できる環境が整備されたことは、大きな進歩と言えるでしょう。

(こまどさん作の「ライム」といった、国内人気アバターもマーケットでは販売中)
「VRChat」界隈では現在もアバターと改変用アイテム(衣服やアクセサリー)の販売が盛んですが、これまでの場合、アバターの売り上げにかかる手数料は、VRChat本体ではなく、外部プラットフォームに吸収されていました。今回の公式マーケットの登場でVRChat本体が、“アバター文化”を収益化する手段を得た形となりますが、この大きな更新が、これからの「VRChat」文化にどのような影響を及ぼすのか。注視しておきたいところです。
執筆:井文








