Home » VR作品コンテスト「VRCアワード2018」の最終結果発表イベントが開催、8月25日に渋谷で


イベント情報 2018.08.14

VR作品コンテスト「VRCアワード2018」の最終結果発表イベントが開催、8月25日に渋谷で

これからのVR業界を牽引するVR作品やクリエイターを発掘する「VRクリエイティブアワード2018」。本アワードの二次審査を通過し、ファイナリストとして残った12作品のデモ・プレゼンおよび最終審査、受賞者発表が8月25日に渋谷のEDGE ofにて行われます。イベントの参加申し込みはこちらから。

VRクリエイティブアワードは、VR領域のクロス・コラボレーションの創出をめざすVRコンソーシアムが開催するイベントです。これからのVR業界を牽引するVR作品やクリエイターの発掘や認知度向上、活動の支援を目的として2015年に開始され、今回で4回目を迎えます。

8月25日の13:00より、渋谷のEDGE ofにて、ファイナリストによるプレゼンや一般体験デモを行います。その後、受賞者発表や懇親会などが予定されています。

ファイナリスト作品12点

VRクリエイティブアワード2018において、最終審査の対象となる作品12点を紹介します(以下、公式ページより引用・転載・調整)。

ハッピーおしゃれタイム(株式会社ハシラス/水上智絵)

「ハッピーおしゃれタイム」は、かわいらしい見た目のVRアイドルなりきりゲームです。2人のプレイヤーが一緒にアバターの着せ替え、音楽ゲームライブ、写真撮影、写真印刷を行います。純粋にかわいいVR体験が少ない中、女児向けのゲームやプリントシール機の流れを継いだポップで楽しい体験ができます。

その一方で、楽曲追加、着せ替え要素追加、フレーム追加など低コストでの拡張性に優れ、写真印刷への課金やガチャ機能追加によりVRアトラクションのマネタイズの幅を広げる可能性とリピート率を上げる可能性を持っているゲームです。

ABAL:DINOSAUR(株式会社ABAL)

「ABAL:DINOSAUR」は、6500万年前の恐竜たちがいた世界が舞台です。恐竜世界を実際に自分の足で歩き、巨大彗星が現れるその時を目指して旅をします。恐竜の大きさや声を体験できるものとなっています。最大同時体験者数は6名、コンテンツ時間は15分ほど。

バーチャルキャスト(株式会社バーチャルキャスト)

バーチャルキャストは、バーチャルキャラクターになってVR空間のスタジオでリアルタイムにコミュニケーションできる、VRライブ・コミュニケーションサービスです。

ニコニコ生放送などの生配信サービスを介してスタジオを作ることで、誰でも気軽に、好きなキャラクターでコミュニケーションできます。他のバーチャルキャストユーザーの配信に乱入できる「凸機能」や、生放送の視聴者を楽しませる様々な「アイテム」など、バーチャルキャラクターの番組に欠かせない機能が盛り沢山です。

NEUTRANS BIZ(株式会社Synamon)

NEUTRANS BIZは、複数人が同時にVR空間に接続し、遠隔会議やデザインレビューが行えるビジネス向けのVRサービスです。物体や空間を3Dデータとして共有可能な点や、アバターの顔や手の動きといった仕草を交えたコミュニケーションが可能というVRの特性を活かして、ブレインストーミングなどのコラボレーションを活性化します。

また、パワーポイントなどの資料をVR空間の大画面で共有してプレゼンができる機能など、既存のソーシャルVRサービスには存在しない、ビジネス用途に特化した独自機能も盛り込んでいます。

バーチャル避難訓練 Disaster Scope2(愛知工科大学工学部/板宮朋基)

日本は自然災害大国であり、発災時に迅速かつ的確な避難を可能にするための対策が求められます。小・中学校や自治体では、避難訓練や防災イベントおいてハザードマップや被災地の写真を用いた講話やパンフレットの配布を行い、被災リスクの周知が進められていますが、リスクを把握するためにはハザードマップの中から自宅などを探し出し、凡例を見ながら浸水深を読み取り、その数値を基に被災状況をイメージしなければならず、それは低年齢層にとっては容易ではありません。

今回開発した「バーチャル避難訓練 Disaster Scope2」では、スマートフォンと紙製ゴーグルを用いて、浸水や火災による煙の発生状況を現実風景に重ねてCGで表示し没入体験ができます。体験者が被災リスクを正確にイメージし危機感を実感でき、スマホと廉価な紙製ゴーグルのみを用いるため、調達・設置・運用コストが低く、多人数同時に体験可能であり避難訓練での活用が可能です。

ムー 未知との交信VR

オカルト・ミステリー情報誌として有名な月刊「ムー」編集部のUFOチャネリング実験に参加する、最大5人マルチプレイのVRアトラクション。参加者は「ムー」誌のスクープ記事を得るべく持ち合わせていたスマホでUMAの撮影に挑みます。誰もが頭の中で想像したことがあるであろう「UFOにさらわれる」「UMAと対面」という現実では難しい体験が高品質CGで体験できます。

また「スマホで写真を撮る」「会議室のテーブルを囲んでいる」という馴染みのある体験を盛り込むことでシームレスにVR内へ誘う演出を心がけました。撮った写真のレア度を判定する要素により、毎回違った結果を体験できます。プレイヤーの撮影結果は、体験終了後、外部モニターに「ムー」誌の誌面として表示されるので、プレイ内容の共有などを通してひとつの”体験”として余韻を感じてもらうようデザインされています。

Elastic Arm Illusion(名古屋市立大学芸術工学研究科・小鷹研究室/森光洋・小鷹研理)

Elastic Arm Illusionは、小鷹研究室による「うでのびいる実験」の第三弾であり、HMDを使って「腕が伸縮する」ようなVR体験を与えるものです。地面に仰向けに寝転がった体験者の右腕は、体験者を見降ろす実験者(actor)によって、ハンドルを介して引っ張り上げられます。このとき、腕を引っ張り上げられる度合いに応じて、体験者の体重の一部がactorへと移動します。この移動量を、HMD空間においてモデリングされた腕の「伸び率」に対応させることで錯覚を誘発させます。

この体重移動は、actorの足元に置かれた体重計(Wii Balance Boardを使用)によって、(体験者ではなく)actorの体重の増加量をモニタすることで計測されます。このことは、actor自身が、体験者の身体状態をモニタするセンサーとして作用していることを意味します。このようなストレスフリーなセンサー環境を用いることで、「計測されている」という自覚の外側で、強力な錯覚作用を生み出すことが可能となります。

Xpression(株式会社EmbodyMe)

Xpressionは、ビデオの中の人の表情を自分の表情で乗っ取り、ARでリアルタイムに動かせるスマホアプリです。例えばトランプ大統領のスピーチビデオを使えば、大統領になりきって勝手なスピーチをすることができ、本物のスピーチと区別がつかないフェイクビデオを簡単に作成できます。スマホで撮影したビデオや、YoutubeなどどんなビデオでもOKで、前処理が一切必要ありません。

友達が衝撃的な一言をしゃべっているビデオを作ってSNSで盛り上がったり、3Dモデルを用意する必要がなくアニメ映像を用意するだけでVTuberになれたり、有名人の顔でしゃべるAnimojiスタンプなど、あらゆるコミュニケーションの幅を大きく広げます。また、例えばビデオチャットに応用すれば、あらかじめ撮っておいたスーツ姿の映像を使い、すっぴんや寝巻き姿でも面接に臨めます。また、既存の映画の役者に自分の好きなセリフを喋らせ切り貼りすれば、オリジナルの映画を簡単に作成でき、映画を作るのにそもそも映像を撮影する必要すらなくなります。

実用化にはほど遠かった既存研究の問題点を解決し、世界で初めて誰もが入手できるアプリとして公開しました。

VRM – 3D avatar file format for VR – (株式会社バーチャルキャスト)

「VRM」はVRアプリケーション向けの人型3Dアバター(3Dモデル)データを扱うためのファイルフォーマットです。「人型のキャラクターやアバター」において、モデルデータ作者の癖やツールごとの細かいデータの差違を吸収・統一し、アプリケーション側の取り扱いを簡単にすることができる「プラットフォーム非依存の3Dアバターファイルフォーマット」を提案するものです。アプリケーション実行中(ランタイム)に動的にファイルを読み込むことも可能で、ネットワークを通して「アバター」としてふるまう際に問題にならないよう、モデルデータを使用して「人格を演じる」ことについての許諾規定をファイルに設定できるなど、VR時代を想定したフォーマットとなっています。

「自分の」アバター(3Dモデルデータ)を「VRM」で取り扱うことで、いろいろなVRM対応アプリケーションやゲームで相互に行き来できるようになります。生放送、動画作成、ゲーム、チャット……。いまは複数のVR世界が分断されています。この分断されたVR世界をつなぐための第一歩、それがVRMなのです。

触覚体験うんこツンツン(日本うんこ学会)

身内の介護が必要になる日、それは突然やってきます。その時、他人の便を触る体験は想像を絶します。そのような体験の心構えなど、どのようにすれば可能でしょうか?我々は、排泄ケアに対して精神的に備える機会を提供することを目的とし、「うんこ」を触るVRコンテンツを開発しました。うんこや大腸壁を触っていただきながら音声解説を流すことで、医療や介護に関する理解を深めます。うんこを触るという体験は多くの人の好奇心を惹きつけ、楽しみながら体験するうちに排泄ケアの心理的ハードルが下がる効果を期待しています。

体験の流れは以下の通りです。手にゴム手袋を装着し、指先に触覚デバイスを固定します。そして、VR空間にバーチャルな手が現れ、体験者はその手を自分の手の動きによって操作します。VR空間にはうんこや大腸が次々に出現し、それらを指先で触れ、感触を確かめることができます。対象物は、硬さや質感の異なる3種類のうんこと、正常あるいは深刻ながんを患った大腸です。これらの感触は有限要素法による物理シミュレーションによって生成します。音声解説では、便の特徴から健康状態を知ることや、大腸がん罹患時の便の特徴について説明します。

おうち de VTuber 撮影スタジオ(坪倉輝明)

バーチャルYouTuberブームで3000人以上のVTuberが誕生しているが、3DのバーチャルYouTuberの動画を取るのはまだまだ技術的なハードルが高いのが現状です。それを専門的な知識が無くとも、VR内での撮影やカメラのスイッチング、ライティングの調整、背景変更までもが簡単に行えるシステムをソーシャルVRプラットフォーム「VRChat」上に作成しました。

VR空間上に存在するため、実際のスタジオのような広い場所や大掛かりな設備は必要無く、複数人で空間を共有しながらみんなで協力して番組を制作できます。実際にこの仕組みを使ってSEGAのスマホゲーム、共闘コトバRPG「コトダマン」のPVや、VR放送局「VRoadCaster」のV-TV生放送など、多くの番組が誕生しています。

hearing things #Metronome(See by Your Ears)

サウンドアーティストevalaによる、音だけで構成された「耳で視るVR作品」。体験者は一人ずつ、特殊な遮音パネルに囲われた小さな無響室に入ると、暗闇の中でライトを浴びた3台のメトロノームが、カチカチと単調な音を刻みます。視界がだんだんと遮断されるにつれ、メトロノームの音が複雑な立体音響プログラム処理によって増殖し、空間内で引き伸ばされたり、粉砕されたりしながら、体験者の体をまさぐるように響きます。

真っ暗闇の中、その豊かな音の生態系に耳を澄ませるとき、体験者の脳内には様々なイメージが表出し、「耳で視る」と表現しえる幽玄なヴァーチャル体験を得ることでしょう。人の知覚を拡張し、動的に変化し続ける「音のアーキテクチャ」を構築しています。

イベント概要

イベント名

VRクリエイティブアワード 2018

日時

2018年8月25日 13:00~

開催場所

東京都渋谷区神南1-11-3
EDGE of(https://edgeof.co/ja/

プログラム

13:00……開場・受付
13:30……開式
13:40……ファイナリストプレゼン
15:20……一般体験デモ
17:30……受賞者発表
17:50……閉式
18:00……懇親会(同会場にて)

※当日はライブストリーミングにて配信予定。配信ページはこちら
※プログラムは予告なく変更する場合あり

審査員

藤井 直敬氏、杉山 知之氏、南條 史生氏、稲見 昌彦氏、水口 哲也氏、近藤 “GOROman” 義仁氏、八谷 和彦氏、落合 陽一氏、西川 美優氏、久保田 瞬氏

参加費

一般:3,000円
作品応募者:無料

チケット購入方法

Peatixページから

(参考)VRクリエイティブアワード2018


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード