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話題 2019.05.18

元おもちゃデザイナーのエンジニアが作った「VRでも現実でも殴ってくるボクシングロボ」

元おもちゃデザイナーでエンジニアのJames Bruton氏は、VRゲーム内の敵キャラクターと連動して動くボクシングロボットを自身のYouTubeチャンネルで公開しました。ロボットは無骨なつくりながら、VRゲームに格別な臨場感を与えているようです。


(Bruton氏はこのプロジェクトに、ポーツマス大学のコンピューターゲーム技術を学ぶ学生と一緒に取り組んだ)

インタラクティブ性を追求、“ボクシングロボット”開発へ

インタラクティブなエンターテインメントにおいて、ユーザーの行動に対してフィードバックアクションを返すことは、より良い体験を提供するためにとても重要です。例として、ゲーム内の銃を発射した後のコントローラーの振動や、複数の選択肢のうちのひとつを選んで分岐するストーリーなどが挙げられます。

VRの世界においても、ユーザーへのフィードバックが良い没入体験を与えるために大切であることは変わりません。James Bruton氏は、剣で戦うVRゲームと連動して動くボクシングロボットを作り上げています。このロボットはBruton氏のYouTubeチャンネルにて、「Robot vs Human Combat」という動画に出演し、Bruton氏と戦いを繰り広げています。

HTC VIVEを使ったこのVR体験では、VIVEトラッカーを装着した棍棒と盾を使用し、機械の敵と戦います。ロボットの各アームにもVIVEトラッカーが装着されており、ゲーム内の敵がプレイヤーを攻撃するたびに、実際のロボットはその動作をミラーリング。ロボットはヘッドセットの前面に取り付けられたセンサーでプレイヤーの位置を追跡し、敵とまったく同じ位置から現実のプレイヤーを攻撃します。

Arduino Mega 2560マイクロコントローラボードを搭載したこのロボットは、2つの巨大なアームを使って、さまざまな角度からプレイヤーを攻撃できるようになっています。またどちらの拳も標準のボクシンググローブで覆われており、安全性も考慮されているようです。

ほとんど腕と胴体だけのロボットと人間が殴り合う——VRの“外”から見るとやや奇抜な光景に見えるかもしれませんが、このようなロボットを使用したVRプロジェクトの可能性は広大です。没入型のVRゲームのみならず、戦闘員向けの実践的な訓練シミュレーションなど、さまざまな分野に応用できるでしょう。このようなロボットや機械を使用した新しい試みは、今後も増えていくことが予想されます。

(参考)VRScout


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