「モナ・リザ」の本当の姿とは?
「Mona Lisa: Beyond the Glass」は2019年にルーブル美術館でレオナルド・ダ・ヴィンチ没後500年を記念して開催された展示会の一環として制作されました。
レオナルド・ダ・ヴィンチの代表作「モナ・リザ」の現物は、劣化を防ぐために保護ケースに入れられており、触れることはできません。また、毎日2万人以上の人々が「モナ・リザ」の前に立つため、実際にルーブル美術館に訪れたとしても遠くから眺めることになります。
この作品ではVRでルーブル美術館の館内を再現することにより、「モナ・リザ」を間近で鑑賞することができるだけでなく、動画、音声、インタラクティブな要素を組み合わせて、体験者をレオナルド・ダ・ヴィンチの世界に没入させます。
さらに赤外線スキャンデータと数十年にわたる研究データを利用することにより、「モナ・リザ」の本当の姿に迫っています。このプロジェクトはルーブル美術館とHTC VIVE Artsが協力と、フランスのVR制作会社のEmissiveによって制作されています。
オススメのポイント
1. おうち時間にオススメ! ルーブル美術館を独り占め
海外旅行どころか、美術館にもなかなか行けないこの時期にぴったりのコンテンツです。ヘッドマウントを被るとルーブル美術館の前に立っています。この冒頭のシーンだけで感動するぐらい高クオリティな画像が360度に広がります。
さらにコントローラーを使うことによって自由にルーブル美術館の前の庭をワープ移動することができます。私はルーブル美術館に行ったことありませんが、将来、本当にパリのルーブル美術館に行った時にはこの体験によって、何だか久しぶりに来たという感覚になるのかもしれないと思うぐらいリアルな感覚です。
2. 知らなかった「モナ・リザ」に出会える
「モナ・リザ」をVRで違和感なく再現するために多角的な視点と膨大な研究データを利用し、美術館のキュレーターや学芸員からの細かいチェックを受けながら制作されたそうです。
この作品では「モナ・リザ」を絵画として眺めるだけでなく、VRならではの挑戦として「モナ・リザ」が絵画を飛び出して動き出します。もう現実にはいない「モナ・リザ」を多くの人が納得できる姿で動かすために、単純な3Dモデルだけではなく、その微表情やしぐさなどあらゆる仮説を立てて、再現されているのでしょう。
ここから「モナ・リザ」の新たな側面が見えてくることもあるのだと思います。
3. 時空を超えた体験
絵画だけでは見えてこなかったところまできちんと表現されています。「モナ・リザ」の髪型や衣服の生地、描かれた場所まで様々な専門家の意見を聞きながら細かく丁寧に再現されています。
その中でも、「モナ・リザ」が美術館に飾られている絵画のフレームを超え、描かれた場所に時間や空間を超えて移動するクライマックスが一番の見どころかもしれません。そこは広い峡谷を背景にした高台の場所。目の前に「モナ・リザ」が立っていて、体験者に笑いかけてくるのです。
単純にルーブル美術館を訪問体験するコンテンツだと思っていた私はこれだけでも驚いたのですが、最後にレオナルド・ダ・ヴィンチが描いたFlying Machineと思われる乗り物に乗り、渓谷の上空を飛ぶシーンでは思わず声をあげていました。
作品データ
タイトル |
Mona Lisa: Beyond the Glass |
ジャンル |
アート |
監督 |
Fabien Barati, Emmanuel Guerriero, Emmanuel Gorinstein |
制作年 |
2019年 |
本編尺 |
約7分 |
制作国 |
フランス |
視聴が可能な場所 |
Trailer
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