ロンドンを拠点に活動するラッパーTino Kamal氏は、自身の新シングル「V.I.P.」のミュージックビデオ(MV)に、次世代の撮影方式を活用した演出を取り入れました。
公開された「V.I.P.」のMVからは、Kamal氏の上半身に描かれたタトゥーがMRによって金属風に変化したり蛍光カラーに発光したりする様子が確認できます。MVに登場するKamal氏は、3D複製されたデジタル“レプリカ”モデルです。
ロンドンに拠点を置くDimension Studiosがこの3Dモデルを制作しました。3Dモデル制作のために、同社の最先端の立体キャプチャー(Volumetric Capture)技術を使用したとのこと。それがマイクロソフトの撮影技術「Mixed Reality Capture Studios」です。
この技術では100以上のカメラを使い、人や物の3次元情報を取得します。同スタジオは2019年8月現在、「Mixed Reality Capture Studios」が導入されている、数少ないスタジオ(※)の1つです。
(※:同スタジオ以外には、ロサンゼルスのMetastageとサンフランシスコのMixed Reality Acadamiesに導入済)
「V.I.P.」のMVは、VRコンテンツ「Spatium」などを手掛けたことで知られるRoland Lane氏がディレクターを担当。エフェクトスタジオProdigiousが、撮影と映像加工を担当しました。今回のMV制作についてLane氏は「私は創造の可能性は常に無限だと思っています。そして我々は、その(創造性の)表面に触れただけに過ぎないのです」とコメントしています。
増える音楽界隈でのVR/AR/MR活用
Volumetric Captureを使った音楽業界の取組は徐々に増えつつあります。
歌手のマドンナは、2019年5月に行われたビルボード・ミュージック・アワード(BBMAs)で、最新曲「Medellín」のARパフォーマンスで自身の分身を登場させました。
https://www.youtube.com/watch?v=svVMrAVIQtI
(参考)Next Reality