Home » PC向けVRヘッドセット「VIVE Cosmos」最新情報まとめ【2020年3月版】


VIVE 2020.03.28

PC向けVRヘッドセット「VIVE Cosmos」最新情報まとめ【2020年3月版】

HTCが2019年10月11日に発売したPC向けVRヘッドセットVIVE Cosmos。これまでHTCが展開してきた「HTC VIVE」シリーズに次ぐ、新たなVRヘッドセットとして注目されています。

本記事では「VIVE Cosmos」はどういったVRデバイスなのか、何ができるのか、VIVEシリーズや各バリエーションの違い、価格、スペックなどを解説します。

目次

1. VIVE Cosmosとは
2. これまでのVIVEシリーズとの違い
3. 無印・Elite・XR・Playなどのバリエーションがある
4. VIVE Cosmosでできることは?
5. 価格や発売日・購入方法
6. VIVE Cosmosの解像度や重さなどのスペック
7. VIVE Cosmosの最新情報をチェックするには

VIVE Cosmosとは

「VIVE Cosmos」は「HTC VIVE」や「VIVE Pro」を提供してきたHTCによる、新たなPC接続型VRヘッドセットのシリーズ名です。トラッキング用の外部センサーが不要な“インサイドアウト形式”の「VIVE Cosmos(無印)」、より高精度な外部センサー(アウトサイドイン形式)を使用できる「Cosmos Elite」、そしてエントリーモデルの「Cosmos Play」など、複数の機種が発表されています。執筆時点で販売されているのは、VIVE CosmosとCosmos Eliteの2機種です。

これまでのVIVEシリーズとの違い


(左:HTC VIVE、右:VIVE Cosmosの通常版)

VIVE CosmosシリーズとこれまでのHTC VIVE(VIVEシリーズ)は、どちらもPC接続型です。2つのシリーズの違いとして、「VIVE Cosmos」シリーズは、高精度なグラフィックとインサイドアウトトラッキングを搭載した「VIVE Cosmos(無印)」を基本としつつ、ユーザーのニーズに合わせて様々なモデルが存在していることが挙げられます。(※)

(※VIVE Cosmosの発表時は、Cosmosのフェイスプレートに装着するモジュール形式となる話でしたが、Eliteはヘッドセットのフルセットが発売されるため、モジュール機構に関しては執筆時点では未実装です)

内蔵ディスプレイは、 HTC VIVEおよびVIVE ProがOLED(有機EL)だったのに対し、CosmosシリーズはLCD(液晶ディスプレイ)を採用。解像度は両目で2880×1700です。この解像度はVIVEの2160×1200と比較して大きく向上しており、高解像度がウリであるVIVE Proよりも高い数値。なお、VIVE Cosmos各モデルで採用されているディスプレイは共通です。

■VIVEシリーズ ディスプレイスペック表

HTC VIVE

VIVE Pro

VIVE Cosmosシリーズ

ディスプレイ

対角3.6インチ 有機EL×2枚

対角3.5インチ 有機EL×2枚

対角3.4インチ、LCD(フルRGB)×2枚

解像度(左右の合計)

2160×1200

2880×1600

2880×1700

リフレッシュレート

90Hz

90Hz

90Hz

視野角

110度

110度

110度

その他、Cosmosシリーズは「フリップアップ機能」を搭載しています。これまでのVIVEシリーズでは、VR体験中に周りの状況を確認する際、頭からヘッドセットを完全に取り外す必要がありました。一方、Cosmosシリーズではヘッドセット部分のみを上に持ち上げられるようになっており、より手軽に休憩などができるようになっています。

「無印・Elite・XR・Play」などのバリエーションがある

VIVE Cosmosには、「VIVE Cosmos(無印)」「Cosmos Elite」「Cosmos XR」「Cosmos Play」といった複数のバリエーションが存在します。

VIVE Cosmos(無印)

「VIVE Cosmos(無印)」は2019年10月に発売された、VIVE Cosmosシリーズの第一弾です。ヘッドセットには、トラッキング用カメラが前面に2基、左右に1基ずつ、上下に1基ずつと計6基のカメラが搭載されています。これにより、「Oculus Rift S」や「Windows Mixed Reality(Windows MR)ヘッドセット」同様、外部センサー不要で6DoF(※)の位置トラッキング・ハンドトラッキングが可能です。

(※3DoF:回転だけを認識。6DoF:上下左右前後の動きを認識)

無印では、従来のVIVEシリーズからコントローラーが新たなデザインに変更。このコントローラーが発する光をヘッドセットのカメラが検出することで位置を認識します。

2019年10月に掲載した「VIVE Cosmos」の体験レビューはこちら。

そしてVIVE Cosmosの発売から約半年後、2020年2月にHTCはVIVE Cosmosシリーズの新バリエーション「Cosmos Play」「Cosmos Elite」「Cosmos XR」を発表。HTCによれば「これらのVRヘッドセットは、すべてコア部分が共通しており、本体前部のプレートを交換することで上位モデルにアップグレード可能」とのことです。

なお「Cosmos Play」を含む今回発表されたバリエーションモデルは、すべてVIVE Cosmosの無線化対応キット(日本では使用不可)に対応しています。

Cosmos Play

「Cosmos Play」は、VIVE Cosmosシリーズのエントリーモデルです。ディスプレイ解像度や視野角、リフレッシュレートはVIVE Cosmos同様ですが、内蔵カメラが4基に。発表によれば、「Cosmos Play」は教育目的や美術館、博物館での使用が想定されています。

Cosmos Elite

「Cosmos Elite」は、主にVRゲーマー向けのVRヘッドセットです。デバイスにはトラッキング用のフェイスプレートが装着されており、このパーツと外部センサー(ベースステーション)が組み合わさって機能することで、これまでのHTC VIVEやVIVE Proと同様に外部センサーを使った“アウトサイドイン形式”のトラッキングを実現します。ヘッドセットには内蔵型のヘッドフォンも実装されます。

Cosmos XR

「Cosmos XR」は、MR(複合現実)体験を可能にしたバリエーションです。こちらはビジネス向けの使用が想定されています。外観はCosmos Playに、パススルー用の高解像度カメラが2基追加されたような構造になっています。これにより、現実をカメラで見つつ、バーチャルな情報を現実に重ねて表示することが可能になります。なお、パススルー使用時の視野角は100度です。

VIVE Cosmosでできることは?

VIVE CosmosはこれまでのVIVEシリーズ同様、PCに接続してハイクオリティなVRを体験できます。アクションやシューティングなどのVRゲーム、世界各国の場所に自分がいるような経験、バーチャル空間を用いた制作などさまざまなアプリを体験できます。

Cosmosシリーズは、外部センサー不要で手軽にVR環境を整えたい人は「無印」、本格的にVRゲームを遊びたい人は「Elite」といったように、現段階でも目的別に選ぶことが可能です。

なお、対応プラットフォームは、HTCが独自運営するVRコンテンツ配信プラットフォーム「VIVEPORT」とPCゲーム配信プラットフォーム「Steam」です。

価格や発売日・購入方法

「VIVE Cosmos」の価格は89,882円(税別)3月27日より国内発売の「Cosmos Elite」の価格は109,990円(税別)です。購入はHTC公式オンラインショップ(VIVE Cosmos/Cosmos Elite)およびVIVE正規取扱販売店から行えます。なお、いずれもVRを体験するには別途PCが必要となります。

VIVE Cosmos

Cosmos Elite

価格

89,882円(税別)

109,990円(税別)

「Cosmos Play」と「Cosmos XR」の発売時期に関しては現時点では不明ですが、海外メディアではCosmos Playは500ドル(約5.5万円)と報じられています。なお、Cosmos XRの価格については明らかになっていません。

解像度や重さなどのスペック

「VIVE Cosmos」「Cosmos Elite」のスペック、推奨PCのスペックを紹介します。

VIVE Cosmos

Cosmos Elite

解像度

2880×1700(片目1440×1700)

ディスプレイ

対角3.4インチ、LCD(フルRGB)

リフレッシュレート

90Hz

視野角

最大110度

トラッキング

インサイドアウト形式

アウトサイドイン形式(SteamVR)

オーディオ

ステレオヘッドフォン

入力

内蔵マイク、ヘッドセットボタン

接続

フェイスプレート専用接続 USB-C 3.0、Display Port 1.2

センサー

Gセンサー、ジャイロセンサー、IPDセンサー

その他

フリップアップ機構搭載、IPD調節可能、ヘッドストラップ

価格

89,882円(税別)

109,990円(税別)

・コントローラー

VIVE Cosmos

Cosmos Elite

センサー

ジャイロセンサー、Gセンサー、ホールセンサー、タッチセンサー

SteamVR Tracking

入力

システムボタン、アプリケーションボタン、トリガー、バンパー、ジョイスティック、グリップボタン

多機能トラックパッド、グリップ・ボタン、2段トリガー、システム・ボタン、メニューボタン

バッテリー

単三アルカリ電池×2本

Micro-USB充電端子

・トラッキングエリア要件

VIVE Cosmos

Cosmos Elite

起立時・着座時

最小スペース制限なし

ルームスケール

最小 2m×1.5m(ルームスケールモードの場合)

約3.5m x 3.5m

推奨PCスペック

「VIVE Cosmos」「Cosmos Elite」を使うための、PCに要求される最小システム要件は以下の通りです。

プロセッサ

Intel Core i5-4590 または AMD FX 8350 の同等品以上

GPU

NVIDIA GeForce GTX 970 4GBまたは
AMD Radeon R9 290 4GBの同等品以上

メモリ

4 GB RAM以上

ビデオ出力

DisplayPort 1.2またはそれ以降

USBポート

USB 3.0またはそれ以降(1個)

OS

Windows 10

VIVE Cosmosの最新情報をチェックするには

またMoguLive / Mogura VR Newsでは、VIVE Cosmosに関するニュースなどを随時掲載しています。VIVE Cosmosに関する記事をまとめてチェックしたい場合はこちらから。


VR/AR/VTuber専門メディア「Mogura」が今注目するキーワード