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VTuber 2021.04.27

にじさんじの男達の熱い名古屋!「VIRTUAL JAPAN CIRCUIT」バーチャル名古屋公演【オフィシャルライブレポート】

※本記事はオフィシャルレポートを元にした記事です。

企業所属あるいは個人のVTuberたちは、これまで数々の音楽イベントを開催してきた。そして、昨今の世情に対応して、VTuberの「バーチャルである」という特性を活かした「オンラインイベント」を開催するようになっている。

そんな中で「ローカルとバーチャルをつなぐ」をコンセプトとして発起されたイベントが、広島ホームテレビと名古屋テレビを主催する『Virtual Japan Circuit(VJC)』だ。

初回は地域に「名古屋」と、そしてイベントメインライバーとしてにじさんじの「加賀美ハヤト」、「社築」、「花畑チャイカ」が選ばれた。

にじさんじとローカルといえば、かつてにじさんじの所属するいちからが開催した、『にじさんじ JAPAN TOUR “Shout in the Rainbow!”』が思い起こされる。約1年ぶりに、にじさんじが名古屋を舞台にすることとなった。

VJCは完全オンラインイベントで、ステージからすでにバーチャルだ。

名古屋城、ナゴヤドームに囲まれ、名古屋テレビ塔、奥に見えるのは大須商店街の門。愛知県の名所がぎゅっと詰め込まれ、その真ん中に浮いたステージには、オーディエンスが所狭しと集められ、そして愛知県小牧市に本社を置く松永製菓の「しるこサンド」広告が回転する。さらに、ステージの両脇には虹色に輝くしゃちほこが据えられていた。

にじさんじだから虹色なのか、さながら「サイバーナゴヤ」だ。

さて、そんな中ステージに登場したのが先にも紹介した「加賀美ハヤト」、「社築」、「花畑チャイカ」の3人だ。この3人といえばニンテンドーラボを作って遊ぶ」や「ボトルマンで遊ぶといった、大人ながらに子供の心を持って楽しむメンバーだ。

社築と花畑チャイカの2人は名古屋にはあまり縁が無いそうだが、舞台のサイバーナゴヤに興奮しながらも普段通りのトークを繰り広げた。一方で加賀美ハヤトは仕事で何度か来訪しており、「(味噌カツなど)茶色い食べ物は美味しい」と述べた。

1.ソロ曲の披露

そんな緩いオープニングトークから、加賀美ハヤトのソロが入る。曲目はにじさんじでも屈指の人気を誇るユニット『ChroNoiR』の『Not For You』だ。

本来であればデュエットであるはずのこの曲をソロで歌いあげる姿は、まさに圧巻のひとこと。いつものようにステージ全体をひとりで動き回り、ハイキックまで披露した。ラスサビ前の切なげな表現は、前サビのシャウトもあって綺麗に収まっている。

続く社築はbeatmania IIDX収録曲の「金野火織の金色提言(Hardcore×Metal Remix by Kazuki Yamamoto)」。かつて社築はTwitterでこんなツイートをしている。

ゲームが大好きで、音楽ゲームをトップレベルの腕前まで鍛え上げたプレイヤーが全力で歌う姿には、強い感情がこもっていた。作者であるDJ TECKNORCH氏からも感謝の言葉が贈られている

三番手、花畑チャイカが歌ったのはアニメ『遊戯王 5D’s』主題歌の『-OZONE-』。オープニングトークでも「しるこサンドはお湯に溶かすと汁粉になる」や「下ネタだから言うとライブが終わる」といったおふざけ感満載の彼だったが、歌い始めるとその印象が一気に変わる。爽やかで伸びのある高音で、カッコイイ系への転身を華麗に決めて見せた。サビで高くなる部分もすんなりと声が移動しており、優しさを垣間見せるような歌声にはほれぼれとしてしまった。

最後にスモークに紛れて寝っ転がるのはやはり花畑チャイカだったが……

2.バラエティコーナー

VJCは音楽イベントではなく、企画ありのオンラインイベントだ。名古屋テレビ(メ~テレ)の堂野浩久アナウンサーが登場し、3人に企画を伝える。企画は「名古屋のご当地グルメランキング(2~4位)を当てる」というゲームだ。

加賀美ハヤトが言っていたように、名古屋には名物料理が少なくない。きしめんを始め、味噌カツ、手羽先など……どれも美味しそうなものばかりだ。そのセットが商品とあれば、3人も本気でランキングに取りかかるしかない。

結果として、2位を当てたものの、3位を外してしまうことに(上図)。だが、そこは大人らしくしっかり引き下がりつつ、花畑チャイカと加賀美ハヤトが4位を当てたことで、しっかり商品をゲットした。

バラエティコーナーのラストは3人揃っての『うっせぇわ』。社築のだみ声混じりの「うっせぇわ!」や、3人揃ってキックを繰り出しており、激しい曲とその歌詞に思いを乗せている様子が伺えた。

3.ゲスト登場! 三番勝負

そしてVJCの見所の1つ、ローカルのご当地タレントとしてゲストに‟BOYS AND MEN”(通称”ボイメン”)が登場した。ボイメンは「アイドルというよりもエンターテイメント集団」というコンセプトのことで、同じくエンターテイメント集団であるにじさんじとのシンパシーを感じる。

にじさんじに負けず劣らず、ボイメンのメンバーも濃い来歴を持っていた。にじさんじの成瀬鳴とゲーム友達の吉原雅斗や、アナウンサー・古舘伊知郎に弟子入りした本田剛文など、一筋縄ではいかないことが伺える。

また、コスチュームも特撮戦隊モノの制服のようで、ライバー3人の年齢層とも見事に合致していた。花畑チャイカもこのゲストが楽しかったようで、ことあるごとにボイメンメンバーの物真似をしていた。

そんなボイメンとにじさんじの対決は「早口言葉」、「胸キュンセリフ対決」、「エア食レポ」の三番勝負。それぞれ花畑チャイカと辻本達規(岐阜県の聖火ランナー!)、加賀美ハヤトと小林豊(キュートな甘いフェイスと持ちネタ多数)、社築と田村侑久(女の子大好き)が対決。

なによりこの対決で面白かったのは、それぞれの対決にしっかり愛知県ネタが取り入れられ、その上で自分の魅力を引き出していたことだ。

特にエア食レポ対決では、全身を使った田村の、「味噌カツはめちゃくちゃにうまい!」という情熱を感じさせるレポートが光っていた。食レポは、どう美味しいのか、どうオススメなのかを伝えるのも必要だが、その気持ちの熱さも重要だと感じさせてくれた。社築の「そっちの方がバーチャルみたいな食レポすんなって!」は名ツッコミだろう。

そして、そんなボイメンが披露してくれたのがアニメ『新幹線変形ロボ シンカリオンZ』のオープニングテーマ『ニューチャレンジャー』

https://www.youtube.com/watch?v=DjIBVkRGKJk

ほぼソロなしで全員で歌いきると言う熱さ、そして「誰でも踊れるように」という振り付けを全力で見せてくれた。そしてしっかり全員が笑顔で、好青年ぶりをアピールしてくれた。

ちなみに、にじさんじも『シンカリオンZ』のEDをライバーが担当している。ここも意外な繋がりだ。

4.デュエット、そしてフィナーレ

ゲストコーナーで罰ゲーム(エビフライ)を受けた後は、デュエットのコーナー。花畑チャイカと加賀美ハヤトはGACKTの『REDEMPTION』。高音が多い楽曲を、2人の高音が合わさって迫力たっぷりに歌い上げた。また、一方のソロの時はもう片方は静かにしていたり、揃ってハイキックをするなど、ステージの映えを作り出すデュエットだった。

続いて社築と花畑チャイカは『Great Days』。アニメ『ジョジョの奇妙な冒険 Part.4ダイヤモンドは砕けない』のOPで、カントリーのようなクセになる空気感と爽やかな疾走感のある曲目だ。

先に花畑チャイカの歌を「カッコイイ」と表現したが、この時は「爽やか」だった。社築も声色が優しく、2人の見事なデュエットで表現していた。さらにステージではジョジョ立ちを始め、様々なジョジョネタを盛り込んでくれた。

花畑チャイカ、社築は同じにじさんじの緑仙とともにアニメ『ジョジョの奇妙な冒険スターダストクルセイダース』OPテーマのカバーも投稿しており、そのジョジョ好きが伺える。

ラストは、3人揃ってアニメ『ボボボーボ・ボーボボ』のOP『WILD CHALLENGER』。前振りで3人のライバーがコーラス参加していることが明かされた。

サングラス姿でところ狭しとステージを跳ね回り、サイリウムを赤一色に染め上げたステージの盛り上がりは計り知れない。しっかり茶番を挟み、愛知にアレンジしているあたりはさすがライバーだろう。3人揃っての決めポーズを見て欲しい。

そしてアンコールはサンボマスターの『世界はそれを愛と呼ぶんだぜ』。かつてにじさんじ邦ロックメドレーのアンカーとして三枝明那が多くのコーラスと協力して披露した名曲だ。

ライブのタグとして使われた「#vjcでラブアンドピース」のうち「ラブアンドピース」が、ここにきて伏線になる名演出だ。

この歌には「悲しみで花が咲くものか」という歌詞があるが、背景が鮮やかな花々に彩られていく様子には、スタッフと参加者がこのイベントに乗せた思いを感じ取れずにはいられなかった。

この楽曲を最後に歌い上げた3人に感謝したい。

イベント、ステージ演出のきめ細やかさ

このイベントはオンラインステージで開催されたため、ステージの力の入れようも見所だった。最初に挙げたような名所だけでなく、名古屋テレビのマスコット”ウルフィ”や、名古屋東山動物園のレッサーパンダも仕込まれている。

ライブ中も、ステージのスモークに始まり、炎が吹き上がったりと、様々な演出がなされていた。オーディエンスはそれぞれにサイリウムを振っていたり、拍手や口笛などが聞こえてきたり、オンラインにも関わらず現地で楽しんでいる空気を味わえた。

さらに特筆したいのが、カメラのアングルだろう。ずっと同じ一点だけでなく、時には引いたり、時にはぐっと近寄ったり、テキパキと切り替わることで見たい場所がいろいろなアングルで見ることが出来た。また、カメラショットもばっちり決めてくれていた。

極めつけは、ファンからのメッセージを流してくれたことだろう。メッセージを送ってくれたファンにとって、ライバーに直接読まれることほど嬉しいことはない。

そして、次回イベントの告知。次は本間ひまわり、リゼ・ヘルエスタ、樋口楓、竜胆尊をメインとして、ゲストにSTU48を迎え、広島で開催されるとのこと。リゼ・ヘルエスタ、樋口楓、竜胆尊はユニット「i’s」として活動もしていることから、ユニット曲が期待される。

見直してみると、ホームページには日本地図が置かれており、名古屋と広島が指されている。そして、「サーキット」は「巡回」を意味している。「ローカル×バーチャル」に挑戦する今後のVJCも楽しみだ。

執筆:Aikawa Hasma


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