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ガジェット 2025.05.19

ハンドトラッキングデバイス「UDCAP VRグローブ」レビュー 世界から注目される新進気鋭のデバイスの真価はいかに

VRの世界に、まるで自分の手で触れているかのようなリアルな体験。それを可能にすることができるのがグローブ型コントローラー「UDCAP VRグローブ」です。

「UDCAP VRグローブ」は、香港のUDEXREAL社が制作しており、VRChatを中心としたSteamVR対応のVRゲームや、Warudo、VseeFace、VnyanなどのVTuber御用達の配信補助ソフトで使用することができます。一般販売予定価格は、106,000円(税込)。クラウドファンディングサイト「Makuake」で資金を募り、目標金額30万円のところ、その約140倍の約4億2千万円を集めることに成功しています。

12個の高精度センサーが全ての指関節の動きを正確にトラッキングし、指の開きから細かな動きまで検知。手のジェスチャーを忠実にVR空間に反映します。さらに、VR内での接触が振動として返ってくる「振動フィードバック機能」を搭載。これらの機能が備わっている上、連続使用時間は最大15時間で、グローブの連続使用をサポートする通気性の高い生地で作られています。

より自然な身振り手振りを実現することができ、没入感を追求したいユーザーにとって注目の一台です。

本記事では、「UDCAP VRグローブ」のその装着感から操作性などレビューして、UDCAPの魅力と課題について迫っていきます。

ハードウェアの性能

グローブを装着すると、VRヘッドセットに対応したコントローラーで操作せずとも、VRゲームをプレイできるようになる本デバイス。人差し指に取りつける「ジョイスティックモジュール」と指の動きで、VR内の操作が可能になります。

実際の指の動きに併せてVR内のアバターの指の動きが反映されることはもちろん、コントローラーなしで操作できます。VRゲーム/メタバース内での操作は、人差し指部分に取り付ける「ジョイスティックモジュール」と「UDCAP VRグローブ」の指の動きを使います。

グローブの装着感は、生地の肌触りがよく、さらさらと滑りやすくなっているため、スマートな使い心地が良かったです。サイズは、S、M、L、XLの4種。今回はMサイズを使用していますが、筆者の大きな手だとややパツパツといった感じです。男性ユーザーであれば、自分の想定しているものよりもワンサイズ上にしても良さそうです。しかし使っている中でやや伸びたのか締め付けは気にならなくなりました。伸縮性もあるため、多少小さいサイズを購入していたとしても、使用できると思います。通気性も良いため、長時間の使用で手が蒸れたりすることもなさそうです。

手に密着するグローブは、リアル側で物を持ったりするときにも使いやすく、スマホの画面操作もグローブを付けたまま行うことができました。

気になるのはグローブの耐久性。筆者の使用していた感覚値ではありますが、少々心許ないと感じました。先述の通り、伸縮性があることは裏を返せば伸びやすいということに繋がります。また、ジョイスティックモジュールの取り付けは、面積の小さいマジックテープで行われるため、テープが弱くなったり、接着剤が薄くなってデバイスから剥がれそうになったりといったことがありました。

セットアップはやや難あり?

先に書きますが、筆者はセットアップに少々苦労しました……。

グローブの使用までの流れを大まかに書くと、グローブにケーブルを差し「ジョイスティックモジュール」を接続。本体部分にトラッキング用のデバイスを取り付けるための器具を装着し、対応するトラッキングデバイスを取り付けます。

PC側には、ドングルを2つ接続、さらに、UDCAP用のドライバーをPCにインストールし、グローブとリンクさせます。ドライバー側を操作し、UDCAPをキャリブレーション。SteamVRにUDCAPを認識させ、ゲームを立ち上げて遊ぶ、といった流れになります。

書き出すとデバイスを使う上で必要な手間のように感じますが、要所要所ですんなりいかない部分や、少々ハードルの高さを感じる部分がありました。

まず、トラッキング用のデバイスについて。

「UDCAP VRグローブ」は、グローブの位置を認識させるためにトラッキング用のデバイスが必要です。対応しているトラッカーは、「VIVEトラッカー」、「Tundraトラッカー」、「VIVE Ultimateトラッカー」、「Meta Quest Touch Plusコントローラー
」の4種類。それぞれに対応した固定ベースが用意されています。ネジ回しが必要なものもあるため、マニュアルを事前に確認しておくと良いでしょう。

今回は、Meta Quest3に同梱されている「Meta Quest Touch Plusコントローラー」を使用しました。輪っかのような固定ベースのネジを緩めて、コントローラーを挟み、固定します。深く固定させた方が良いので、中指で押す内側のボタンも挟みこみます。ただ、これでもコントローラーが抜けることが心配だったので、コントローラーの紐に手を通して使っていました。

案の定、激しい動きをした際にコントローラーが抜けたので、この予防策は行っておくと良いでしょう。それでもコントローラーが外れることに不安がある方は、ネジ止めができる「VIVEトラッカー」や「Tundraトラッカー」を使う手もあります。

次にUDCAPドライバーのインストールからグローブをSteamVRに認識させるまでについて。

グローブを使用するには、「UDCAP Drivevr」というソフトが必要です。インストールするとグローブの接続確認やキャリブレーション調整、詳細設定を行うことができます。グローブの接続は、PCに正常にドングルが刺さっていればすんなり行くと思います。

ハードルを感じたのはこの後、SteamVRに認識させる手順です。Meta Quest 3をSteamVRに正常に接続した後、SteamVR がグローブを認識しない場合があります。ここで必要なのが「UDCAP_overlay」というファイル。このファイルが入っているのが、「UDCAP Drivevr」をインストールした際にできるフォルダの奥にあるバイナリフォルダの中。マニュアルにもその場所は記載されていますが、PC操作やデバイスの設定に慣れていない人が触るにはハードルが高い場所だと筆者は感じました。そのフォルダの用途からして、他のファイルに触れるとドライバーが正常に動作しなくなる可能性が考えられるからです。


「UDCAP Drivevr」の画面

「UDCAP_overlay」の配置場所

使用する前にグローブのキャリブレーションも必要です。
インストールした「UDCAP Drivevr」の「Calibration」を押すとグローブのキャリブレーションに進みます。キャリブレーションは画面の指示に従って両手を、グー、指を閉じたパー、指を広げたパーの3段階で行います。キャリブレーションを開始すると自動で進みます。デバイスを使用する時に度々使うことがあるので、煩わしさが少なく、サクサク進められるところがGoodですね。

接続できた後ももう一つ、快適なVRゲームのために行う設定が残っています。それは、トラッキングデバイスの位置調整です。

「UDCAP VRグローブ」は、VMC(バーチャルモーションキャプチャー)やOSCにも対応しています。使いたいソフトによっては、こちらも別途設定が必要になります。VRChatで使用する際は触れなくてよいです。

使い心地は最高! 操作感には馴染みがあった

ここまで厳し目のレビューが続きましたが、使用感については非常に良いです。

今回は、「UDCAP VRグローブ」の主な利用想定とされるメタバースプラットフォーム「VRChat」で検証を行いました。

まず、指のフィードバックは、かなり性能が良いと言えます。指1本1本を動かすことができ、ピースやサムズアップといったVRChat内のデフォルトの手の動き以外も軽々と出すことができます。指の動きが綺麗に反映されるため筆者としては満足のクオリティです。

しかし、小指を曲げて行う”指切りげんまん”のような動かし方や、メイドさんのような両手で萌え萌えハートポーズを作ったりすることは難しそうです。この部分は、アバターの設定やリグの作りによるものの可能性がありそうです。

「UDCAP VRグローブ」の移動操作やボタンの役割を果たす「ジョイスティックモジュール」。パッと見、人差し指に取り付けたそのデバイスは不思議な装丁をしており、操作に練度が必要になるかと思っていました。しかし、操作するとすぐ馴染みのある感覚を感じたのです。手のひらを軽く握り、親指でスティックを操作し、ボタンを押すことができる。この感覚は、MetaQuest3のコントローラーを持っている時とほとんど同じだと。

コントローラーのトリガーや内側のボタンも、グローブをはめた人差し指と中指の動きを検知して操作をすることができます。

Meta Quest 3を日々使う筆者としては、指に取り付けられたスティックやボタンの操作に、違和感や難しさは感じず、むしろその馴染みある動きに「UDCAP VRグローブ」の魅力を強く感じ、引き込まれました。このコンパクトさだからこそ生み出されたものだと思います。そして、操作にハードルを感じないことは操作用デバイスにとって大きなアドバンテージだと言えます。

また、ジョイスティックモジュールには、振動フィードバック機能も備わっています。

VRChat上だとメニューの操作した時、物や他のユーザーに触れた時などに振動が伝わるようになっています。簡易的な”撫で”の感覚がありますが、あくまでもバイブレーションによる振動のため、完全な撫でではないことには留意しましょう。

以前、VRChatでも使用できるハプティックデバイスの「TactSuit Air」、「TactSleeve」を使ったことがありましたが、それらを併用して使うことで、さらに上のVR体験になることは間違いないでしょう。VR内に自身の手で干渉し、逆にVRからの衝撃を体で感じる体験はまさに映画「レディ・プレイヤー1」の世界そのものです。

振動フィードバック機能を使用する際は、VRChat側でハプティック関係の設定をオンにしたり、SteamVR、UDCAPドライバーのバージョンを最新にすることが必要ですが、筆者は最初この機能が動かず、苦戦しました。

結果、Steamクライアントを管理者で実行すること、Steamクライアントのバージョンを最新版にしたことで解決しました。起動しているPCのアカウントが管理者でない場合で、振動フィードバック機能が正常に動作しない時は、管理者で実行できているかタスクマネージャーから確認すると良いでしょう。

グローブのお手入れについて

先述の通り、グローブの生地は汗の吸収が早いです。しかし、裏を返せばそれだけ洗う回数も増えそうです。よく動くVRユーザーはお手入れをしっかりと行う必要があります。グローブ自体は水洗いが可能ですが、グローブ単体にするために機器類を外す際にやや注意がいります。

ジョイスティックモジュールと、接続している本体部分のカバーを取り外します。カバーを取る際にはドライバーで3㎜ほどの小さいネジを外して、さらに基盤を繋ぐ配線を固定している小さなフリップを上げて抜くといった作業が必要になります。グローブを洗濯して乾くまでの間は、基盤をむき出しにしたままの状態になるため、そのまま置いておくのは若干不安ではあります。

また、繰り返し洗濯することで生地の劣化は避けられませんが、交換用にグローブ単体での販売も検討しているとのことです。製品を丸ごと買い替える必要がなくなるのは、ユーザーとしては大変助かります。

VRヘッドセット由来のハンドトラッキング機能との差別化について

前提として、MetaQuest3では、外部カメラを使用したハンドトラッキング機能を備えており、VRChatでもMeta Quest版や「Virtual Desktop」を通すことでハンドトラッキングデバイスがなくてもハンドトラッキング機能を使用することができます。手の動きを読み取り、VRChat上のアバターの手の動きに反映されます。

コントローラーを握らない時間が欲しい筆者は、「Virtual Desktop」を通したハンドトラッキング機能を使って、VRChatをプレイすることがあります。しかし、マイクのオンオフ等で、親指と機能が振られた各指を数秒くっつけるといったモーションを取る必要があったり、クセのある操作で移動にもやや慣れが必要といった課題がありました。

しかし、このグローブでは「ジョイスティックモジュール」という指1本に収まるコンパクトな物理コントローラーで、移動もボタン操作も、直観的に行うことができます。筆者は操作している時の感覚が、Meta Quest 3のコントローラーを持っている時のものと非常に似ていると感じました。親指の部分に、スティックやABボタンがあること、人差し指でトリガーを引けること、物を持つときに中指のグリップを使うこと。これらはMeta Quest 3のコントローラーの操作感そのものです。

また、「ジョイスティックモジュール」には振動フィードバック機能が付いているため、VRゲーム中の臨場感も追加されます。大きな振動は起きませんが、VR内でUIに触れる感覚は、空中の何もない所で手を動かすハンドトラッキングにおいて、接触して操作している感覚を残すことに繋がります。視界にUIはあるものの、実際触れずにそれを操作することはVRに慣れていないと距離感を掴みにくいことがあり、思っていたよりも手前で操作ができたといったことが起こったりします。しかし、振動があることでUIに触れている感覚が分かりやすくなっていました。

まとめ

少々、マイナスなレビューを多くしてしまいましたが、筆者としては「UDCAP VRグローブ」の体験は非常に面白く、操作性も良いため有用なデバイスであると感じました。

ハンドトラッキングの直感的な操作と、「ジョイスティックモジュール」の物理的な操作の両方をバランス良く使うことで、快適な操作感を生み出していると言えます。

しかし、デバイスのセットアップやお手入れについては、誰にでもオススメできるものではないと考えます。ある程度自分でPCを扱うことができる慣れたユーザーでないと、満足に使いこなせない可能性があるでしょう。

グローブの耐久性もやや気になります。連続使用を繰り返していくことで、グローブの生地や指の動きを認識するための内部の弾性センサーが早く劣化していく可能性があります。今回使用した際にも、始めは綺麗だったトラッキングが、次第に崩れ、キャリブレーションでは調整できなかったこともありました。公開時にグローブ単体での販売があることを祈るばかりです。

しかし、執筆中にもマニュアルの更新が入ったりと、日々アップデートしている部分があり、「UDCAP VRグローブ」の今後に期待できると感じています。

VRChatをプレイしていく中で、デスクトップモードでのプレイから、VRを使用した3点トラッキング、6点フルトラッキングと、徐々に使用機材のステップアップをしていくことがあるかと思います。

今回紹介したこの「UDCAP VRグローブ」はその一つの先のロマンです。しかし、このようなさらなる没入感を得られる未来デバイスでも、もう手を伸ばせば掴めるところまで来ています。

VR体験に慣れた皆さん、次のステージに挑戦してみませんか?

販売サイトはこちら

スペック情報

グローブ

グローブサイズ S/M/L/XL/2XL
電子モジュール 50mm×46mm×13mm
重量 45g (ジョイスティックを除く)
ハードウェア素材 PC + ABS
グローブ素材 ナイロン68% + スパンデックス32%
洗浄方法 優しく手洗い
動作環境 温度:0°C 60°C

モーションキャプチャ

センサーの種類 弾性センサー
センサー数量 12センサー
キャプチャ範囲 21関節角度
キャプチャ解像度 0.01 度

バッテリーと充電

伝送方法 独自の2.4G
遅延 <10ms
通信距離 10メートル

データ伝送

バッテリー容量 760mAh
使用時間 10~15時間
充電方法 USB Type-C
充電電圧 5V
充電時間 2時間

ジョイスティックモジュール

接続ケーブル Type-Cケーブル
ジョイスティック ホール効果ジョイスティック
ボタン マイクロスイッチ
振動 DC振動

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