2017年7月15日(土)〜8月27日(日)、東京・六本木では株式会社テレビ朝日が主催する「テレビ朝日・六本木ヒルズ 夏祭り SUMMER STATION」が開催していました
VR体験は13歳未満の子供が体験できないものが多いですが、夏休み期間のイベントでは、親子連れが多くなるため、子供でも体験できるコンテンツが出展されているのが特徴です。
昨年に続き行列の絶えないしくじり先生
『NewマイティアCLアイスクラッシュ presents しくじり先生VR2.0 ~中田先生の授業をバーチャル体験!~(以下しくじり先生)』はテレビ朝日で放送中のバラエティ番組『しくじり先生 俺みたいになるな!!』の収録風景を、VRヘッドマウントディスプレイを被ることで、生徒役の1人になって体験できます。
2016年の夏祭りでも体験できましたが、今年は360度映像だけではなく、立体的に見えるようになりました。
今年の『しくじり先生』はオリエンタルラジオの中田先生による「しくじり動物図鑑」。テーマは皇帝ペンギンとキングペンギンに関して「しくじって」いること。
一番前の席に座り、先生が入ってくるまでいつもの出演者が、そばにいて見つめながら話しかけてくれます。通常の360度映像と違い制服の皺まで尖って見えます。
左を向くとカメラやモニターと多くのスタッフが見えます。カメラの奥に立っているスタッフの距離感が伝わり、広いスタジオで撮影していることがわかります。
授業が始まり、手元を見るといつも通りに教科書があり、先生の進み方でページをめくられていきます。注目して欲しい部分は、紙の教科書だけでなく、空中に画像が大きく表示されます。教科書の絵や文字では見づらいためですが、ARを使った未来の授業のようにも思えます。
3D360度カメラで撮影
今回撮影に使用されたカメラはノキア製プロ向け3D360度カメラ「OZO+ Camera」。前半分が3D立体視に、後ろ半分はパノラマで撮影するカメラです。
立体的に見えると空間に奥行きを感じ、人間が映像のように空間に張り付いて見えるのではなく、その場にいるのと変わらず空間の中のいるように見えることで臨場感が高まります。
後ろ半分は立体視ではありませんが、頭をぐるっと見回すだけでは気にならない人の方が多いかもしれません。天井を見上げると吊り下げられている沢山の照明が前半分は立体的に見え、後ろ半分は平面的に見えるのでわかりやすいです。
撮影に際しては、複数のレンズから同時に撮影するため、映像の継ぎ目に出演者が立たないように配置に工夫をしたり、『OZO』の下に人が入れるよう特別に台を作成してもらい撮影したとのこと。その結果、出演者が切れてしまったり、まるで自分がめくっているかのように教科書をめくる演出ができています。
空間オーディオの難しさ
映像は立体的に空間の奥行きを感じるようになりましたが、音声は誰がどこから話しているのか、わかりにくく、違和感がありました。
後ろの席で吉村崇氏(平成ノブシコブシ)が話しているようなので後ろを向いた後、振り返ると、教壇で話していると思っていた田中先生が筆者の机に手をつき、筆者を見下しながら話をしていて驚くことがありました。
立体的に見えると、周囲の人と自分の距離がどの程度離れているか、どの方向かを現実同様に感じとりやすくなるため、音声も話している人の方向から適切な音量で聞こえると更に没入感が得られそうです。
『しくじり先生』体験は4歳から。13歳以上はGear VRを使いますが、4歳から13歳は単眼用のダンボール製VRゴーグル「ハコスコ」も用意され体験することができます。
エグゼイドの応援でバグスターと戦えるHADO
昨年の『タマホーム presents 劇場版仮面ライダーゴースト × リアルモンスターバトル』に続き、今年は『タマホーム presents 劇場版 仮面ライダーエグゼイド爆裂サマステバトル Powered by HADO(以下HADO)』が体験できます。
『HADO』(株式会社meleap)は、頭にはスマートフォン用のヘッドマウントディスプレイを、腕にはアームセンサーを装着することで、ARによる魔法を使うようなバトルを体験できるコンテンツです。
今年は仮面ライダーエグゼイドの応援を受けながら、バグスターと戦うことができます。エグゼイドは2016年10月2日から放映され、人に感染する未知のウィルスであるゲームウィルスのバグスターと呼ばれる敵を、ゲーム会社と共同開発したゲーマドライバーで医師が仮面ライダーに変身して倒すことで患者を救う作品です。
作中で、エグゼイドはゲームの世界が現実に現れたようなバトルをすることが特徴で、「HADO」にぴったりです。
最大4人が1チームになり、エグゼイドに変身した主人公・宝生永夢の指示で戦います。
プレイヤーは腕を前に突き出すことで放つエネルギー弾と、腕を下から上に振り上げることで地面を電撃が走るように敵に大ダメージを与える必殺技の2種類を出せます。
スタートすると、壁だったところが扉となり、開くとバグスターが現れます。小さなバグスターの攻撃をしゃがんで避けつつ、攻撃し倒すと、空中に大きなガシャットが現れます。ガシャットとは作中に出てくる変身アイテム。
プレイヤーがエネルギー弾をガシャットに当てると、エグゼイドがレベル1からレベル2,、マックス大変身とレベルアップ。敵バグスターも龍のような巨大なバグスターになり、攻撃も激しくなりますが、4人で力を合わせて倒せるか、時間切れになってしまうかはプレイヤー次第です。
エグゼイドの世界
『HADO』では、現実の中にCGで描かれたエグゼイドやバグスターが出現しますが、番組を見たり、『データカードダス 仮面ライダーバトル ガンバライジング(以下ガンバライジング)』をプレイしている人には見覚えがあると思います。
見覚えがあるバグスター。
テレビ朝日に問い合わせたところ、バグスターと背景は番組で使われているもの、それ以外は株式会社バンダイの協力のもと『ガンバライジング』で使用されているものを使用しているとのこと。
変身シーンの音もクリアすると流れる曲も番組で流れる音と同じ。まるでエグゼイドのようにゲームの世界が出現し、『ガンバライジング』や『エグゼイド』の世界で戦っているような気持ちになって高揚します。
未就学児童からファンが多い仮面ライダーをモチーフにするにあたり、工夫していることを聞いたところ、誰でも被れるようヘッドマウントディスプレイは単眼用のみにしたとのこと。また、ゲームの遊び方を主人公である宝生永夢の声で説明することで、わかりやすく楽しく聞いてもらえるようにしたそうです。
本コンテンツは4歳以上から体験できるため、家族で一緒にバグスターと戦えます。
© 2016 石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映
TOYOTA GAZOO Racing presents 世界ラリー体感アトラクション 疾走&大ジャンプ!ラリーカーVRブース
『TOYOTA GAZOO Racing presents 世界ラリー体感アトラクション 疾走&大ジャンプ!ラリーカーVRブース(以下ラリーカーVR)』は、デバイスを装着しないVR体験です。半球上のドームに映した映像に合わせて椅子が動くことで臨場感のある体験を楽しめます。
半球ドームなのでVRヘッドマウントディスプレイに比べると没入感が落ちますが、酔いにくく、5人同時に体験できます。
体験できるコースは2種あり続いて上映されます。3DCGで描かれた世界中のラリーレースのコースを巡るもの、そして実際にラリーレース中のラリーカーから4Kで収録された映像を見るものです。
どちらも振動で椅子から体が飛び上がるような、激しいコースです。最初にCGのコースを体験し、CGだから強調しているのだろうと思っていると、本物のレースはさらに激しいコースで、選手の過酷さを短い時間でも体験できます。
こちらは6歳以上から体験可能です。
会場出口を出て右に行くと、ラリーカーも展示しています。
CGで再現された世界のレースコースを体験。
実際のラリーカーから撮影された映像を使った体験。