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活用事例 2025.09.16 sponsored

消防訓練を変える、VR技術と教育の融合【東京消防庁消防学校 × マンカインドゲームズ Meta Quest 導入事例】

※本記事は、株式会社マンカインドゲームズ制作・監修の寄稿記事となります。

都政課題の解決に向けたスタートアップピッチイベント「UPGRADE with TOKYO」第41回。xR(クロスリアリティ)技術などを活用した消防活動訓練の充実をテーマにした、このピッチイベントにて優勝したのが株式会社マンカインドゲームズ様の「消防活動訓練VR」です。

このコンテンツは、東京消防庁様の消防学校にて採用され、VR技術と教育の融合という先進的かつ社会的意義の高い事例になっています。

そこで今回は、消防活動訓練VRの開発背景や実装までのプロセス、両者の連携、今後の展望などについてご紹介します。

消防訓練の課題をxRで解決へ


左から株式会社マンカインドゲームズ代表取締役CEOの仲平 光佑 様と、COOの佐藤 優 様(以下、敬称略)

—— はじめに、「UPGRADE with TOKYO」への応募の背景を教えてください。

仲平: このピッチイベントは東京都が主催し、東京消防庁をはじめとする行政機関の課題をスタートアップが解決するという事業になります。

私たちマンカインドゲームズが応募した背景としては、技術を使って実際にある課題をどのように解決できるかといったことが問われるイベントだったからです。過去5年ほどVRやゲーム開発を手掛けてきた中で、受託開発として実験やPoC(概念実証)を行うケースが非常に多かったため、今まで培ってきたノウハウを実践で活かせる機会になると強く思ったことが、参加に繋がりました。


左から東京消防庁消防学校三浦 様、山田様、小笠原様(以下、敬称略)

消防学校: 私たち東京消防庁消防学校側の課題意識としては、訓練施設のキャパシティや、教官のマンパワーの問題などがありました。具体的には、近年、消防学校の採用人数がかなり増加しており、初任の学生を数多く育成していく必要があり、先ほど挙げた問題が常に懸念事項としてあったのです。そのため、最新技術であるxRという分野の力を借りることで課題解決に繋がることを期待しました。

—— 今回は、Meta Quest 3を活用した「消防活動訓練VR」が成果品となりました。そのコンセプトと開発のこだわりポイントを教えてください。

仲平: 私たちがコンテストにて提案した内容をまとめると以下の通りです。

1. リアルな火災現場の再現
当社がゲーム開発で培った、視覚や聴覚に訴える高度なシミュレーションを実現。火災の熱や煙の動きまでリアルに再現し、訓練生に臨場感ある体験を提供する。

2. ゲーミフィケーション要素の導入
訓練をゲーム感覚で楽しみながら学べるよう設計。マルチプレイ、スコアシステムやレベルアップ機能を実装し、訓練生のモチベーション向上と継続的な学習を促進する。

3. 多様なシナリオと難易度設定
様々な火災タイプや建物構造に対応したシナリオを用意。初心者から熟練者まで、幅広いレベルの訓練生に適した難易度設定を可能とする。

その上で、このプロジェクトのこだわりとして2つご紹介します。まず、スタンドアローン(システムや機器が他のものに依存せず、単独で機能する状態)で使えるデバイスというのが東京消防庁様の条件としてあったこと。もう1つは廉価ながら高いクオリティを実現できるデバイスを活用することです。

消防学校の授業では最低30人程度が使用するので、1個のデバイスが10万円を超えてしまうと予算的に成立しにくい状況でした。そこで、スタンドアローンで使用でき、当時の市場で一番コストパフォーマンスが高かったのが「Meta Quest 3」だったため、採用を決定しました。

消防学校: 私たち東京消防庁のような公共的な組織は予算や情報セキュリティの縛りが厳しく、規定の制約が大きいことが現状としてありました。本来ネットワークを活用したシステムを構築することが理想ですが、今回は条件がある中でそれをクリアできる技術を求めていたところ、マンカインドゲームズ様からご提案いただいた流れになります。

佐藤: 開発サイドの立場から言いますと、スタンドアローンでリアルな表現を実現するのは、技術的に難易度の高い制約だったのは事実です。火災現場の火の表現一つとっても、最適化をかけた上で自然に見える表現にこだわりたかったからです。そのため、実際にVRで体験できる映像を事前に作って、ご担当者の皆さんにお見せし、コンテストの後も、フィードバックをもらっては直す、もらっては直すという工程を繰り返すアジャイル開発でプロジェクトを進めていったのが大きな特徴です。

遊びと学びのバランスを意識し、消防訓練をリアルに再現

—— 今回のプロジェクトはいろいろな制約がある中で、実際の訓練で実用的かどうかが重要視されたのですね。

仲平: そうですね。ピッチイベントでは提案資料だけを作るより、まずは試作品を開発し、実際の訓練などで使っていただいて、これが実用に足るものなのか、火災現場のリアルな表現ができているのかをシビアに判断してくださいとお伝えしました。

消防学校: 私たちが求めたのはリアリティです。訓練効果を求める際の理想は、実際の訓練施設で火災現場を擬似体験するのが一番いいのですが、それにほぼ近いものを今の技術でどこまで再現できるかという期待感があり、ピッチイベントではプレゼンを見せていただきました。

その上で、マンカインドゲームズ様の映像や体験のリアリティが非常に印象的でした。また、ゲーム性の要素も魅力的でした。初任学生が活動を覚える段階で、訓練に対する前向きさや興味を引き出す必要があり、ゲーム性の要素があるとより意識が入りやすくなります。

仲平: 今回はゲーミフィケーションを活用して、誰でも効果的に学べるツールとして提案しました。ただし、ゲームに寄りすぎると面白いコンテンツにはなりますが、それで教材としての実用性に欠けては意味がありません。遊びと学びのバランスを取ることを重要視したことが、採用いただいた1つの要因にもなったかなと思います。

—— 技術的に難しかった点や工夫した点があれば教えてください。

仲平: 仮想空間のものを、実際の操作と同じように掴むような表現にこだわりました。例えば、消防ホースのノズルは、コントローラーを回転させるジェスチャーを行うことで水の流量を変更できるなど、非常にリアルな操作を実現しています。

消防学校: 今回のプロジェクトのキックオフの際に、マンカインドゲームズ様のクリエイターの皆さんに私たちが普段行っている消防訓練の現場を体験いただいたので、訓練動作や消防の装備品も理解いただけた部分はあったかと思います。

佐藤:はい。まさしく私たちがコンテンツを作る上で、思っていた以上にご協力いただける範囲が広かったのは印象的でした。教官からフィードバックをいただいたり、仮想の火災現場における声の収録もご用意いただけるなど、非常に協力的にご対応いただけました。開発者としても、両者でしっかりと力を合わせていいものを作っていくという理想的な開発ができています。

仲平:消防活動訓練VRには、大きく2つの機能があります。実戦モードは実際の現場での消火活動を体験するもので、シングルプレイとマルチプレイがあります。ヒヤリハットモードは隊員が現場で業務をする際の危険箇所を学ぶものです。

佐藤:ネットワークに繋がないという前提の話はさせていただきましたが、複数人でのマルチプレイ機能もイントラネット内で完結できるように作りました。何も繋がないWi-Fiの電波だけを発信して、それを全デバイスに伝えて通信を行う形で解決しました。

消防学校: かなり高いハードルを設定してしまいましたが、その制限された条件の中で可能な限り高いクオリティのものを作っていただいています。

現在、最初のフェーズとしては学生が自己学習として体験することを想定しています。次の段階として、通常の訓練施設のキャパシティ不足を補完するツールとして活用し、最終的には複数人で画面を共有したり他の人の動きを見たりしながら指導できる形を目指しています。

期待される効果と今後の展開

—— 本格的な運用はこれからになりますので(2025年8月取材時)、今後期待される効果を教えてください。

仲平:本システムの導入により、今後は以下のような効果が期待できると思います。

1. 訓練効率の大幅な向上
限られた時間と資源の中で、より多くの訓練機会を確保できる。

2. 安全性の確保
危険な状況を安全に体験できるため、実践的なスキルを身につけやすくなる。

3. コスト削減
実物の消火設備や資材を使用せずに訓練が可能となり、長期的なコスト削減につながる。

4. 訓練の標準化
全ての訓練生が均質で高品質な訓練を体験できる。

5. 継続的な学習促進
ゲーミフィケーション要素により、自主的な訓練参加意欲が高まる。

消防学校: VRを活用するメリットは、限られたスペースで少人数でできることです。実際の訓練では火災の想定シーンを作るのに時間がかかり、試行回数も限られてしまいます。VRなら、いろいろなシナリオを想定でき、自分が納得できるまで何回も訓練を繰り返すこともできるので、さまざまなシーンのイメージトレーニングをしていくことも期待しています。

仲平:現在は、住宅火災や飲食店などのシナリオで訓練を行いますが、今後は商業施設や自然災害などいろいろなシチュエーションも考えられると思います。さらにハードウェアの進化と合わせて、現実の訓練よりも優れたツールとして使えるような未来を目指しています。

消防学校: 夏の暑い日などの訓練は熱中症対策で屋外でできなかったりと制限があります。場所や天候を問わず訓練ができるVRはその点でもメリットがあります。そのため、まずは消防学校の初任学生向けのこの取り組みを成功させ、将来的には現場の隊員も使えるツールとして消防活動訓練VRを展開できれば理想的ですね。

仲平: そうですね。これは直近数年の話ではなく、実用化を考えると5年、10年という長期的なスパンで、ハードウェアの進化と組み合わせ、幅広い分野で実用的にVRが使われる未来を実現したいと考えています。

—— 今回は貴重なお話を聞く機会をいただきました。ありがとうございます。

「消防活動訓練VR」TGS2025&危機管理産業展に出展決定

・東京ゲームショウ2025(TGS2025)

出展場所:ビジネスソリューションコーナーにて展示
会期:2025年9月25日(木)~26日(金)(ビジネスデイ)
https://tgs.cesa.or.jp/jp

・危機管理産業展(RISCON TOKYO)2025

出展場所:スタートアップゾーンにて展示
会期:2025年10月1日(水)~3日(金)
https://www.kikikanri.biz/

企業情報

マンカインドゲームズ公式サイト:https://mankindgames.jp/ja/
消防訓練VR:https://mankindgames.jp/ja/works/shobocho-vr/
お問い合わせはこちら:https://mankindgames.jp/ja/contact/


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