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VR動画 2016.05.22

RICOH THETAで撮影した画像をPCソフトで加工する場合に気をつけたいこと

360度写真を修整したり効果を加えるといったスマホ用アプリはありますが、撮影した大量の画像をUSBでパソコンに送って本格的に編集したい!と思っている方もいるはず。今回は、RICOH THETAで撮影した写真の編集を行う際のコツを紹介します。

RICOH THETA 編集

新宿VR

SHINJUKU_VR #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA

この画像は、Hello Sleepwalkers の新曲MVのコンセプトアートになったもの。新宿で撮影した画像200枚近くをPhotoshopを使用して1枚に合成しました。比較明合成という、星の軌跡の再現に使われる方法を採用しています。さすがにスマホアプリではこのような画像編集方法は非現実的。RICOH THETAのソフト・ウェブサイトで閲覧できるのはjpg画像のみですが、jpg画像として書き出す事ができれば様々なソフトウェアで自由に加工する事ができます。

ペイントツール(Painter 2015)で夜景に筆記体をいれてみたもの。

light_words #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA

銀座(Photoshop CCで合成)

360graphicsGREEN #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA

しかし、こうした方法で加工しようとするとハマってしまう落とし穴が……!撮影時にTHETAを直立した状態で撮影しなかった場合、加工した後のデータが天地を見失います。これではどこが空で地面なのか分からない画像になってしまうため、ウェブアプリケーションでは非常に閲覧しづらいものになります。後から加工することを考えている際は、なるべく垂直に撮影することが望ましいですが、そうはいかない場合もあります。その例が以下の全天球撮影。

編集駄目な例 #theta360 – Spherical Image – RICOH THETA

Photoshopでモノクロに編集後にそのままアップした例。天地情報がおかしいために、見にくいですね。

これは、jpeg画像の中に含まれるメタデータが加工後に削除されてしまうため。Jpeg画像の中には撮影時にレンズやカメラ情報などの他、どこが天になるのかという位置情報を記録しています。しかし画像編集後、保存時に詳細設定でRICOH THETA独自のメタデータは何故か消えてしまうのです。

そこで使用するソフトウェアが、@ichinomoto氏の作成した『exifcutter』。編集前のメタデータを保存し、データが完全削除されてしまった編集後のjpg画像に元のメタデータを書き直す事が出来ます。Mac版も公開されていますが、今回はwindows版の使用方法を解説します。

ダウンロードしたexifcutterを解凍。Exifcutterフォルダ内に編集したい画像(今回はR0012218.JPG)をいれます。バックアップを忘れずに!
RICOH THETA 編集

ファイルを「00_exif_cutout.bat」にドロップすると、
RICOH THETA 編集

メタデータ(R0012218.JPG.app1)が抽出されます。
RICOH THETA 編集

抽出したらこの画像(R0012218.jpg)は削除。編集後の写真に同じ名前(R0012218.JPG)をつけて再びこのフォルダに置きます。今度は「01_exif_write_theta.bat)にドラック&ドロップします。
RICOH THETA 編集

すると、メタデータが書き直された画像(R0012218.jpg_out.jpg)が書き出されました。
RICOH THETA 編集

https://theta360.com/s/l9UZSj8QxOJbKk3UGEO5SxxEi

先ほどの画像と比べてみてください。天地が修正され、圧倒的に見やすくなっています!

慣れない方にとっては、少し複雑な手順かもしれません。しかしこのソフトウェアは元々コマンドラインツール。これを、ドラック&ドロップで簡単に扱えるソフトを@ichinomoto氏とmoyashi(@hitoriblog)氏が開発しています。

ソフトウェアのダウンロード等はこちらから↓

・windowsの方(windowsバイナリ+簡易バッチファイル)を選択
http://www.ekesete.net/log/?p=7132

・Macの方(ページ下部にダウンロード方法と使用方法が掲載されています)
http://hitoriblog.com/?p=21925

これで撮影時にTHETAを斜めに倒して撮影した画像も、ウェブアプリケーションで問題無く閲覧できます。様々な可能性が未だに隠れている360度写真の世界。ぜひ、PCで本格画像編集に挑戦してみてはいかがでしょうか?

(参考)
・EKESETE.net ブログ
http://www.ekesete.net/log/?p=7132

・ひとりぶろぐ
http://hitoriblog.com/?p=21925


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