今回紹介する「Spatialography」は、8月18日(月)に公開されたばかりのVRChatワールドです。近年VRChatでは、現実空間の建造物や風景をリアルに再現したワールドが増えていますが、本ワールドではそれらに使われる技術を用いて、非常に興味深い試みが行われています。
フォトグラメトリや3DGSを使った実験とは、どういうことか?
「Spatialography」は、3DクリエイターのVoxelKeiさんが手掛けたワールドです。VoxelKeiさんはこれまで横須賀市公式ワールド「DOBUITA & MIKASA WORLD」を手掛けた他、レインダンス映画祭のVR部門にて共同作品がノミネートされるなど、非常に高く評価
されているVRChatワールドをこれまで制作してきました。
Spatialographyではやや趣旨が異なり、これまでの制作に用いてきた「フォトグラメトリ※1」や「3D Gaussian Splatting(3DGS)※2」といった技術を、表現手段としてどう使っていくかを模索した試作品群を展示したワールドとなっています。
※1 フォトグラメトリ:現実の建物などをさまざまな方向から撮影して、写真データをもとに3Dモデルに変換する技術。
※2 3D Gaussian Splatting:画像ベースで点群を生成し、高精細な3Dデータを高速処理で生成する3Dスキャン技術。
ロビーには、それらの技術を活かしてどのような作品が作れるかといった旨のコンセプトが書かれていますが、正直そのような技術に疎い筆者には、文章を読んだだけの時点では、いまいちどのような方針なのか分かりませんでした。しかし、本ワールドを体験して「こういうことか!」と目から鱗が落ちました。
リアルな風景を、様々な表現で収める
最初のフロアは、絵画の中に現実の観光地の風景が描かれているというもの。平面の写真だと普通の額縁に見えますが……?
角度を変えて見ると、正面から見られなかった角度まで見えました。額縁の中に、間が広がっており、不思議な感覚です。作者はありふれた表現と書いていますが、旅の思い出を収めたかのような魅力を感じます。
次のフロアはこの技法の応用。大きな額縁に近づくと……?
なんと、空間内に入れました! フォトグラメトリのバーチャル空間に入ることは何度かありましたが、入り方が変わるだけでも今までにない面白みがあります。
次のフロアは、球体の中に風景が収められているというもの。このサイズ感だとリアルの風景もミニチュアのようでかなり可愛らしい印象です。球体は手に持つことも可能です。
壮大な風景も、球体の中にあるだけで、まるで自分のものになったような感覚に。本展のさまざまな表現の中でも、筆者のお気に入りです。
今度は円盤の地面が置かれており、近づくとその空間に入れるようになっています。
さらに、空間を水槽のように切り取った表現も。中は滝や川の流れも再現されており、これまで見てきた展示の中でも一番臨場感を感じました。
最後のフロアは、まさかのボクセル化。リアルな風景が四角のブロックで再現されていて面白い表現となっている印象です。
さらに、風景がゆっくりとボクセル化するミニチュアも。アレンジ次第ではホラーや音楽ライブにも活かせそうで、さらなる可能性を感じます。
以上が各フロアの紹介ですが、額縁や球体のフロアには他にも多数の展示物があり、実際に自分の目で見ることをオススメします。美術館で展示物を見ているような趣きながら、内容は非常に革新性があり、今後より新しいバーチャル表現が生まれてくるのではないかとワクワクしました。
「Spatialography」へのアクセスはこちら。
https://vrchat.com/home/launch?worldId=wrld_0ab57861-abb2-4802-8783-4ae089ea268b














