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AR/MR 2023.03.11

“VRからやってきたゾンビ”を、AR越しに銃で撃つ! 実証実験中のXRアトラクションに注目【SMS「EMBARK」レポート】

3月1日に、ソニー・ミュージックソリューションズ(以下、SMS)によるカンパニープレゼンテーション「EMBARK」が開催されました。同社がエンターテイメント業界向けに提供している様々なソリューションが展示・紹介されるビジネスイベントです。

同イベントではSMSが手掛けているIPなどの関係者を招いたセッションが開催されましたが、会場ではセッションだけでなく、会場にはSMSが手掛ける様々なソリューションが展示されていました。VR、AR、ファンコミュニティ、VTuber配信技術など、展示物の種類は多種多様でした。

展示物のひとつとして興味深かったのが、「XRシューティング・ゲーム―XR Zombie Attack―」でした。これは銃型のデバイスに取り付けたスマホ越しに、ARで表示されるゾンビを撃って倒すというシューティングアトラクションです。

一見するとシンプルなのですが、位置情報の特定にはVPS(※)を採用。そしてアトラクション会場のデジタルツインを事前に作成しておき、VR空間内に展開後、運営スタッフがVRヘッドセットでそこに入って「ゾンビ役」となり、VR空間から現実世界にいる参加者へ襲いかかってもらうという、一風変わったアトラクションになっていたとのことでした。

※VPS:ビジュアルポジショニングシステム(Visual Positioning System)。カメラなどから取得した映像から、実世界の位置を推定する技術。

いわば「現実 vs VR」という対決をARで実施している形で、アイデアも斬新ですが、運営側は遠隔地からでもキャスト採用ができ、参加者は重いゴーグル機器を装着せずに済むため、様々な意味で間口が広いアトラクションであるように感じました。担当者の方によれば、現時点では実証実験の段階ですが、今後は本格展開に向けて動くかもしれないとのことです。

このほか、ソニーの「空間再現ディスプレイ」を用いて、立体視された初音ミクとの触れ合いができるコンテンツなど、興味深い技術がいくつか見られました。取材外でもなかなかおもしろい取り組みもチラホラ。まだ準備段階のものも多いですが、もしかすると今年や来年には、XRコンテンツやVTuberイベントなどで、みなさんの前に姿を現すかもしれません。


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