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ゲーム・アプリ 2020.10.04

「今日から君にはレジを打ちながらフルーツと戦ってもらう」VRゲームをレビュー

2020年8月末、“マルチタスクシューター”と銘打ったVRゲーム「Shooty Fruity」が、Oculus Quest(オキュラス クエスト)向けにリリースされました。

本作、基本的な作りは一般的なVRシューティングなのですが、レジ打ちや配膳を行いながら、迫りくるフルーツ軍団を倒していく作品です。音声を含めて完全日本語化されています。今回はそんなゲームのプレイ感をレビューしていきたいと思います。

ゲームセンター感のあるシューティング体験

プレイヤーは、大型スーパー“スーパーメガマート”の新入社員として、レジ、配膳、梱包といった業務を行います。ゲームを起動すると、まずスーパーメガマートの従業員休憩室で、ゲームの説明をナンシー(上司的な人)から受けます。


(メインメニューはスーパーの休憩室)

ステージ選択後は、それぞれの“ジョブ”に対応するカウンターに移動します。ここで制限時間いっぱいまで業務スタート。

レジ打ち仕事の場合は、ベルトコンベアから流れてくる商品のバーコードを読み取って、片付けていきます。ゲームセンターのガンシューティングのようなプレイ感覚です。

順調に仕事をこなしていると、突如、凶暴なフルーツ軍団が襲来! トゥーン風のリンゴやライム、グレープなどがカウンター目掛けて押し寄せてきます。カウンターにはライフが設定され、なくなるとゲームオーバー。銃でフルーツを倒しながら、業務を進めなくてはなりません。


(敵のフルーツ。画像は1体ですが、ステージが進むとかなりの数が一度に出現)

ステージ開始時、武器は手元にありませんが、カウンターの上に設置されている吊り下げ型のコンベアで運ばれてくるので、これを手で掴み取って使用します。ホルスターはないですが、カウンターの上に置けばキープ可能。リロードは無く、撃ち切った後は、弾切れの銃を捨て、新しいものを使わなけばなりません。


(自販機。対応する番号を入力して武器を購入する独特のシステム)

ハンドガンや大型ショットガン、アサルトライフルに至るまで武器のバリエーションは豊か。各ステージの“スター”目標を達成すれば新武器がアンロックされ、スコア(作中ではジュースとして)で購入できます。

武器にはコストが設定されており、業務をこなすことで“出現”のためのチャージが進みます(爆発弾などのパワーアップアイテムも出現します)。高コストの武器だけを持ち込むと銃が現れず、まったく応戦できずに詰むこともあるので、注意です。


(カウンターに武器を集めてみた図)

スーパーの業務は(いい意味で)忙しい

シューティングは、十分に爽快感を感じられるものでした。システム自体はシンプルですが、業務と並行して戦うというのが、いい意味で忙しくて面白いです。

ゲームが進むにつれて、プレイヤーには更なる“マルチタスク脳”が要求されます。正直レジ打ちは、適当でも何とかなるのですが、配膳については、運ばれてくるトレイに対応した食品を置かないとNGなので、頭脳のフル回転が必須です。

当然、仕事をしている時もフルーツは襲ってくるので、「右目でフルーツを追いながら、左目で作業を見る(そしてこなす)」といった、なかなかに大変な作業を迫られます。筆者はどちらかといえばシングルタスク人間なので、遊んでいる最中、何度か頭がパンクしそうになりました。


(試し撃ちはシューティングレンジ形式)

敵の挙動は少し残念

ただ、撃たれている際のフルーツの挙動が、あまり練られていないのは残念でした。倒したときは、いい効果音と共に破裂してくれるのですが、ライフを削っている最中の反応(ヒットバックなど)が、ほとんどなかったのです。

筆者は「ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド」シリーズのような、銃撃が“ダイレクトに”敵に反映される作品が好みなので、もう少し派手な演出がほしかったのが本音です。大型の中ボス(スイカなど)は、撃つとひび割れが入ったりするのですが…。

また、筆者は他機種版は未プレイですが、YouTubeなどで確認すると、フルーツを倒した際に飛び散る血痕(果汁痕)も、Quest版では削られてしまった様子。移植の都合もあるのでしょうが、爽快感にも関わるので、残して欲しかったところです。


(ステージ開始時には作業の手順とスター目標が通達されます)

総評:少し古さはあるが良作。グロテスク描写が苦手な人でも安心

欠点はありますが「Shooty Fruity」は遊んで損はない、楽しいシューティングゲームです。元が古いゲームなので、グラフィックは最新の作品と比べると劣りますが、Questへの移植版と考えれば、及第点だと思います(それでも少しジャギーは気になりましたが)。

またフルーツが敵なので、他のVRシューターと比べて、グロテスクな描写が少ないのもポイント。過激な演出が苦手な人にもオススメです。

Quest版「Shooty Fruity」は、Oculus Storeで配信中、価格は1,990円(税込)です。

タイトル

Shooty Fruity

開発元

nDreams/Near Light

パブリッシャー

nDreams

対応VRヘッドセット

Oculus Rift、Oculus Quest、HTC VIVE、PlayStation VRなど

プレイ人数

1人

価格(税込)

1,990円(Quest版

公式サイト

https://www.ndreams.com/titles/shootyfruity/

執筆:井文


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