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話題 2019.08.22

効果のほどは? VR企業のCEO、自社アプリで“VRダイエット”に挑戦

VRを活用し、減量に成功した事例はたびたび報告されています。2018年にはオープンワールドVRRPG「スカイリムVR」をプレイし、1週間に4.5kgの減量に成功した事例や、人気の高いVRリズムゲーム「Beat Saber」をワークアウトとして活用、2ヶ月で60kg以上の減量を達成したケースもあります。

そして2019年8月、シアトルのVR企業Doghead SimulationsのCEOであるMat Chacon氏は、自社のソーシャルVRアプリ「rumii」を使ったVRダイエットに挑戦し、大きな注目を集めています。

本来「rumii」はビジネスでの会議や教育での活用を想定した、いわば“プロや業務向け”のVRアプリとして開発されたものですが、Chacon氏はこれを筋トレとダイエットの場として活用。「rumii」内で知人・友人などを招きつつ日々のトレーニングをスタートし、その様子をTwitterで定期的に投稿しています。

短い期間で減量に成功、「VRは集中力と方法を与えてくれる」

Chacon氏はVRヘッドセット「Oculus Quest(オキュラス クエスト)」や「Oculus Go」「HTC VIVE」を活用しトレーニングに臨みました。Chacon氏によれば、トレーニングの内容(ボクシング、腕立て伏せ、スクワットなど)や場所に合わせて使用するヘッドセットを変えているとのこと。

VRトレーニングの結果、Chacon氏は約7kgの減量に成功しました。減量と同時に、筋肉量の増加も達成したとのこと。Chacon氏がVRトレーニングを開始した最初の日は不明ですが、VRScoutは「短い期間」と説明しています。

私は太っていました」Chacon氏は、米メディアVRScoutのインタビューに対してこのようにコメントしています。そして、「VR内でのトレーニングは人生を変えるような驚きの体験です。端的に言えば、VRは私にトレーニングを行うにあたっての集中力と方法を与えてくれたのです」とも語りました。

VRでジム通いから解放、VRアバターによる効果も

「rumii」によるVRトレーニングは、Chacon氏を(現実の)トレーニングジムから解放しました。このアプリはVRヘッドセットさえあれば、場所を選ばずに使用できます。トレーニングや減量の専門家とVR内で会い、相談することが可能。現に同氏は、インド・ムンバイに在住するトレーナーの指導のもと、“VR禅道場”でヨガ等に挑戦したと説明しています。

Chacon氏はまた、トレーニングに際して「rumii」内のVRアバターが“マスク”的な役割を果たしてくれたと説明します。同氏によれば、VRアバターが不安や恐怖心を隠す方向に作用し、体重増に関する話題を、現実世界での相談やビデオ会議と比べて、躊躇なく話すことができたとのこと。

VRを活用したダイエットの成功例は現在までに複数の事例が報告されていますが、その多くがVRゲーム(冒頭の「Beat Saber」や「スカイリムVR」など)や、運動用のデバイスを使用しているケースでした。今回のようにソーシャルVRアプリを使用し、ダイエットに成功した例は珍しいものと言えます。

ソーシャルVRアプリを活用したChacon氏のダイエット法が個人の成功に留まるのか、それとも大きなムーブメントとなるのか。今後の展開に注目が集まります。

VRを活用したダイエットの事例などは、以下の記事でも紹介しています。

(参考)VRScout

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