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VTuber 2023.05.23

急成長するバーチャルアーティストグループ「RIOT MUSIC」 その原動力にあるものは?

SuperYellow株式会社(株式会社Brave groupの子会社)が運営するバーチャルアーティストグループ「RIOT MUSIC」の活動が、今年からより一層活発化している。4月15日に開催された全体ライブ「Re:Volt 2023」は、チケット1,000円&オンライン無料という異例の価格に。当日には、新レーベル「Meteopolis」のデビュー告知や、各メンバーによる新曲お披露目などが行われ、今後の躍進を期待させる内容となっていた。

今回はバーチャルライブ「Re:Volt 2023」の運営を手掛けたウエダダイシ氏にライブ後の手ごたえをお聞きした。また「RIOT MUSIC」のエグゼクティブプロデューサーの武田洸樹氏に、バーチャルアーティストのプロデュース指針や今後の計画について語ってもらった。

「Re:Volt 2023」の裏テーマは“進化”

――先日行われた、「Re:Volt 2023」はRIOT MUSICグループにとっては初の声出しOKでの開催で、バックバンドの生音と歓声が合わさり、より臨場感のあるイベントになった印象でした。今回のイベントについての運営側での手応えはいかがでしたでしょうか?

ウエダ:
今回の裏テーマが「進化」だったのですが、アーティストとステージともに圧倒的にパワーアップしたライブをお届けすることが出来たのではと思っています。Twitterを拝見していると昨年は配信だったけど今回は現地であったり、海外からお越し頂いた方もいらっしゃったり、多くの方が現地にお越し頂けたのもとても嬉しかったです。

個人的に印象に残ったのはファンの方々から頂いたフラワースタンドや楽屋花でした。こちらは想像以上の数をお贈り頂けまして、改めてファンの方々の愛を目の当たりにしたような気持ちになりました。

――「Re:Volt 2023」に出演したバーチャルアーティストたちの感想はいかがでしたか?

ウエダ:
ファンからの生の声援に関する話題が多かったように思います。予想よりもMCが長くなってしまったり(笑)、煽りでリハ以上に気分が乗ったり、ライブがナマモノであることを改めて感じさせられたことの1つではないでしょうか。

また、今回披露した全員での新曲「We are here」がコーラスやハモリを個別に割り振ったかなり難易度の高い楽曲だったのですが、リハーサルの休憩時間にも自主的に練習している様子を見て、ライブに対する向き合い方という観点からアーティストそれぞれの歌に対する真摯さ・ストイックさを改めて感じました。

――今回のイベントを事前に企画するにあたって、運営側で構想していたコンセプトについてお聞かせください。

ウエダ:
「Re:Volt」シリーズ自体のコンセプトの1つに「その年で最高のライブをお届けする」というところがあるので、何よりもまず生でのライブアクトというところが最も大事にしているところだと思います。

近年は配信にも重きを置いたライブも多い中ですが、会場現地での体験が何を差し置いても最高になるようなステージ作りを心がけています。

2021年の初回から生バンドを入れていたり、2022年からは数多くの照明演出を手掛ける「huez」の方々にご助力頂いたり、リアルでやるからこそのライブ感・体験は意識しています。

――「Re:Volt 2023」は、チケット1,000円&オンライン無料、プレミアムチケットを1万5,000円に設定するということ自体が、一般の音楽ライブと比較すると異例であった印象です。

ウエダ:
通常チケットとオンライン配信については、何よりもまずライブを体験してもらいたいという理由があります。

「名前は知ってるから見てみようかな」だったり、お友達に「一緒に行こう」と誘うことができるよう、極限までハードルを下げて設定しているのが通常チケットやオンライン配信です。

一方で日々支えてくれているファンの中には「何が何でも見たい」という方も少なくはないと思っています。価格は高くなってしまうので恐縮ではあるのですが、その熱に応えて「いい場所で」「ここだけのグッズがついて」見られるといった特典をお付けして抽選でご用意するのがプレミアムチケットです。

どうしても価格的なハードルは高くなってしまうのですが、VIP向け最速先行のようなイメージを持って頂ければと思っています(※最初にプレミアムチケットの抽選販売があり、その後通常チケットは先着のみ販売で実施された)。
 
――本番では、未発表の新曲を数多く発表。現地でも披露される度に喜びや驚きの声が聞こえていたと記憶しています。今回こうした新曲を多く披露した狙いなどがあればお聞かせください。

ウエダ:
ファンの皆様を驚かせたかったからです(笑)。というのも一つの理由としてありつつ、6月14日に発売されるアルバム「Re:Volt」に収録される新曲を、いち早く聴いていただくならばライブしかないと思ったからです。

あとは前述の通り今年の裏テーマ「進化」もあったので、今まで知っていた曲ともまた違う新曲を聴いてもらい、各アーティストの「進化」そして「深化」を楽曲の面からも感じてほしいという狙いがありました。

新曲のライブ初披露ということで、アーティストそれぞれ苦労をかけた部分もあったかと思いますが、100%どころか、それ以上の結果で応えてくれたのには感謝しかありません。

「RIOT MUSIC」の原動力とは?

――あらためて「RIOT MUSIC」とはどういったバーチャルアーティストグループと言えるでしょうか?

武田:
歌というものに対して絶対的な技量と自信を持つアーティスト集団、音楽事務所であると考えています。それぞれが唯一無二の魅力を持ち、それがどのような環境でも発揮できるアーティストが集っています。

また、それを支えるスタッフ側も各分野において一線級の力量があることも強みです。

――長瀬有花さんや朝倉杏子さんなど、独自色のあるアーティストが所属しており、パフォーマンスや歌唱の方向性もそれぞれのアーティストごとに大きな違いがある印象です。所属しているバーチャルアーティストの選出やプロデュース方針についてお聞かせください。

武田:
先ほどの内容と重複しますが、アーティストとして唯一無二の魅力を持っていることを条件にしています。それはメンバーによって異なりますが、全員が必ず「これならアーティストとしてシンガーとして誰にも負けない」という人を惹きつけられる何かを持っています。

また、そうした条件にしているからこそ、それぞれのアーティストの特徴にあったプロデュースができるよう、レーベルを3つに分け、個別のチームを組成しています。事務所というと、画一的なプロデュース、マネジメントになりがちですが、レーベルごとに考えもやり方も意図的に変え、アーティスト1人ひとりごとに適した手段を取るようにしています。

――現在のVTuber文化の中で、特に音楽面での活動については非常に多くの事務所が積極的なアプローチを見せています。その中で「RIOT MUSIC」が、どういった方向性でユーザーへ音楽を届けようとしているのでしょうか? ユーザーのタッチポイントについての戦略をお聞かせください。

武田:
アーティストによるレベルの高い歌唱・ライブパフォーマンス、一流のチームによるプロデュース、確かな技術力を持つスタッフによる音楽、映像といった、プロによるクリエイティブを、レーベル/アーティストごとに異なる方法でお届けします。

それは、YouTubeであったり、ライブであったりというのはもちろんですが、例えばリアルな場所やプラットフォームからのアプローチであったり、アニメなどを始めとしたエンタメコンテンツとしてであったりなど、従来の手法に囚われない方法で、ユーザーの皆さんに楽しんでもらおうと考えています。

――「RIOT MUSIC」は現状のVTuber文化をどのように捉え、どういったかたちで進歩させていきたいとお考えでしょうか?

武田:
「VTuberというものにこだわったり、囚われたりしていない」というのが前提になっています。バーチャルとしての表現やコンテンツも、もちろんですし、リアル・3次元からのコンテンツというのも力を入れています。

また、それらの組み合わせというのも我々だからできることですし、特定のジャンルや世界に執着せず上手く組み合わせたり枠を超えたものを提供していきたいです。

――最後に今後の動きと目標についてお聞かせください。

武田:
既存のレーベルからさらに多くのアーティストたちがデビューすべく、着々と準備を進めています。また、今までに培った音楽技術、ライブ制作技術を全面的に活かした、完全新規のアイドルプロジェクトが進行中です。

既存のコンテンツのレベルアップはもちろん、それに加えてさらなる新しいコンテンツをユーザーの皆さんにお届けしていきたいと思います。

――ありがとうございました。


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