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VTuber 2019.07.13

樋口楓と鈴鹿詩子、ふたりの新たな可能性が開かれたVRライブ”ReStart Line”レポ

2019年6月29日、VRライブプラットフォーム「VARK」で「Kaede Higuchi VR Live “ReStart Line”」が開催されました。このイベントはにじさんじ所属の樋口楓さんがメインのライブで、ゲストに同僚鈴鹿詩子さんも登場。VR空間はもちろん、YouTubeとニコニコ生放送でもライブの模様が一部中継され、多くのファンたちが集合する大盛況のイベントとなりました。

今回は、ふたりのこれまでの活動を振り返りながら、当日の様子をレポートします。
 

詩子お姉さん自作の婚活ソング熱唱に、ファンは「結婚して」

 

開始まもなくステージに現れたのは、鈴鹿詩子さん(通称・詩子おねえさん)。彼女にとってVRライブは今回が初めて。これまで、BL(ボーイズラブ)を愛する“腐女子”のイメージが強く、「腐女子Vtuber詩子によるちょっぴりコアなBL用語講座☆」や「五七五オンラインで知らない人とBL俳句を作る」など、濃厚な動画の公開や配信を行ってきました。過激でありつつも趣味嗜好を赤裸々に語る放送スタイルに、尊敬の眼差しを向けているファンも少なくありません。

 

一方で、本職である“歌のお姉さん”としての活動も着実に重ねてきました。「乙女解剖歌ってみた」や「シャルル 歌ってみた。」などではクールな美声を披露。腐女子としての姿とは大きく違った一面を見せ、ファンはそのギャップに魅了されています。
 

そんな彼女は、6月28日に発表されたばかりの楽曲「Will you marry me?」を熱唱。実は歌詞も曲も詩子お姉さんが自作したもの。日頃ネタにしている婚活トークをイメージしたメッセージソングでした。
 
「性癖変だし 根っから腐ってるし 本当に私でいいの? こんな私を愛してくれるなら 一生幸せにするから」
 
歌唱中、詩子お姉さんがVR会場の客席まで降り、こちらに向かって微笑む場面もあって、会場は大興奮。まるでファンとの結婚を約束するかのような内容に「感動した」「結婚して」といったコメントが多数寄せられる展開に。歌唱後のMCでは「まさか、こんなかたちでお披露目できるとは思っておらず……感謝しかないですね」と語りました。
 
続く曲も自作のイメージソングで、タイトルは「Thank you Babys(仮)」。日頃からファンのことを「うたっこ」と呼んで、我が子のようにかわいがっている彼女の思いが込められた一曲です。
 
「バーチャルな世界から今日も君に沢山の愛を返すよ 君の知らない世界を私が教えてあげる」
 
ステップを踏みながら、高らかに歌い上げる詩子お姉さんの姿に「本物のアイドルに見えてきた」「ママ…」といったファンの感想が飛び交い、色鮮やかなサイリウムが振られていました。
 
「バーチャルライバーになってやりたかったことのひとつが、自分で曲をつくって皆さんに聴いていただくこと。今回でそれが叶ったので、今は夢のような気持ちです。それも応援してくれた“うたっこ”たちのおかげなので……本当にありがとうございます」と、詩子お姉さんは会場を見回しながらコメント。盛大な拍手に包まれながら、第一幕が終了しました。
 

「KANA-DERO」からのReStart! 樋口楓さん初のオリジナル作詞楽曲を披露

第二幕は樋口楓さんの「響鳴」からスタート。 腕を振り上げながらパワフルに歌う姿に、会場はたちまちハイテンション状態に!「行くよ!」「声響かせていきましょう!」と曲の合間にファンに呼びかける姿には、ボーカリストとしての風格が漂っていました。

樋口さんメインのライブは、2019年1月12日、Zepp Osaka Baysideで行われた「KANA-DERO」以来2回目。前回のライブは2,000人超を動員した大規模なもので、ファンの間で伝説と呼ばれる高い完成度を誇っています。(当時のレポートはこちらで読めます。)そのため、今度のライブではどのような姿を見せてくれるのかに注目が集まっていました。

2曲目は、彼女が今の自分がいるのはこの曲があったおかげと話す「楓色の日々、染まる季節」。暮れなずむ茜色の街の景色をバックにしっとりと歌う姿に、多くの視聴者が心奪われていた模様。曲の最後には会場にバーチャルなカエデが降り注ぎ、ニコニコ生放送のコメント欄でもカエデの葉の絵文字コメントが大量に投稿されました。

「青空からだんだん暗くなって、最後に楓色になる演出に、『すごいなVARK!』ってなりましたね!VRならではの演出で本当によかったです」と、休憩中に樋口さんがコメント。前回のライブとはまた違った雰囲気のライブになったことを喜んでいた様子。

続いての「Brand-New LIVE」でも、樋口さんが壇上から降りて、最前列にいるファンに向けてマイクを向けたかと思うと、こちらに向かって思い切りキックするシーンがあり、VRヘッドセットを装着していた視聴者たちを驚かせました。

そして最後の曲は初公開となる「ReStart Line」。この曲で初めて作詞に挑戦し、間奏に英語のラップを取り入れたとのこと。「(タイトルをReStartとした意図は )別にここが再出発とか再始動ってわけじゃないけど、成長してきた私を見てほしいって気持ちがあって、ライブのタイトルにもさせていただきました。(英語の歌詞は)翻訳機にかけて再翻訳して、英語の詳しい方に聞きながら綴りました」と、照れ笑いしながら話しました。



「Days,commonplaces in your life,YES! ephemeral fade away. But? Goodby’s the lonely place. Now! Follow new Signpost!(キミが当たり前のように過ごしているこの日常…だけど? そんなさみしい場所には、サヨナラするよ。今からは! 新たな道標へ進もう!)」
「ReStart Line またここから 走り出せるよ 奏でろStory 描く未来 月が照らした道 今その向こうへ さぁ I’m living “Maple Days”」

その歌詞からは、樋口さんの前に進み続けようとする意思が伝わり、ラストの熱烈な歌唱スタイルからは「今後の活躍も見逃すな!」という強いメッセージを発しているようでした。

振り返ると、鈴鹿詩子さんと樋口楓さんは、どちらもにじさんじ初期から次々と新しい試みに挑戦し、活躍の幅を広げてきた存在でした。彼女たちが次のステージで、どのようにこちらの予想を裏切ってくれるのか、今後への期待を高めてくれるライブでした。


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