Metaが世界最大手の眼鏡メーカーEssilorLuxottica(エシロールルックスオティカ)と展開するスマートグラス「Ray-Ban Meta」が好調だ。2023年10月に発売して以来、北米では想定以上の売れ行きと話題になっていたが、北米以外でも売れているとのこと。
「Ray-Ban Meta」が展開されている国では、サングラスでおなじみのRay-Banの店舗で普通のサングラスと同じように売られている。しかし、残念ながら日本では未発売。
なぜ、そこまで売れているのか? 使ってみればすぐに納得なのだが、日本では「Ray-Ban Meta」は、取得を義務付けられている、いわゆる技適(※)を現状未取得。国内での日常的な使用が難しいこともあり、個人輸入した人のレビューなども表には出てこない。
今回は筆者が渡米時に購入、その後何度か渡米する度に使用して体験した内容を元に解説していきたい。
※技適の取得:電波法で設けられている技術基準適合証明の略称。日本国内で無線機能を搭載した機器を使用する際は、原則として電波法に基づいたに申請を行い、この技適を取得する必要がある。2020年に特例制度が設けられ、研究開発等の目的で一時的に利用することが可能になった。
そもそもRay-Ban Metaとは?
まず、Ray-Ban Metaというデバイスについて説明しよう。スマートグラスともメガネ型デバイスとも表現できると思うが、いずれにせよ形状は眼鏡型のデバイスだ。マイクとスピーカー、カメラを内蔵している。バッテリーやプロセッサも搭載しているため、それだけで完結する。
スマートフォンと「Meta View」アプリ経由でペアリングすることで、インターネットへアクセスし、(FacebookとInstagram限定ではあるが)ライブ配信やAI連携などの機能も使える。注意しなければいけないのは、これは「ARグラス」でなければ、「グラス型ディスプレイ」でもないこと。目の前に情報や画面を表示する機能は搭載されていない。
代わりに、簡単なボタン操作や音声操作で写真・動画が撮れたり、SpotifyやiTunes Musicなどで音楽を聴いたり、「Meta AI」に話しかけて生成AIとの会話を楽しんだり、見ているものの検索、QRコードの読み取りなど、各種機能を使うことができる。
形状はややフレームの太めのサングラスだが、一見通常のサングラスとの違いはない。重さはなんと50g前後(レンズにより変動)だ。
(Meta Viewアプリ。2023年発売当初は米国のアプリストアにしか並んでいなかったが、記事執筆時点では日本国内のアプリストアでもダウンロードは可能)
Ray-Ban印のおしゃれな革ケースは充電ケースを兼ねており、Ray-Ban Metaを入れると充電が始まる。充電ケース自体はUSB Type-Cケーブルで接続。満充電数回分のバッテリーになるが、大した重さではなく、もしかしたら通常の眼鏡ケースのほうが重い場合もある。なお、接触する端子はマグネットでフィットするようになっているが、眼鏡の特性上、レンズなどが当たらないやや浮いた状態で固定することになる。やや不安定で、長期間使用すると接触不良にはなりやすいかもしれない。
(Meta Connect 2024で発表された7,500台限定のRay-Ban Metaスケルトンモデル、従来は茶色革のケースだが、黒色)
価格は299ドルから。フレームの形状とレンズの組み合わせで、モデルによっては379ドルなど値が張るものもある……が、個数限定のモデルを除いたらいずれも400ドル未満だ。
(Wayfarer、Skyler、Headliner、3つの形状がラインナップ)
なお、2023年10月の発売当初は2種類の形状でカラーバリエーションを入れると全10モデルだったフレームも徐々に拡充。記事執筆時点では限定モデルを除くと、全部で22モデルがラインナップされている。形状もWayfarerとHeadlinerしかなかったが、Skylerが加わり3種類に。鼻の低い人向けの「Low Bridge Fit」もあり、本家サングラスばりのラインナップになってきている。
さらに、フレームごとにRay-Ban公式サイトではレンズの組み合わせも増えている。サイズも「Standard」、「Large」の2種類が用意されているものも。
そもそもサングラスをどう使うか?
ところで、この「Ray-Ban Meta」だが、1日中かける生活を何日か送ってみて筆者は“ハマった”。非常に便利なので、かけていない生活が不便に感じるくらいだった。難点はあるものの、日常における様々な所作が変わることを実感できる革新的なデバイスだ。
確かに大ヒットするのも納得だと思ってしまったのだが、その魅力を説明する前に、筆者のRay-Ban Metaの使用状況を詳しく書いておこう。それが前提になるからだ。
まず、筆者は小学校中学年以来、かなりの近視であり乱視でもある。以降、一貫してメガネをかけてきた。何度かコンタクトレンズにトライしたことはあるが、なかなか合わずメガネ生活をかれこれ30年ほど続けている。サングラスはあまりかけてこなかったが、近年は直射日光対策でかけることもある。
そんな筆者は、Ray-Ban Metaのようなメガネ型のデバイスが登場すると、必ず視力矯正対策をしなければ使い物にならない。購入時にRay-Ban公式のレンズを入れることもできるが、店頭ではレンズ在庫がないことも多く、購入時の米国滞在中は純正レンズのまま。帰国後に国内でレンズを交換した。
レンズには規格がある。また、Ray-Ban Metaはバッテリー等を内蔵したスマートグラスなこともあり、交換をしてくれない店舗もあるが、家の側の街の眼鏡屋で幸運にも交換可能とのこと。Ray-Ban純正レンズが高いこともあり、レンズ専用メーカーのものなど複数の種類を紹介された。その中から選んだのは昨年発売されたばかりのHOYAのレンズだ。1週間ほどでレンズの取り寄せと加工。無事に手元にレンズ交換をしたRay-Ban Metaが来た。
レンズを選ぶ際に一つポイントがあった。それは調光レンズにする、ということ。調光レンズとは、普段は透明もしくは(ほぼ透明なものもある)なのだが、太陽光など屋外で利用した際に色がつき、遮光されるようになるレンズのことだ。紫外線に反応するものと可視光線にも反応するもの(紫外線をカットする自動車の車内で反応する)など細かな違いはあるが、要は屋内では普通のメガネ、屋外ではサングラスとして使える一つで二役のレンズだ。
Ray-Ban Meta自体、最初から調光レンズがついているものと、そうでないものがある。やや高額なモデルになるとついているのである種のオプション扱いだが、筆者はRay-Ban Metaを使う上ではマストではないかと思っているぐらい心地よい。その理由は後ほど。
Ray-Ban Metaにハマる要素
では本題に入ろう。
なぜRay-Ban Metaにハマったのか。
“ハマった”とは「つけている間が便利なので、はずしたくない」ことだ。課題こそあれ、これまでにない新しい体験ができるデバイスである。Ray-Ban Metaというデバイスは、これまでスマートフォンなどの各種デバイスでできたことを、実用的なレベルに置き換えている、つまり“再発明”していると考えることができるからだ。まとめると、下記のような項目になる。
・カメラの再発明
・ヘッドホンとマイクの再発明
・AIとのインターフェースの発明(まだ可能性)
・メガネの再発明
カメラの再発明
これまで写真や動画を撮るには「カメラを構える」という行為が必要だった。
フィルムカメラがデジタルになっても、スマートフォンになってもこの行為は変わらない。アクションカムや360度カメラ、ライフログ用のカメラなど「ずっと撮影しておく」「全部撮影しておく」一部のカメラは違うかも知れないが、いずれにせよ、あとから編集や切り出しなどを行うことになる。
著者がRay-Ban Metaで最も感動したのは「カメラを構える」という行為がなくなったことだ。ポケットからスマホを出してカメラを起動して構えて撮る。「撮りたい」と思ってから実際に撮るまでにどうしても時間がかかる。Ray-Ban Metaではツルについている小さなボタンを押すことで写真も動画も撮ることができる。これまで筆者が体験した中で最も「撮りたいと思ってから実際に撮る」までの時間が短い体験だ。撮りたいと思ったその瞬間に撮れるのだ。ボタンを押すほうが速いのでボタンを押しがちだが、音声指示で撮ることもできるので両手が塞がっている状況でも撮れる。筆者は現在3歳と1歳の育児中だが、子どもを撮りたい瞬間にハンズフリーで記録できるのは非常にありがたいだろう。
(サンフランシスコを走る無人自動運転タクシーWaymoに乗ったときのもの)
画質も非常に重要だ。このカメラの機能自体は前モデル「Ray-Ban Stories」でも搭載されていたが、写真や動画の解像度が低かった。Ray-Ban Metaで搭載されているカメラは約12MP。写真の解像度は3024 × 4032、動画の解像度は1424 × 1904でほぼフルHD相当で撮影できる。最新のスマートフォンほどではないが、通常の画質であり、SNSでの投稿にも耐えうる。実用的な品質で実用的なインターフェースに仕上がっているというわけだ。
カメラに関して、特に気になる点があるとしたら、良くも悪くも撮れる画は「自分の目線」ということだろうか。その時々の自分目線での思い出を記録できる。逆に色々なアングルから撮ることはできないので、その場合にはカメラの出番だ。しかし、目の前で起きていることをその瞬間撮れるという意味では非常に使いやすい。
イヤホンとマイクの再発明
音声周りの機能も便利だ。Ray-Ban Metaはツルの部分にスピーカーを内蔵しており、オープンイヤーのイヤホンとして使うことができる。あまりに開放型なので、音漏れが気になるところだが、意外と音漏れは小さい。一方、聞こえ方は空間オーディオや周辺の環境音に合わせて音量を調整するアダプティブ・ボリューム・コントロールもあり、良好。トラックなどが激しく行き来する幹線道路沿いでは聞こえづらいが、屋外でも問題なく使える。
マイクは5基搭載。通話をしなければいけないときも、相手からのコール音がきこえたら、側面のタッチパッドをタップ。そのまま通話できる。声が掻き消えることもなく、相手にもしっかりとノイズをカットした音質で話せる。
音楽をきくとき、電話に出るとき、イヤホンマイクを装着することも多いのではないかと思う。電話の場合は、スマートフォンを耳元に近づけることもあるかもしれない。Ray-Ban Metaを装着していると、そのイヤホンマイクを取り出したり、スマートフォンを持ち続ける行為から開放される。なにせ、今かけているメガネで電話が済んでしまうのだ。
「音質にこだわるからお気に入りのイヤホンを使いたい」「なにかに集中したいのでノイズキャンセリングがほしい」など、音へのこだわりに対してはカメラと同様、その他のデバイスを使うことになるが、そういったこだわりを求めない日常的なシーンでは、そのままで音声周りが解決してしまうのは嬉しいところだ。近年はワイヤレスイヤホンも増えているが、1つ1つが小さいので、紛失も増えている。管理の煩わしさが減るのもポイントかもしれない。
AIとのインターフェースの発明
Metaは、Ray-Ban Metaと生成AI「Meta AI」の統合を急いでいる。確かに日常的にかけているデバイスで、とっさに音声でMeta AIとやりとりをできるのは興味深い。一方、まだできることに限りがあるため有用な場面は限られており、他の機能に比べると、これから実用的になっていく可能性がありそうというのが正直な感想だ。
たとえば、目の前にある情報の提示だ。知らない言語の文字を翻訳して読んでくれたり、建物や店舗の情報を教えてくれたりと、普段スマートフォンで実行していたことがハンズフリーで簡単にできてしまう。対応する指示もやや高度になってきている。2024年9月末のMeta Connectで予告された、QRコードを見るとスマホで即起動してくれる機能や、視界に映るモノから情報を読み取ってメモしてくれるリマインド機能などは今後実装予定だが、先行して体験したところ非常に便利だ。巨大な駐車場で車を止めた場所を見ながら「数字を覚えておいて」と指示することができる、など具体的なユースケースを想定するとちょっとした活用ができるポイントは多そうだ。一つ一つの機能は小粒かもしれないが、常に装着してるメガネでできると考えたら有用になる。
そして、自動通訳機能も搭載される。言語の異なる者同士がRay-Ban Metaを装着していれば逐語ではあるが、コミュニケーションを取りやすくなるというのは画期的だ。
Ray-Ban MetaとMeta AIの連動は可能性に満ちている。そして、現時点で体験できるものだけでも、AIとコミュニケーションをとるインターフェースとしてウェアラブルのメガネ型デバイスは1つの方向性であることを強く感じさせられる。
2024年11月時点では、AppleやGoogle、Samsungなどスマートフォンメーカー各社はスマートフォンへのAIの統合に躍起だ。もちろんスマホにおけるAIの活用は革新的な便利さもあるだろうが、そもそもインターフェースとしてスマホでできることが増えたり、速くなるに過ぎない。日常的にかけているメガネでスマートフォンを取り出さずにAIが色々なことをしてくれるというのは明らかにスマートフォンの次のフェーズとも言える。
可能性を感じる一方、Ray-Ban MetaとAIの統合については特に言語の面では時間がかかりそうだ。記事執筆時点ではまだ、英語にのみ対応しており、使用できるのも限られた国のみとなっている。それでもMeta AIが展開されていない国でもRay-Ban Metaは売れているとのことなので、その将来的な実装を待ちながらもすでに既存の機能だけで魅力的ということなのだろう。
メガネの再発明
3点目として、眼鏡の再発明という話をしたい。
Ray-Ban Metaはなんらかのデバイスである以前にメガネだ。筆者もかけながら人と話していて相手がスマートグラスであることに気づかないことが常で、スマートグラスなことを伝えると驚かれる。それぐらい普通のメガネやサングラスと変わらないデザインであるということは、Ray-Ban Metaの非常に大きな特徴であるように思える。
Ray-Banブランドを展開するエシロールルックスオティカは世界の眼鏡市場の実に8割ものシェアを誇っていると言われている。エシロールルックスオティカはメガネを作って売ることに特化した企業であり、Ray-Ban Metaにおいてもデザインに妥協が一切見られない。だからこそ、「かけている人も、外から見た人も気づかないくらいメガネなスマートグラス」を実現できたのだろう。エシロールルックスオティカは、Ray-BanブランドのMetaとの提携の期間を延長しつつも、いわゆる光学系を搭載したARグラスの開発には後ろ向きとの報道がある。ARグラスがRay-Ban Metaレベルの形状を実現するまでにはまだ長い時間がかかるからだろう。
Ray-Banの店舗では、普通のサングラスと全く同じように、自然にRay-Ban Metaの棚があり、販売されている。形状もRay-Banの定番であるWayfaererなど、“スマートグラスだから特別”という印象が全然ないのだ。価格すら299ドルからとRay-Banのサングラスの中では決して高すぎない価格帯であり、受け入れられる。
あくまでも「サングラスのラインナップの中に、内部に特別な機構が組み込まれたスマートグラスというジャンルがある」という扱いだ。これは使用するユーザー側の視点においては、「カメラにもなるし、イヤホン、マイクにもなる、機能がたくさん搭載されているサングラス」ということになる。日常的にサングラスをかける人たちにとっては、大きく魅力的な選択肢が出現したことになるわけだ。
そして、時を同じくして技術が成熟して市場投入されていた調光レンズの存在は非常に大きい。本来、サングラスは日光の眩しい場所などで使うものだ。サングラスをかけたまま薄暗い室内に入ってしまったら、さらに暗くなって見えるものも見えなくなってしまう。サングラスは「シーンでつけたりはずしたりする」ものだ。筆者のような矯正視力の人は、眼鏡ケースも合わせて持ち歩き、眼鏡とかけかえなければならない。非矯正視力ではない人もはずしてなにかに仕舞う必要がある。
(Ray-Banでは「Transitions」というプロダクト名で展開している調光レンズ)
日光のない場所では透明なレンズになる調光レンズは「サングラスを1日中つけていられる」という新しいかけ方に繋がるものだ。1日中と言わず、これまでよりも長い時間かけていられるようになる。
そこに多機能なRay-Ban Metaが登場した。スマートグラスも1つで色々なことができるので「ずっとかけていると便利」というニーズが生まれる。「はずさなくていい」調光レンズとの相性は抜群だ。
筆者は、調光レンズつきのスマートグラスはサングラス、そしてメガネのあり方を変えると言っても過言ではないと思っている。
実用性と課題の狭間で
ここまでひたすら言葉を尽くしながら、Ray-Ban Metaの魅力を書いてきたが、まだまだ課題は多い。
まずバッテリー。多機能で便利だからこそ、色々なことに使ってしまう。写真だけ録っている場合は、朝から晩まで使えることもあるが、バッテリーの容量は小さく、3〜4時間でバッテリーがなくなってしまうこともある。動画の撮影と、スマートフォンへの無線接続、特にデータ転送をした場合は消耗が激しい。充電ケースに戻したあとの満充電までの時間はかなり速いが、その間は使えないので元々の良さである「はずさなくていい」コンセプトを損なってしまう。
そしてフィッティング。Ray-ban Metaは、欧米中心のデザインであるがゆえに、ノーズパッドが浅い「High Bridge」と呼ばれるデザインのものが多い。一部「Low Bridge」(アジアンフィットとも呼ばれる)と呼ばれる鼻の低いアジア人向けのものもあるが、現行のラインナップではまだほとんどない。日本人がデザインとフィット感の両立をしようとすると、選択肢が極端に少なくなるのが現実だ。
デザインのバリエーションも気になるところだ。ファッションアイテムでもある眼鏡には非常に多くのデザインがあり、千差万別。どうしても色やフレームの形にバリエーションを求めてしまうのは必然だ。かける時間が伸びるのであればなおさら外見は重要になる。筆者は普段、フレームがチタン製で非常に細い眼鏡を愛用している。この普段の眼鏡でRay-Ban Metaの機能が使えるようになったら……と思ってしまうが、この細いフレームの中にカメラ、バッテリーやプロセッサを内蔵することは流石に考えづらい。
(筆者が普段かけているJINSの「JINS CLASSIC All Titanium」)
もう一つが「髪型や帽子の有無を選ぶ」という点。カメラを搭載しているがゆえに、カメラに髪の毛などがかかってしまうのはNGだ。撮影後に「カメラが髪型で遮られています」などの注意を受けるし、撮ったものを見ても髪の毛がばっちり写り込んでしまっている。なので、長めの前髪や帽子などは天敵となる。ひいてはファッションの自由度を犠牲にしなければいけない時がある。
デザインのバリエーションやファッションとの自由度は求めたい一方で、利便性が勝るがゆえに、「スマートグラスの場合はこういうデザインなものである」と使う人間側がある程度割り切って使うようになるかもしれない。
そして今後も技術の進化によって小型・軽量化が進むのであれば、細い金属製フレームはさておき、デザインのバリエーションはさらに増えていき一つのファッションシーンとなってしまうかもしれない。
ここまで、Ray-Ban Metaを使ってみて筆者自身の感じた魅力と課題を書いてきた。
北米を初めとして、売れゆきが非常に良いのは、これまで限られたユーザーしか買うことのなかったスマートグラスが、社会的に受容され始めていることを意味する。XRにおいては、空間コンピューティングという新しいユーザーインターフェースが注目のキーワードとしてあげられるが、デバイスとしてはARグラスという究極的なゴールがある一方で、まずはサングラスの延長としてスマートグラスを使い、眼鏡型のコンピューターインターフェースに慣れ親しむ段階だ。これもまた1つの空間コンピューティング時代のスタートを示しているのかもしれない。
何より、日本での一刻も早い発売を願うばかりだ。