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PlayStation VR 2020.11.22

PS5対応アプデでPSVRのゲームが変わる?対応タイトルの詳細仕様が判明

先日、PlayStation 5(PS5)向けのアップデートが発表・実施されたPlayStation VR(PSVR)専用シューティングアクションゲーム「ライアン・マークス リベンジミッション(原題:Blood & Truth)」。開発を手掛けたSIE ロンドンスタジオは、その技術的な仕様などに回答したQ&Aを公式ブログ(NEWS FEED)に掲載しました。

インタビュー形式で詳細を明かしたのはテクニカルディレクターのブルーノ・リベイロ氏。解像度向上、テクスチャ改善の具体的な仕組み、PlayStation 4(PS4 Pro)でプレイした際の違いと言った5つの質問に答えています。

以下は、回答の引用(抄訳)です。

Q:これは「ライアン・マークス」の新バージョン、それとも強化版なのでしょうか?

PS5向けにアップデートされた「ライアン・マークス」は強化版で、PS5向けタイトルではありません。このアップデートはPS5で遊んだ時限定で動作します。PlayStation 4(PS4)とPS4 Proでは違いを確かめられません。

Q:ゲーム解像度が高くなっている詳細について。また、PS4 Proでプレイした時との違いは?

「ライアン・マークス」は全てのプラットフォーム(※1)で動的解像度を採用しています。ゲーム側の動作に応じて内部解像度を調整することによって、常時安定したフレームレートを実現しています。

解像度はPS4 Proで最高1440p(2560×1440)まで対応しています。PS5では最高4K(3840×2160)まで対応することができました。PSVRのディスプレイは1080p(1920×1080)ですが、結果的には高品質なグラフィックの実現させています。

※1 編集注:全てのハードウェアを指していると考えられます。

Q:フレームレートに関して。PS4とPS5での動作の違いとは?

PS4版の「ライアン・マークス」は毎秒60フレームで動作し、リプロジェクション(※2)を使って120Hzで出力していました。PS5では毎秒90フレームで動作し、出力も90hzです。全体的な反応がよくなり、動きの激しい場面においても画質が向上しています。

※2 編集注:リプロジェクションとは、PSVRのVRゲームを高フレームレートで体験するために、本来60fpsでレンダリングされた映像をPSVR向けに補完し、120Hzで駆動させる技術。

Q:最高レベルのアセットとは、具体的にはどのようなものなのでしょうか?
PS4版では距離やカットシーンごとの複雑さに応じ、キャラクターのモデル、背景などのアセット類、色合いや質感と言ったテクスチャの詳細出力度合いを制御する仕様としています。PS5では、どの条件下でも最高レベルに設定できます。

Q:テクスチャのディティール改善について教えてください。また、PS5でプレイする際に注目して欲しい点は?
テクスチャとは、モデルの質感や色、光沢などを表現するために用いる画像のことを指します。これらのテクスチャがモデルの表面へ適用されることで「テクスチャフィルタリング」と呼ばれる処理が実施され、選択された品質の程度に応じて、オブジェクトが一定の距離、角度にある場合、可視の詳細レベルを減少させることができます。PS5ではこれを微調整し、ゲーム全体でより高品質な設定で強制的に出力しています。

また、PS5内臓のSSDの高速処理により、テクスチャの読み込み速度も格段に向上していますので、どの階層で動き回っても最高解像度の維持が可能となり、ゲーム内の世界を生き生きとしたものにしています。

執筆時点でPS5向けのアップデートが実施されたのは「ライアン・マークス」以外では、VRFPSの「Firewall Zero Hour」の計2タイトルのみとなっています。

このような実現の背景が明らかになったことで、対応化を図るタイトルが続出するのか、今後の展開が期待されます。

(参考)PlayStation London Studios(NEWS FEED)


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