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ゲーム・アプリ 2020.11.22

「ポピュレーション: ワン」はVR版「フォートナイト」になれるのか?

「フォートナイト」や「APEX」「PUBG」など、今や不動の人気を確立したバトルロイヤル系FPS。その血湧き肉躍る戦闘をVR世界で体験できる作品がリリースされました。

その名は「ポピュレーション: ワン」。Oculus Quest(オキュラス クエスト)系ヘッドセット(Quest2を含む)でプレイできます。

本記事では、発売前から期待と注目を集めていた本作が、果たしてどのような出来栄えとなっているのか、レビューしていきます。

最大18人でプレイできるクロスプラットフォーム対応作品

「ポピュレーション: ワン」は、BigBox VR, Inc.が開発した作品で、Oculus Rift向けストアやSteamで配信中です。

プレイ人数は最大18人。クロスプラットフォーム対応なので、異なるバージョン同士でも一緒に遊べます。Oculus Storeの説明は日本語ですが、ゲーム本体は日本語化されていないので注意が必要です。

空を舞い、銃を撃ち、バナナを食べる

本作は(ほぼ)マルチプレイヤー専用で、ソロプレイ用のストーリーはありません。ゲームを起動後、初期設定を終えると、そのままチュートリアルがスタート。

このゲームでは基本的な銃撃テクニックの他に、敵の攻撃から防御するための“壁”を作ったり、建物をよじ登ったり、高所から飛んで空中を滑空したり、栄養補給にバナナを食べたりといった要素があります。チュートリアルではそれぞれの動きを簡単にレクチャーしてくれます。

サクッとした練習後は、いきなり実戦。「習うより慣れよ」のストロングスタイル方式で、オンライン対戦の荒波に飛び込むことになります。

一応、BOT相手のオフラインモードはありますが、動きはお世辞にもよろしくなく、マップ確認以上の役には立たないと感じました。


(チュートリアルの一幕。バナナは回復アイテム)

複数言語の飛び交うカオスすぎるマッチング

記事執筆時点(2020年11月)ではオンライン対戦で遊べるゲームモードはひとつのみ。3人1組でチームを組んでバトル。最後の生き残り(あるいはチーム)が決まるまで戦います。

マッチング待ちはほとんどなし。リリースから約1か月後のレビューなので、少し不安だったのですが杞憂でした。


(待機中の様子。待っている間は、プレイヤーたちと暇つぶしできます)

ただ、マッチング速度を優先する反面、リージョン分けは重視されていない模様。英語が“充満”する部屋はまだ良い方で、時には、日本人、アメリカ人、中国人、フランス人+αが集合。ボイスチャットが完全なカオス状態になってしまうことも。

聞きたくない場合ボイスは切れるのですが、チーム戦が基本ということもあり、ソロプレイに徹したい人には、やや厳しい環境かもしれません。


(移動中は視点が狭まり、VR酔いを軽減してくれる仕組み)

ゲーム自体は王道のバトロワ作品

待機時間がゼロになると試合スタート。空中足場から、1人乗りの乗り物に搭乗したり、スカイダイビングしたりして、ステージに降下します。

チームが分散しないように、“ピン”機能を使って、あらかじめ降下希望位置をマーク(アピール)するか、仲間の動きに追従するのが無難です。

ゲーム展開は、バトロワ系FPSのセオリー通りといった感じです。武器を集めながら収縮していくマップを移動し、敵を見つけ次第、撃ちまくって倒していきます。

銃の種類はハンドガンやサブマシンガン、アサルトライフルなど、一通りのタイプがあります。両手持ちしたほうが命中率は上がりますが、反面よじ登りなどの動作を行えないというバランス取りがされています。近接装備はありません。


(この乗り物に入ると、遠くまで射出。降りるときはT字のポーズで滑空できます)

遊び始めたときは、いきなり実戦で面食らったのですが、やっていけば慣れてきます。数戦遊んだ後には、チームをサポートしつつ、結構生き残れるようになりました。

VRのおかげで敵を“狙ってる”感覚も強く、キルの快感はかなりのもの。頑張っていると、たまに褒めてくれる人がいるのも嬉しいところ(英語以外はニュアンス程度しか分からないのが悲しいですが…)。


(銃は覗き込むと精密射撃可能。“腰だめ”状態では画面にレティクルが表示されるシステム)

壁のよじ登りアクションは正直しんどい…

ただ本作の押しポイントである、高いところからの滑空と建物のよじ登りは、難アリな印象です。

これらの動作、楽しく気持ちいいのですが、実際に身体を動かす必要があるので、正直かなり疲れます。少なくとも試合中は休んでるヒマがないので、長時間遊ぶと、結構しんどくなってきます。

特によじ登りは、実際にクライミング動作を要求されるので、身体への負担大。非VRゲームのように、1ボタンで動作を切り替えできるオプションがあれば、より良かったです。


(死亡の瞬間。仲間が電気ショックを使ってくれると復活することができます)

総評:遊んで損はなし! 長く愛される作品の予感あり!

細部のシステムが練りきれていない印象は受けましたが、全体的には「ポピュレーション: ワン」は遊んでいて楽しいバトロワFPSです。筆者はこれが初“VRバトロワ”だったのですが、中々に新鮮味もあり楽しめました。

その一方で、現時点ではマップやルールがひとつしかなく、やや“限界”が見えるのも事実。飽きを防ぐためにも、早めに追加アップデートを配信してほしいところ。

多くのVRヘッドセットが対応している(=人口多め)こともあり、上手く更新を続けていけば、非VRゲームの「フォートナイト」や「APEX」のように長く愛される作品になるのではないでしょうか。

ちなみに本作には、プレイヤーレベルもあります。上昇するとキャラクターや武器スキンがアンロックされていきます。課金によるスキンの購入なども可能です。

Oculus Quest版「ポピュレーション: ワン」は税込2,990円で販売中。バトロワ系に慣れている人はもちろん、「Quest 2」を買ったものの、遊ぶ作品を悩んでいるという人は、是非ダウンロードしてみてください。

タイトル

ポピュレーション: ワン

開発元・パブリッシャー

BigBox VR, Inc.

対応VRヘッドセット

Oculus Quest(Quest 2)、Oculus Rift(Rift S)、HTC VIVE、VALVE INDEXなど

価格(税込)

2,990円(Quest版

公式サイト

http://www.populationonevr.com/

(執筆):井文


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