「VRChat」では、友人と遊べるゲームワールドから、ゆっくりするのに最適な風景系ワールドまで、様々なコンテンツが日夜公開されています。本連載では、膨大なワールドの中から、特に“映える”ワールドをピックアップしてお伝えします。
今回紹介するのは、「星の王子さま」から着想を得た、海辺と砂漠の幻想ワールド「砂と星の海 – Voyage of Imagination」です。
「砂と星の海 – Voyage of Imagination」は、クリエイターの肴+(さかなぷらす)さんが、7日間という期間内に「VRChat」ワールドを作るイベント「7DaysWorldWorks」向けに制作したワールド。イベント用として完成したあと、正式公開版としてブラッシュアップされたという経緯があります。
本ワールドは「星の王子さま」で知られる小説家のアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリに影響を受けたものとなっています。サン=テグジュペリは砂漠で遭難した経験のある人物ですが、肴+さんによると、その経験と彼が書いた作品から着想を得る形でワールドを構想したとのこと。
ワールドに入ってまず目に入るのが、美しい砂の大地と夕暮れに差し掛かった趣きの空。水面の反射は美しく、雲の盛り上がりは、まるで絵画のような趣き。この風景を眺めているだけでも、しばらく時間を費やせます。
またオシャレなのが、砂浜の軌跡に沿ってワールド名や使用したアセットなどのクレジットが書かれているという点。こういったクレジットは、掲示板的なパネルに書かれているワールドが多いですが、そこも肴+さんのセンスが現れている表現と言えるでしょう。
少し浜辺を進むと、浜辺にセスナ機が堕ちています。これはサン=テグジュペリがサハラ砂漠に不時着したときのエピソードから作られたのかもしれません。
また近くにある焚火に触れると、「星の王子さま」の引用が、バブルに包まれて出てくるというギミックもあります。このバブルはワールドギミックのフラグにもなっており、2つ目を起動すると、夕焼け寄りだった空模様が一変。満月の深夜へと移行します。
「星の王子さま」の引用ギミックは各所に点在しており、浜辺の次は壊れた建物の柱の近くで起動可能。3つ目は崩れた廃墟で、4つ目は、巨大動物の骨近くに置かれた焚火に設置されています。
また、このセクションで印象に残ったのが進む先を示す視線誘導の上手さ。砂漠という何もないフィールドながら、進行方向であるオブジェクト類が上手く視界に入るように設置されており、歩いていて迷うことがありません。
ワールドの“ゴール”は、地面の裂け目を降りた先にある湖。暗がりを進んでいくと、これまでの砂っぽい雰囲気とは違う、緑舞う砂漠のオアシスへと辿りつきます。小高い岩の上にある机には、ゴーグルや本、マグカップなどが置いてあり、かつて誰かがここにいた印象を受けます。もしかすると、サン=テグジュペリが滞在していたというイメージなのかもしれません。
「砂と星の海 – Voyage of Imagination」は、夕焼けと夜という、2つの時間帯で砂漠が見せる美しさを堪能できるワールドです。ちなみに湖の奥には星型のボタンが浮いており、これに触れるとリスポーン地点近くのビーチへと戻ることが可能。散策が終わったあとは、フレンドたちと浜辺でまったりするのも良さそうです。
おとぎ話のような「砂と星の海 – Voyage of Imagination」を旅してみませんか?
「砂と星の海 – Voyage of Imagination」へのアクセスはこちら(要PC)
執筆:井文














