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VR海中アドベンチャー『Operation Apex』を通して見る“海とエコシステム”

※本記事は、2017年12月11日にHTC社公式ブログに掲載されたMatthew Gepp氏の記事を翻訳したものです。

本日(※2017年12月11日)、VRゲーム『Operation Apex』がHTC VIVE用にリリースされました。 この地球で最大級の広さと多様性を誇る場所――海の中を、バーチャルリアリティで体験できる内容になっています。開発元CuriscopeのCEO、Ed Barton氏に詳しいお話を伺いました。


プラスチックのない世界を想像することは難しいものです。そういう時代もあったことを、知識としてだけ知っている人も多いでしょう。プラスチックが製品素材として主流になったのは、70年代にポリ袋が発明されたことがきっかけでした。それから50年足らずで、海には50兆個以上ものマイクロプラスチックが漂うようになりました。これは銀河中の星を集めて500倍した数にあたります。このペースだと2050年までには、海は魚より大量のプラスチックであふれかえることになるでしょう。

海は地球において陸よりはるかに大きな面積を占める場所ですが、ほとんどの人間にとって、海の中は今なお、まったく異質で恐ろしさすら感じる世界です。そこには今まで人類が目をとめたこともない生物種が、まだまだ無数に存在しています。しかし、人類が種として及ぼす影響は、この驚異の世界と相容れないものです。その影響は私たちの目に見えず、意識されないところで生じています。

ですから大きな問題なのですが、私たちは他とは少し異なる形で取り組みたいと考えました。バーチャルリアリティは臨場感がきわめて高いだけに、社会問題を取り上げたコンテンツを体験すると、意気消沈し打ちのめされた気分になりがちです。体験した人がその問題を関わることを避けようとする結果になりかねません。しかし、何かを学ぶのに、講義を受けているような気分になる必要はないはずです。

『Operation Apex』については、私たちはまず海の驚異を見せるところから始めたいと考えました。何かのついでではなく、それ自体完成した体験としてです。これは単なる啓発コンテンツではなく、繰り返し遊びたくなるゲームです。生き物とふれあい、各レベルに隠されたものを発見する、やりこみ要素も備えています。

では、どうやってそれを実現したかもお話ししましょう。開発プロジェクトはまず、Oceans Researchと密にコミュニケーションをとり、どのようなメッセージを伝えることが重要か、そして海をどのように表現するのが最善かを検討するところから始まりました。次に海の生物の食物連鎖や動き方についての研究論文を片っ端から読みあさり、できるだけリアリスティックに表現できるようにリサーチを行いました。特に、サメを生きているように動かすアルゴリズムについては調整に何か月もかけています。プレイヤーは実際にそのサメが生息する海にいるかのように、サメとふれあったり、餌を食べさせたり、追いかけたり、並んで泳いだりすることができます。

こうしたコードドリブンなアニメーションは、私たちがとりわけ熱心に取り組んだ部分です。Benと私が2016年初頭にCuriscopeを立ち上げたときに公開した「Great White Sharks 360」は、2,500万回以上も再生されました。ほとんどの人はこれがCGだと気づかず、実写だと思いこんだまま見たようです。当時はできるだけ多くの人々の目に触れて認知度を高めるための、いわば方便としてCGアニメを選んだわけですが、制作中も常に後々発展させていくための土台とすることを意識していました。

そして実際に発展させたものが『Operation Apex』、いわば精神的続編です。私たちの会社はCGIからリアルタイムのコードドリブンなアニメーションに移行しました。自由に探索できる世界を作り、そこに棲む生き物が体験者の存在に反応するようにしたかったからです。始めに思い描いたものより大がかりになってしまいましたが、まだまだやりたいことはたくさんあります。

VRという新しいメディアに取り組んでいて何より楽しいのは、世界を丸ごと作って、そこを探索し発見する体験も提供できるという点です。世界の中でいろいろな動物が生きて動き回っていて、自分の存在に反応してくれるというのは、VRならではの、他では味わえない感動があります。

『Operation Apex』では、食物連鎖がゲームの進行の大きな鍵を握る要素となります。ゲームを進め、食物連鎖のより上位の生物と関わっていくにつれて、さまざまな生物種について知識が深まるだけでなく、汚染物質やプラスチック、乱獲が生態系全体にどのような影響を及ぼしているかも見えてきます。ゲームプレイを面白くするために、「ルアー」と「ミミック」という要素を取り入れています。

この2つを組み合わせて使うことで、周囲の生き物をコントロールし、ふれあいを楽しめるしくみです。

ミミックとはゲーム内で遭遇した生物をスキャンすることで投影できるようになる、生物のホログラムです。ゲームを進めるにつれ、使えるミミックは増えていきます(ジンベエザメだって使えるようになります…興味深いことに)。ミミックを使ってそれを餌にする生物をおびきだす(ルアー)ことで、食物連鎖のより上位にいる生き物を見つけ出していくのです。

ですから『Operation Apex』は、エクスペリエンスと、ゲームと、ヴァーチャルな世界を全部合わせたようなものといえます。意図的に明確なエンディングは設けていません。ナラティブレベルではひとつの話の流れがありますが、そこから離れて周囲の探索を楽しむのも自由です。私たちは決まったレールの上を走らされるだけの体験が好きではありませんし、海を舞台にして何が一番楽しいかといえば、どちらに行くのも自由という点でしょう。海は作り込みがいのある環境ですし、今後の開発で発展させていける余地は残しておきたいですね。

プレイヤーの皆さんには、ゲーム内でタスクを達成していくだけでなく、同じぐらい時間をかけて海底探検も楽しんでほしいと思っています。私たちは多くの時間を費やして、深いクレバス、洞窟、トンネル、ゆるやかに揺れる海藻などを配置し、海自体がひとつの個性を持つように作り上げました。開発チームが地球上でとりわけ愛する場所、モントレーをそれとなくモデルにしています。各レベルのあちこちには、今後の拡張コンテンツを匂わせるようなものや、現実にも非常に見つけにくい珍しい生物などを隠してありますので、それを見つけていくのも面白いと思います。

どうぞ遊んでみて、感想を聞かせてください。私たちは小さな開発会社です。『Operation Apex』には2017年のあいだ、6人ほどのメンバーで取り組んできました。最初に開発した作品としても、VRを活かした学習ではこういうこともできるのではないかというアイデアの実現としても、満足のゆくものに仕上がったと思っています。『Operation Apex』を遊んでみてあなたの考え方がどう変わったか、海というこの地球で一番大切なエコシステムを守るために私たちみんなで何ができると思うかについても、皆さんの声を聞ければ幸いです。


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