Facebook傘下のOculusが、同社のPC向けハイエンドVRヘッドセットOculus Rift S(以下Rift S)用のソフトウェアアップデートをPTC(Public Test Channel)(※)上で配信しました。本アップデートには、Rift Sのトラッキング改善などが含まれています。
(※PTC:正式リリース前のアップデートなどが試験的に配信されるチャンネル。フィードバックの収集などが行われる)
2019年7月3日現在、本アップデートの正式な配信日は明らかになっていません。
死角問題が大幅に改善
Rift Sには、インサイドアウト形式(※)のトラッキングシステムが採用されています。このシステムは、外部センサーを必要としない反面、VRヘッドセットにハンドコントローラーが近づきすぎるなど、内蔵カメラの死角にトラッキング対象が入った場合、認識が上手くいかなくなるという問題を抱えていました。
(※インサイドアウト形式:デバイスに内蔵されたセンサー(Rift Sの場合は内蔵カメラ)を使用してトラッキングを行う仕組み)
今回のアップデートでは、この問題が大きく改善されます。新アップデートを実機レビューした米メディアUploadVRによると、ハンドコントローラーをRift Sに接触するほど近づけても、トラッキングに問題は生じなかったとのこと。
コントローラーのトラッキングも改善
Rift Sのトラッキングのもう1つの問題として、ハンドコントローラーを近づけた際、片方のコントローラーがもう1つのコントローラーの認識を妨げるというものがありました。UploadVRは、この現象も今回のアップデートで改善したと説明。死角問題ほどの劇的な違いはなかったものの、問題が減少したとしています。
自動で床認識
今回のアップデートによって、Rift Sのガーディアンシステムは、床の位置の認識を自動で行うようになります。現行バージョンでは、ガーディアンの設定を行う際、床の位置をコントローラーで触れることで認識させる必要がありますが、この手順が不必要となります。Oculusによると、手動での設定機能自体はオプションとして残され、エラーが出た場合の調整などに使用できるとのこと。
https://www.youtube.com/watch?v=c2U3-qdwTsQ
Oculus Quest向けにも配信予定
今回のアップデートに含まれるトラッキング関連の改善は、一体型VRヘッドセットOculus Quest(オキュラス クエスト)向けにも配信される予定となっています。この情報はOculusのAndy Melim氏が、自身のTwitter上で明らかにしました。2019年7月現在、Oculus Quest向けアップデートの配信日は、判明していません。
(参考)UploadVR