PC向けVRヘッドセットOculus Riftでは、「長期間使用すると、右側のヘッドホンから音が聞こえなくなる」という不具合が一部で発生しており、ユーザーの悩みのタネとなっています。Oculusの創業者の1人で2017年にFacebookを退職したパルマー・ラッキー氏は、これに対するリペアキットを独自に開発、無償配布を開始しました。
前年夏から行動開始
このトラブルは、長期間使用すると右側のヘッドホンから音が聞こえなくなるというものです。保証期間内であれば代替品と交換可能ですが、期間が切れたユーザーには、交換品を購入する、有償で修理を行う等の手段しかありません。また、交換品では解決しないケースもあります。
ラッキー氏はツイッター等で呼びかけを行い不具合品を回収、対策を講じるとしていました。
そして2月18日、自身のブログでリペアキット“RR1(Rift Repair One)”を無償配布することを発表しました。
特別な知識は不要のツール
その手法は、ケーブルを使って左右のオーディオを接続するというごくシンプルなもの。特別なツールやオーディオに関する知識も不要です。ラッキー氏によると、リペアキットは「他の多数の欠陥にも応用できる」ということです。
リペアキットが入手できるのは保証期間外のユーザーに限られます。Oculusサポートのチケットのコピー、及びメールアドレスを[email protected]宛に送付。リペアキットと説明書が送られるということです。
なおラッキー氏は、キット請求の前に接続部分をきれいにすることや、PCの音量設定を見直すことなどを勧めています。
ユーザーに日々楽しんでもらうのも目的
今回のリペアキット発表について、同氏は製品に携わった者としての使命感だけでなく、熱心なユーザーのためのエコシステムを維持する目的もあると述べています。
「ユーザーに定期的にVRを楽しんでもらうためには、サードパーティのヘッドホンやケーブルを使わなくても正しく動作する、高品質のオーディオが重要な要素になってきます。市場調査が明らかにしているように、どのヘッドセットでもオーディオ機能が内蔵されている理由がここにあります」と同氏はブログに記しました。
またキットは有償でなく無償配布です。これは、Oculus社に対してオーディオ不具合を正式に認め、対策を取るようにというメッセージを発信していると、受け取れるかもしれません。
PC向けヘッドセットOculus Riftについては、アップグレード版と思われるコードの発見や、VR製品部門のトップが改良を示唆するなど、動きが予想されています。
(参考)Road to VR
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