近年はカメラやマイクを内蔵したデバイスが多く見られるようになり、これらの機器によって記録された情報のプライバシーが問題として取りざたされることは少なくありません。
フェイスブックが5月に発売したOculus Quest (以下、Quest)とOculus Rift S (以下、Rift S)も、位置トラッキングのためにカメラを内蔵しています。これらのヘッドセットで捉えられた映像のプライバシー管理は十分なのでしょうか。
Oculusのプライバシーポリシーや利用規約には撮影した映像の取扱について明確な記述がありませんが、フェイスブックの関係者から現時点での管理方法がいくらか明らかにされています。
フェイスブックはパフォーマンスのみを収集
QuestとRift Sで捉えられた映像は、プレイエリアを設定するための3Dマップ情報に変換される仕組みとなっており、映像それ自体は一切保存を行っていないとのこと。また、これらの3Dマップ情報についても、Questは本体に、Rift Sは接続しているローカルのPCに保存するのみで、フェイスブックなどのサーバーへは送信されていない模様です。
一方、フェイスブックが現状でユーザから取得しているのは、ヘッドセット利用時のトラッキング性能の向上のためのパフォーマンス情報のみとのことです。
QuestとRift Sは、プレイエリアの設定のために、カメラで外の様子を見ることができるパススルー機能を備えています。
ヘッドセットで見えている状況を実況するためのミラーリングでは、このパススルーで見えている映像は中継されません。これもまた実況中にうっかり実況者の部屋の様子などが映らないように配慮されていると考えることもできます。
将来は方針が変更される可能性あり
ただし、これらは現時点における管理方法であり、将来には変更される可能性は無くはありません。
カメラ映像の取扱に関する最新情報は、My Privacy Center(Oculusアカウントによるログインが必要)に掲載されるとのこと。
(参考)Road to VR