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ゲーム・アプリ 2017.02.23

VR対応PCの性能の測定基準、「Mogura VR PCベンチ1.0」公開

Mogura VRでは各社のPCのレビューを行う際にさまざまなベンチマークソフト及びVRゲームを実際に動かして検証を行っています。これまではベンチマークテスト及び実際のVRソフトの動作をほぼ体感で行ってきましたが、より客観的な数値も交えるべく、改めてベンチマーク・レギュレーションを策定しました。

本記事ではそのベンチマーク設定を紹介していきます。

設定に関しては標準的なVR体験を想定した「通常設定」とグラフィックやエフェクトの面で最高設定でのプレイを想定した「ハイエンド設定」の2段階の設定を設け検証しています。ハイエンド設定では、より美しいグラフィックで体験できるため、通常設定で体験するよりも実在感が増します。

ゲームごとの細かい設定は各ゲームの項目をご覧下さい。FPSの計測にはFrapsを使用しています。シーンごとのFPSの増減に関しては、Frapsの録画機能はコンテンツの描画に影響を与える恐れがあるため使用せず、ビデオカメラで増減を確認しています。

OSやドライバー、各種PCパーツの個体差によりレギュレーションと同じ設定でゲームをプレイしても同様のスコアが出ない場合がありますが、ご了承下さい。

ベンチマークテスト

VR Mark

『VR Mark』は『3DMark』を開発しているFuturemark社製のVR用ベンチマークソフト。標準的なVR体験が可能かどうか計測する「Orange Room」とハイエンドなVR体験ができるかを計測する「Blue Room」の二種類があります。


「Orange Room」


「Blue Room」

「Orange Room」を通常設定で、「Blue Room」をハイエンド設定として検証をそれぞれ2回行い高い方のベンチマークスコアを記載します。

Steam Performance Test

続いては『SteamVR Performance Test』です。このソフトはSteam上で配信されているVRゲームがどの程度動くのかをテストすることができるというもの。無料で配信されています。

ベンチマークを2回行いスコアが高い方の結果を記載します。

ゲーム

Everest VR(Vive)


Unreal Engine4を採用した非常にリアルなグラフィックで登山の疑似体験ができるというコンテンツ。見た目の綺麗さや天候効果など細かい設定をすることができます。

[通常設定]


Multires: 1
Weather Effects: 0.5
SuperSampling: 160
LOD Distance: 3

[ハイエンド設定]


Multires: 0
Weather Effects: 1.0
SuperSampling: 200
LOD Distance: 1

通常設定とハイエンド設定の違いとしては山肌やキャラクターの輪郭がよりハッキリ見えるほか雪の粒が舞う天候効果が多く見えるようになります。

検証としては最初のステージである「Khumbu lcefall.」を最後までプレイし、平均フレームレートを計測して記載します。

VR Funhouse(Vive)

『NVIDIA VR Funhouse』はグラフィックボードのメーカーであるNVIDIA社が開発したサンドボックス型のVRコンテンツです。高性能の物理エンジンを使用しており、炎の燃え方やボールの弾み方などがリアルに表現されています。

[通常設定]


QUALITY SETTINGS: LOW(GTX1060を想定)

[ハイエンド設定]


QUALITY SETTINGS: HIGH(GTX1080 SLIを想定)

通常設定とハイエンド設定の差としては炎の表現がより現実に近くなったり液体の挙動が滑らかになるといった違いが上げられます。

検証は「Introduction」や「Clown Painter」等の全8つのミニゲームをそれぞれ1回ずつ行いフレームレートを計測して記載します。

Serious Sam(vive)


襲ってくるさまざまモンスターを銃で撃退するシューティングゲーム。プレイヤーの移動は無く、敵が来る方向も前方180度のみですが襲ってくるモンスターの数が非常に多く、油断していると直ぐにやられてしまう高難易度も特徴です。

[通常設定]


CPU SPEED: Medium
GPU SPEED: Medium
GPU MEMORY: Medium
LEVEL CACHING: Medium

[ハイエンド設定]


CPU SPEED: ULTRA
GPU SPEED: ULTRA
GPU MEMORY: ULTRA
LEVEL CACHING: ULTRA

通常設定とハイエンド設定ではステージ全体の質感が綺麗になったり木の揺れ方、
敵を倒した後の爆発具合が激しくなるといった差があります。

検証はEarthの一番最初のステージをプレイし、平均フレームレートを記録して記載します。

Arizona Sunshine(Oculus Rift)


数あるゾンビVRゲームの中でも頭一つ抜き出てた完成度を誇るシューティングゲーム。ゾンビもかなりグロテスクなため、撃つのをためらってしまいます。ゾンビを倒すための銃の弾丸も数が限られているため武器を失う怖さを味わいながら進まなければなりません。

[通常設定]


TEXTURES: MEDIUM
RENDER SCALE: 1.00
LOD QUALITY: 1.00

[ハイエンド設定]


TEXTURES: VERY HIGH
RENDER SCALE: 2.00
LOD QUALITY: 2.00

通常設定とハイエンド設定の差としては手やゾンビの質感がよりリアルになったりソンビを打った時の流血表現がより派手になるといった点があります。

検証は「BASE」ステージを最初の橋の手前までプレイし、平均フレームレートを計測して記載します。

The Climb(Oculus Rift)


広大な自然を背景に断崖絶壁を登るクライミングゲーム。Oculus Touchで岩を掴みながら登って行くのは非常に臨場感があります。腕を動かしながらプレイしていると肉体的な疲労も溜まっていくためクリアした時の達成感は格別です。

[通常設定]


RESOLUTION SCALE: 1.0x
SHADOW QUALITY: LOW
SSDO QUALITY: MEDIUM
ANTI-ALIASING: NOEMAL

[ハイエンド設定]


RESOLUTION SCALE: 2.0x
SHADOW QUALITY: HIGH
SSDO QUALITY: HIGH
ANTI-ALIASING: TEMPORAL
TEMPORAL–AA: SHAPPNESS: 最大

通常設定とハイエンド設定では山肌や草木の質感がよりリアルになり、ステージのオブジェクトやプレイヤーの手に対する影の表現がよりハッキリ出るようになるといった点が上げられます。

検証は「BAY」ステージを難易度「EASY」で4分間プレイし、平均フレームレートを計測して記載します。

The Unspoken(Oculus Rift)


ハンドジェスチャーを使って魔法を繰り出し敵プレイヤーと戦うVR対戦ゲーム。片手を前にを突き出したり両手を胸の前でクロスするといった動作で魔法を発動させます。攻撃魔法でけでなく指の動きで強力なモンスターを召喚することもできます。

[通常設定]


通常
VIDEO SETTINGS: LOW

[ハイエンド設定]


VIDEO SETTINGS: ULTRA

通常設定とハイエンド設定では背景の建物などの輪郭がハッキリするほか、魔法のエフェクトがより派手になるといった差があります。

検証はチュートリアルでバトルステージに移動してから一度目の対戦が終わるまでの間でフレームレートの計測を行い平均フレームレートを記載します。

今後、Mogura VRではこのベンチマーク・レギュレーションに則ったPCレビューを行います。また、新たなソフト等がリリースされた場合、より適切な設定、測定方法が見つかった場合には、順次更新を行います。

読者の皆様からのご意見もお待ちしていますので、ぜひTwitter等でいただければ幸いです。


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